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26話 親衛隊隊長の仕事⑥
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本来なら、まだ今は授業中のため生徒が廊下を彷徨くはずは無く、俺と遊佐の2人分の足音だけが静かな廊下に響く。
コイツ、、見かけによらず歩くの速いな、、
早足の遊佐になんとか追いつく。
「なあ、どこ行くの」
「昼食の護衛」
そう端的に言われてもあんまりピンとこない。
あ、でも確かチハルと購買に行った際に大雅達を取り囲んで食堂に向かう集団を見かけた気がする
俺もそれに加われと?
「お前が親衛隊隊長なんてまだ全く認めてないけど、鷹虎様直々の指名らしいから仕事はしてもらわなきゃね。・・跡まで付けてもらって本当憎らしいね。」
俺に対しての嫌悪感を隠すことなく言葉と表情全てで語ってくる。
その冷たい視線が俺の首元をなぞる
俺だって別に好き好んでこの立場にいるわけじゃないんだけど
「こっちは認めてもらわなくても良いから。寧ろその方がありがたいし。」
周りに誰もいないからか少し強気に出る俺
チキンだけど言われっぱなしは腹が立つ
「は!少し気に入られてるからって良い気になんないでくれる?なんの努力もせずにその位置にいられることに感謝もしないなんて。身の程知らずもいいところだよ。」
こっちは良い気になんて全くなってないし
感謝なんてするわけないだろ
良い迷惑してんだから
お互い睨みながらも速度だけは落とさずに足を進める
階段を登り切ったところで遊佐が止まった。
睨みつけるのに必死でどこに向かうのかちゃんと見ていなかった俺が悪いけど、、
嫌な所に来てしまった・・
奴等のプライベートルーム
扉の前で2回ほどノックをした遊佐がガチャリと扉を開けて中に入る
仕方なく俺も後に続く
部屋の中には3人が揃っていた。
生徒会長は携帯を見ながら何か操作してて、副会長はパソコンを弄っており、大雅は足を机の上に投げ出して偉そうに踏ん反り返って寝ている。
俺たちに気づいた副会長がパソコンを閉じ、やあ、と言って俺に優しげに微笑む。
「来てくれてありがとう。君を待っていました。」
うん、無理やりね。
「やっほ。健太君、遅かったんじゃない?もうお腹すいちゃった。」
生徒会長が俺を見て軽く手を振る
「すみません。稲垣隊長を迎えに行ったんですけど、なかなか素直に来てくれなくて、手間取りました。」
遊佐が申し訳なさげに頭を下げる。俺が悪いみたいに言うなよ。
てか、何その身の代わりよう。
高飛車さが消えて、しおらしくなってるんですけど。詐欺だろ、これ。
遊佐を睨みつけようと顔を上げると前に大きな影が現れた。
「遅え。」
いつの間にか起きて移動したらしい大雅が俺の前に立っている
思わず肩がビクッとする
「昼は走ってこい。じゃねえと今度はこっちを頂こうか?」
そう言って、俺の右手を持ち上げ小指を掴み上げる
そのまま奴の口元にもっていき
少し開いた口の隙間から精鋭な犬歯が見えた
ゾクっと身体が震えた。
今度は自身の小指が食いちぎられ血塗れになる想像をしてヒュっと喉の奥で悲鳴があがる
「ひっ、、や、やめてくれ!!」
腕を思いっきし振り回したら、思いの外すぐに小指は解放された。
けど、頸のこともあるし何処までが本気だったのか、、
本当に俺の小指まで噛むつもりだったのか・・
嗜虐的に俺を甚振る大雅はどこまで俺を苦しめたいのか、、。まだ残っている反抗心が、恐怖心が強くなると共に徐々に削り取られて行くーーー
プライベートルームを出た俺たちは、大雅を筆頭に食堂まで向かう。
その途中で大雅を囲うように不良たちがぞろぞろ集まって来て、いつか見た集団が出来上がっていた。
俺はそんな集団の中心にいて、周りはガチの不良ばかりだし怖くて萎縮する。
「すみませんっス。授業最後まで聞いてたら遅れましたっス。」
聞き慣れた声がしたと思ったら赤星が小走りで駆けてくるのが見えた。
集団に到着した赤星は貴志先輩に頭を下げ、他の不良先輩に軽く頭をコツかれていた。
「間に合わないと制裁対象になるから気をつけてねー。あ、君の場合はボス直々にお仕置きされちゃうかもよ?今朝みたいにさ。」
何が楽しいのか、ニヤリと怪しく笑いながら俺に注告する生徒会長。
その手は俺の頸をサラリと撫であげた。
「あーあ。綺麗な肌に所有印付けられちゃったねえ。可哀想に。」
「これ以上傷モノにされたくなけりゃ、ボスには逆らないことだね。甘ーく懐いてりゃ可愛がってくれるよ下僕ちゃん。」
猫撫で声で囁やかれゾクっとした
誰が懐くかこのヤロウ
人を見下す奴らに折れてたまるか
唇を噛み締めグッと睨みつける
「うんうん、その強気なところもいいよねえ。ボスが気にいる筈だよ。まあ、頑張って。」
ククっと笑い、手をひらひらさせて大雅の横に並んだ生徒会長
俺は両手を握りしめる
贖ってみせるさ
俺はこの高校で青春すると決めたんだ
こんな不良共に生活を侵されてたまるか
コイツ、、見かけによらず歩くの速いな、、
早足の遊佐になんとか追いつく。
「なあ、どこ行くの」
「昼食の護衛」
そう端的に言われてもあんまりピンとこない。
あ、でも確かチハルと購買に行った際に大雅達を取り囲んで食堂に向かう集団を見かけた気がする
俺もそれに加われと?
「お前が親衛隊隊長なんてまだ全く認めてないけど、鷹虎様直々の指名らしいから仕事はしてもらわなきゃね。・・跡まで付けてもらって本当憎らしいね。」
俺に対しての嫌悪感を隠すことなく言葉と表情全てで語ってくる。
その冷たい視線が俺の首元をなぞる
俺だって別に好き好んでこの立場にいるわけじゃないんだけど
「こっちは認めてもらわなくても良いから。寧ろその方がありがたいし。」
周りに誰もいないからか少し強気に出る俺
チキンだけど言われっぱなしは腹が立つ
「は!少し気に入られてるからって良い気になんないでくれる?なんの努力もせずにその位置にいられることに感謝もしないなんて。身の程知らずもいいところだよ。」
こっちは良い気になんて全くなってないし
感謝なんてするわけないだろ
良い迷惑してんだから
お互い睨みながらも速度だけは落とさずに足を進める
階段を登り切ったところで遊佐が止まった。
睨みつけるのに必死でどこに向かうのかちゃんと見ていなかった俺が悪いけど、、
嫌な所に来てしまった・・
奴等のプライベートルーム
扉の前で2回ほどノックをした遊佐がガチャリと扉を開けて中に入る
仕方なく俺も後に続く
部屋の中には3人が揃っていた。
生徒会長は携帯を見ながら何か操作してて、副会長はパソコンを弄っており、大雅は足を机の上に投げ出して偉そうに踏ん反り返って寝ている。
俺たちに気づいた副会長がパソコンを閉じ、やあ、と言って俺に優しげに微笑む。
「来てくれてありがとう。君を待っていました。」
うん、無理やりね。
「やっほ。健太君、遅かったんじゃない?もうお腹すいちゃった。」
生徒会長が俺を見て軽く手を振る
「すみません。稲垣隊長を迎えに行ったんですけど、なかなか素直に来てくれなくて、手間取りました。」
遊佐が申し訳なさげに頭を下げる。俺が悪いみたいに言うなよ。
てか、何その身の代わりよう。
高飛車さが消えて、しおらしくなってるんですけど。詐欺だろ、これ。
遊佐を睨みつけようと顔を上げると前に大きな影が現れた。
「遅え。」
いつの間にか起きて移動したらしい大雅が俺の前に立っている
思わず肩がビクッとする
「昼は走ってこい。じゃねえと今度はこっちを頂こうか?」
そう言って、俺の右手を持ち上げ小指を掴み上げる
そのまま奴の口元にもっていき
少し開いた口の隙間から精鋭な犬歯が見えた
ゾクっと身体が震えた。
今度は自身の小指が食いちぎられ血塗れになる想像をしてヒュっと喉の奥で悲鳴があがる
「ひっ、、や、やめてくれ!!」
腕を思いっきし振り回したら、思いの外すぐに小指は解放された。
けど、頸のこともあるし何処までが本気だったのか、、
本当に俺の小指まで噛むつもりだったのか・・
嗜虐的に俺を甚振る大雅はどこまで俺を苦しめたいのか、、。まだ残っている反抗心が、恐怖心が強くなると共に徐々に削り取られて行くーーー
プライベートルームを出た俺たちは、大雅を筆頭に食堂まで向かう。
その途中で大雅を囲うように不良たちがぞろぞろ集まって来て、いつか見た集団が出来上がっていた。
俺はそんな集団の中心にいて、周りはガチの不良ばかりだし怖くて萎縮する。
「すみませんっス。授業最後まで聞いてたら遅れましたっス。」
聞き慣れた声がしたと思ったら赤星が小走りで駆けてくるのが見えた。
集団に到着した赤星は貴志先輩に頭を下げ、他の不良先輩に軽く頭をコツかれていた。
「間に合わないと制裁対象になるから気をつけてねー。あ、君の場合はボス直々にお仕置きされちゃうかもよ?今朝みたいにさ。」
何が楽しいのか、ニヤリと怪しく笑いながら俺に注告する生徒会長。
その手は俺の頸をサラリと撫であげた。
「あーあ。綺麗な肌に所有印付けられちゃったねえ。可哀想に。」
「これ以上傷モノにされたくなけりゃ、ボスには逆らないことだね。甘ーく懐いてりゃ可愛がってくれるよ下僕ちゃん。」
猫撫で声で囁やかれゾクっとした
誰が懐くかこのヤロウ
人を見下す奴らに折れてたまるか
唇を噛み締めグッと睨みつける
「うんうん、その強気なところもいいよねえ。ボスが気にいる筈だよ。まあ、頑張って。」
ククっと笑い、手をひらひらさせて大雅の横に並んだ生徒会長
俺は両手を握りしめる
贖ってみせるさ
俺はこの高校で青春すると決めたんだ
こんな不良共に生活を侵されてたまるか
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