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19話
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親衛隊隊長という名のパシリ?を強要された俺は悔しくも素直に頷いたためか、あの後すぐに両側から支え直され、立ち上がる事が許された。
くそっ
膝小僧が地味に痛い・・・
華の高校生活早々になんたる仕打ちだ
その根本的原因の奴は目をつぶりソファーに踏ん反りっている
腹立たしいこと極まりない
「ヒッ・・・」
心の声が聞こえたのか、急に目を開いた奴は俺を突き刺さすような目で射抜く
そして、早く出て行けかのように後ろの扉の方を顎でしゃくりやがる
この俺様鬼畜野郎ーーーー
「はいはーい。じゃあ、ボスのお許しも出た事だし、積もる話は外の部屋でしようか。お友達も待ってるしね。無事な姿を見せに行こう。」
生徒会長の気の抜けた緩い声と、それに合わない強引な動作で扉まで連れ出される
まだ、、
アイツに、、
大雅に聞きたいことはいっぱいあるのに
そのまま追い出される様にして、扉の外に出された
その突如、、
思いもよらない腹部への衝撃が俺を襲った
「うぐっ・・かはっ・・・」
なんの構えもしていない俺に強烈なタックルをお見舞いしてくれたのは肩を震わせ泣きじゃくるチハル
「ゲんだーー。グスッ・・。ごべんねーー。僕がいながら助けれなくてっ、本当ごめんっ!健太の初めてが、、僕のために、、、ごめんよぉーー。」
一生懸命に泣きながら励まして?くれるのはいいが何か勘違いをしている気がするんだが・・・
「健太、、!!」
チハルに続き、赤星も駆け寄って来てくれた。ワイシャツから覗き見えるグレー色のTシャツの首元がびっしょり汗で滲んでいる。トレードマークの赤髪からもポツポツと何滴か落ち、まるで無酸素運動をした後の様に息切れまでしている。
「悪い健太!直ぐにでも追いかけたかったんだが、、先輩達に囲まれて助けれなかった、!」
ああ
ほんとこいつら良い奴だよな
俺のためにここまで一生懸命になってくれるなんて
チハル
赤星
2人がいてくれると思ったから
正直すごく
安心したんだ
ありがとな2人とも
「ん?何なに?あー、最近良くある安い友情的な感じかな?君たち庶民的で笑えるよー。」
「何泣いているんです、別に取って食おうとした訳ではないですよ。健太君には1つ我々のお願いを聞いて頂いただけです。心配ご無用ですよ。それと、赤星、貴方は立場をわかっているんですか?貴方は我々側でしょう。」
「ああ、少し違いましたね。我々側じゃないといけないはず、、それ以外の選択肢がありますか、貴方に?」
俺たち3人の友情に水を刺す先輩たち
貴志先輩は言葉の最後に目を細めて何かを探るようにジッと赤星を見る
赤星の表情は後方に位置する俺からは見えないが、何やら意味深な言葉を貴志先輩に言われた後、グッと何かを耐えるかのように両手拳を握りしめた。
「あ、あの、、」
「ああ、勘違いしないで下さいね。稲垣君、私はね、赤星君の事を心配してわざわざ注意してあげてるのですよ。」
意を決して口を開いた俺の言葉を遮るように言葉を被せてきた貴志先輩は、先程とは一転、聖人君子の様に柔らかく微笑んだ。
だか、その目は一切笑っていない
凍えるような冷徹さを含めて
うすら微笑を口元に浮かべている
「ほんと、嫌なやつ!もう健太に用はないんでしょ?健太!弘一!もう帰ろーよ!ここにいると頭が痛くなってくるよ!!」
俺ら3人の中で1番の強者はある意味チハルなのかもしれない
「ええ、いいですよ。まあ、もともと貴方はここに呼んですらいないんですがね。」
貴志先輩に口で勝てる者はいるのだろうか
キーキー怒っているチハルを引っ張りながらこのタイミングを逃さぬうちに赤星と出口に向かう
出て行く俺たちに追い打ちをかけるように貴志先輩は言葉を続ける
「そうそう、稲垣君には若・・鷹虎大雅と言えばわかりますか?若の親衛隊隊長になって頂くことになりましたから。」
一気に階段を駆け降りる俺たち
「はーーーー!?なんだってーー!!」
チハルの甲高い声が屋上から一階にかけて響き渡ったのは言うまで間もない。
くそっ
膝小僧が地味に痛い・・・
華の高校生活早々になんたる仕打ちだ
その根本的原因の奴は目をつぶりソファーに踏ん反りっている
腹立たしいこと極まりない
「ヒッ・・・」
心の声が聞こえたのか、急に目を開いた奴は俺を突き刺さすような目で射抜く
そして、早く出て行けかのように後ろの扉の方を顎でしゃくりやがる
この俺様鬼畜野郎ーーーー
「はいはーい。じゃあ、ボスのお許しも出た事だし、積もる話は外の部屋でしようか。お友達も待ってるしね。無事な姿を見せに行こう。」
生徒会長の気の抜けた緩い声と、それに合わない強引な動作で扉まで連れ出される
まだ、、
アイツに、、
大雅に聞きたいことはいっぱいあるのに
そのまま追い出される様にして、扉の外に出された
その突如、、
思いもよらない腹部への衝撃が俺を襲った
「うぐっ・・かはっ・・・」
なんの構えもしていない俺に強烈なタックルをお見舞いしてくれたのは肩を震わせ泣きじゃくるチハル
「ゲんだーー。グスッ・・。ごべんねーー。僕がいながら助けれなくてっ、本当ごめんっ!健太の初めてが、、僕のために、、、ごめんよぉーー。」
一生懸命に泣きながら励まして?くれるのはいいが何か勘違いをしている気がするんだが・・・
「健太、、!!」
チハルに続き、赤星も駆け寄って来てくれた。ワイシャツから覗き見えるグレー色のTシャツの首元がびっしょり汗で滲んでいる。トレードマークの赤髪からもポツポツと何滴か落ち、まるで無酸素運動をした後の様に息切れまでしている。
「悪い健太!直ぐにでも追いかけたかったんだが、、先輩達に囲まれて助けれなかった、!」
ああ
ほんとこいつら良い奴だよな
俺のためにここまで一生懸命になってくれるなんて
チハル
赤星
2人がいてくれると思ったから
正直すごく
安心したんだ
ありがとな2人とも
「ん?何なに?あー、最近良くある安い友情的な感じかな?君たち庶民的で笑えるよー。」
「何泣いているんです、別に取って食おうとした訳ではないですよ。健太君には1つ我々のお願いを聞いて頂いただけです。心配ご無用ですよ。それと、赤星、貴方は立場をわかっているんですか?貴方は我々側でしょう。」
「ああ、少し違いましたね。我々側じゃないといけないはず、、それ以外の選択肢がありますか、貴方に?」
俺たち3人の友情に水を刺す先輩たち
貴志先輩は言葉の最後に目を細めて何かを探るようにジッと赤星を見る
赤星の表情は後方に位置する俺からは見えないが、何やら意味深な言葉を貴志先輩に言われた後、グッと何かを耐えるかのように両手拳を握りしめた。
「あ、あの、、」
「ああ、勘違いしないで下さいね。稲垣君、私はね、赤星君の事を心配してわざわざ注意してあげてるのですよ。」
意を決して口を開いた俺の言葉を遮るように言葉を被せてきた貴志先輩は、先程とは一転、聖人君子の様に柔らかく微笑んだ。
だか、その目は一切笑っていない
凍えるような冷徹さを含めて
うすら微笑を口元に浮かべている
「ほんと、嫌なやつ!もう健太に用はないんでしょ?健太!弘一!もう帰ろーよ!ここにいると頭が痛くなってくるよ!!」
俺ら3人の中で1番の強者はある意味チハルなのかもしれない
「ええ、いいですよ。まあ、もともと貴方はここに呼んですらいないんですがね。」
貴志先輩に口で勝てる者はいるのだろうか
キーキー怒っているチハルを引っ張りながらこのタイミングを逃さぬうちに赤星と出口に向かう
出て行く俺たちに追い打ちをかけるように貴志先輩は言葉を続ける
「そうそう、稲垣君には若・・鷹虎大雅と言えばわかりますか?若の親衛隊隊長になって頂くことになりましたから。」
一気に階段を駆け降りる俺たち
「はーーーー!?なんだってーー!!」
チハルの甲高い声が屋上から一階にかけて響き渡ったのは言うまで間もない。
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