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7話 α達の狂宴1
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その日は朝から皆んなの雰囲気がどこかおかしかった。アルファ達は集団で固まり、オメガ達を見てはニヤニヤと嫌な笑みでコソコソ会話している。
それとは反面に、オメガ達は怯えるように俯き、できるだけアルファの視線から外れようと顔を伏せている。
一部のオメガは肩を震わせ泣き出している者もいた。
「あー。今回はどの子を味わえるのかな~。」
「穴があれば誰でも同じだろーが、ヒヒッ」
オメガ達の反応を見てアルファの一部がこれ見よがしにこちらに聞こえるように下品な笑い声を上げる。
クリスはその嫌な声に眉を寄せた。
少し時間は遡る。
本来なら今日は休息日のはずなのに、クリスは隣室のオメガの友人に連れ出された。
「クリスいる?おはよう。今日はアルファの王の命令で学園に行かなきゃいけないんだって。」
ピンク色の髪にベビーフェイスの可愛い顔をした隣室の小柄な少年は、クリスが編入してからすぐに声をかけてくれて、それから何かと世話を焼いてくれる。
ピンク髪の少年に促され、一緒に寮を出る。向かう場所は、学園内だが中心の塔からは遠く離れた裏の森にある離れの古い離塔だという。
森の入り口を進むと一気に薄暗くなり朝だというのに不気味な風景になる。
「なあ、ネル。αの王は皆んなを集めて一体何をするつもりだ?」
ネルと言われたピンク髪の少年は歩行速度は変えずにクリスの耳元で声を潜めて教えてくれた。
「αの王は気まぐれにオメガ達を集めて、その中から数人選んで仲間のアルファたちに蹂躙させるんだ。」
・・は?
蹂躙って、、何を言ってるんだ、
驚きすぎて声が出ない。
「・・ちょっと待って、そんなの懲罰対象なんじゃ、、」
「今のαの王は、かなり身分も高貴でやりたい放題、、先生方も公には対処出来ないみたいで、、Ωの王も頼りには出来なくて・・」
なるほど、αの王による完全支配にされているのか。
オメガの王もアテにならないって、、
とりあえず、行ってみるしかないか。
ーー話は冒頭に戻るーー
集められた場所は、離塔の地下だった。森と同じように薄暗く不気味な雰囲気が漂う。所々壁掛けに、立て掛けられているランタンがなんとか明かりを灯してくれていた。
部屋の空間としては広く、よく見ると奥は二段高くなっており、その中央には玉座の様な、この場に合わない豪華に装飾された椅子が置いてある。
オメガ達は、部屋にいるアルファ達に引導されて部屋の真ん中に立たされ横四列に並べられる。
俯き震えている者には鞭の様な物が容赦なく振るわれた。
クリスも大人しく従う、事前に、どんな扱いを受けようとも反抗してはいけないとネルから何度も注告を受けていたからだ。
・・状況把握が出来ていない以上、下手に動けれないな。
今は何もつけられていない右中指をギュッと握りしめた。
オメガの王を証明する指輪は、己の正体を明かすには不安要素が多すぎるため、念のために編入初日から外して首にかけていた。
そのおかげか、これまではバース性による面倒事には巻き込まれずに済んだ。
そう考えていたら、
急に、ドクンと心臓が跳ねるような威圧的な低い声が聞こえた。
「よぉ、集まったみたいだな。宴を開くにはまだ早いが、、最近退屈すぎてなぁ。今日こそは俺を楽しませてくれよ?」
それとは反面に、オメガ達は怯えるように俯き、できるだけアルファの視線から外れようと顔を伏せている。
一部のオメガは肩を震わせ泣き出している者もいた。
「あー。今回はどの子を味わえるのかな~。」
「穴があれば誰でも同じだろーが、ヒヒッ」
オメガ達の反応を見てアルファの一部がこれ見よがしにこちらに聞こえるように下品な笑い声を上げる。
クリスはその嫌な声に眉を寄せた。
少し時間は遡る。
本来なら今日は休息日のはずなのに、クリスは隣室のオメガの友人に連れ出された。
「クリスいる?おはよう。今日はアルファの王の命令で学園に行かなきゃいけないんだって。」
ピンク色の髪にベビーフェイスの可愛い顔をした隣室の小柄な少年は、クリスが編入してからすぐに声をかけてくれて、それから何かと世話を焼いてくれる。
ピンク髪の少年に促され、一緒に寮を出る。向かう場所は、学園内だが中心の塔からは遠く離れた裏の森にある離れの古い離塔だという。
森の入り口を進むと一気に薄暗くなり朝だというのに不気味な風景になる。
「なあ、ネル。αの王は皆んなを集めて一体何をするつもりだ?」
ネルと言われたピンク髪の少年は歩行速度は変えずにクリスの耳元で声を潜めて教えてくれた。
「αの王は気まぐれにオメガ達を集めて、その中から数人選んで仲間のアルファたちに蹂躙させるんだ。」
・・は?
蹂躙って、、何を言ってるんだ、
驚きすぎて声が出ない。
「・・ちょっと待って、そんなの懲罰対象なんじゃ、、」
「今のαの王は、かなり身分も高貴でやりたい放題、、先生方も公には対処出来ないみたいで、、Ωの王も頼りには出来なくて・・」
なるほど、αの王による完全支配にされているのか。
オメガの王もアテにならないって、、
とりあえず、行ってみるしかないか。
ーー話は冒頭に戻るーー
集められた場所は、離塔の地下だった。森と同じように薄暗く不気味な雰囲気が漂う。所々壁掛けに、立て掛けられているランタンがなんとか明かりを灯してくれていた。
部屋の空間としては広く、よく見ると奥は二段高くなっており、その中央には玉座の様な、この場に合わない豪華に装飾された椅子が置いてある。
オメガ達は、部屋にいるアルファ達に引導されて部屋の真ん中に立たされ横四列に並べられる。
俯き震えている者には鞭の様な物が容赦なく振るわれた。
クリスも大人しく従う、事前に、どんな扱いを受けようとも反抗してはいけないとネルから何度も注告を受けていたからだ。
・・状況把握が出来ていない以上、下手に動けれないな。
今は何もつけられていない右中指をギュッと握りしめた。
オメガの王を証明する指輪は、己の正体を明かすには不安要素が多すぎるため、念のために編入初日から外して首にかけていた。
そのおかげか、これまではバース性による面倒事には巻き込まれずに済んだ。
そう考えていたら、
急に、ドクンと心臓が跳ねるような威圧的な低い声が聞こえた。
「よぉ、集まったみたいだな。宴を開くにはまだ早いが、、最近退屈すぎてなぁ。今日こそは俺を楽しませてくれよ?」
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