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13話
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帰路の途中、なぜ一緒に帰っているのかわからなくなるくらい貴志先輩は無口だった。その口元だけはどこか楽しげに歪んでいる様にも見えるが・・。
前を向いていた貴志先輩が急に振り返り俺と目があった。
そのアイスブルーの瞳は、どんなに優しげに魅せようとしても、心の奥底にある冷静で冷酷な性格までは隠し切れていない、そんな雰囲気を感じる。
ふと、先輩の方から視線が逸らされた。
「そんなに熱烈に見つめられてしまっては、顔に穴が開いてしまいますよ。」
えっ、、?!あれ?
俺・・何考えてたんだ??
いろいろ考えていたら貴志先輩を見すぎてしまったようだ。やばい、ただでさえ綺麗な先輩を見つめすぎただなんて、変な意味はなかったとしてもすげー恥ずかしすぎるっ!!
変に捉えられていないかをただ必死に気にしている俺に貴志先輩が声をかけた。
「そう言えば。赤星君と先ほどのサ・・・チハル君、稲垣君はとても仲良さげな様子でしたが・・もともと顔見知りだったのかな?」
「あ、俺ら3人は今日初めて会ったんスけど、すげー気が合ったんス!んで、一緒に帰ってたところだったんスよ。」
俺が答えるより先に赤星が俺らの関係を説明してくれた。
てか、貴志先輩、チハルのことサルっていいかけたような、、。
「なるほど・・。そうですか、赤星君と稲垣君は今日会ったばかりなんですね。とても仲が良さげだったので、もともと知り合いなのかと思ってしまいましたよ。」
安心しました、と言う謎な言葉を付け加えて、貴志先輩は微笑んだ。(ふふ・・本当に良かったよ。稲垣君の周囲情報に、ミスなんてあったら死人が出ますからねえ。)
その後、そのまま行けばもうすぐで自宅、、という所まで来たのに、貴志先輩がオススメのめちゃくちゃ美味しいケーキ屋さんがあるとか言うので誘惑に負け立ち寄った。
自宅は遠回りになったものの、本当に美味しいケーキだったので満足だ。しかも先輩の奢りで、何と持ち帰り用まで買ってもらった。最初に怪しいとか疑いをかけてしまった事に申し訳なく思う。
「では、また今度」
「また明日なー、健太ー」
2人とは方向が違うので、俺はここでわかれた。普段は通らない道だが、昔住んでいた街だから携帯は使わなくても自宅までの道はわかる。
あっ、、!そうだ!
こっちから行くとアイツの家を経由する事になるじゃん。
せっかくだし、少し覗いてみようかな。
離れたところから見れば、アイツに、見つかる確率なんて低いもんだろ。
誰に話しかけるわけでもなく1人呟く。
後少しだ
ここからなら、アイツが住んでいた家が見える
見える
見える
ボトッ
ケーキの箱が道端に落ちる音が聞こえた
でも、、そんな事より目の前の光景に
絶句する
え・・嘘だろ?
前を向いていた貴志先輩が急に振り返り俺と目があった。
そのアイスブルーの瞳は、どんなに優しげに魅せようとしても、心の奥底にある冷静で冷酷な性格までは隠し切れていない、そんな雰囲気を感じる。
ふと、先輩の方から視線が逸らされた。
「そんなに熱烈に見つめられてしまっては、顔に穴が開いてしまいますよ。」
えっ、、?!あれ?
俺・・何考えてたんだ??
いろいろ考えていたら貴志先輩を見すぎてしまったようだ。やばい、ただでさえ綺麗な先輩を見つめすぎただなんて、変な意味はなかったとしてもすげー恥ずかしすぎるっ!!
変に捉えられていないかをただ必死に気にしている俺に貴志先輩が声をかけた。
「そう言えば。赤星君と先ほどのサ・・・チハル君、稲垣君はとても仲良さげな様子でしたが・・もともと顔見知りだったのかな?」
「あ、俺ら3人は今日初めて会ったんスけど、すげー気が合ったんス!んで、一緒に帰ってたところだったんスよ。」
俺が答えるより先に赤星が俺らの関係を説明してくれた。
てか、貴志先輩、チハルのことサルっていいかけたような、、。
「なるほど・・。そうですか、赤星君と稲垣君は今日会ったばかりなんですね。とても仲が良さげだったので、もともと知り合いなのかと思ってしまいましたよ。」
安心しました、と言う謎な言葉を付け加えて、貴志先輩は微笑んだ。(ふふ・・本当に良かったよ。稲垣君の周囲情報に、ミスなんてあったら死人が出ますからねえ。)
その後、そのまま行けばもうすぐで自宅、、という所まで来たのに、貴志先輩がオススメのめちゃくちゃ美味しいケーキ屋さんがあるとか言うので誘惑に負け立ち寄った。
自宅は遠回りになったものの、本当に美味しいケーキだったので満足だ。しかも先輩の奢りで、何と持ち帰り用まで買ってもらった。最初に怪しいとか疑いをかけてしまった事に申し訳なく思う。
「では、また今度」
「また明日なー、健太ー」
2人とは方向が違うので、俺はここでわかれた。普段は通らない道だが、昔住んでいた街だから携帯は使わなくても自宅までの道はわかる。
あっ、、!そうだ!
こっちから行くとアイツの家を経由する事になるじゃん。
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誰に話しかけるわけでもなく1人呟く。
後少しだ
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見える
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