この度、不良のボスの親衛隊隊長に任命されました。

10話 噂の生徒会メンバーと不良のボス

午前中はレクリエーションが中心で、あっという間に昼休憩になった。

チハルは相変わらず元気に話しかけてきて健太はほぼ聞き役に徹したが意外にもチハルの話は興味深く、自分の思ったことや体験したことを面白おかしくペラペラ喋っている。

最初はマイペースな煩いやつだと思っていが、案外素直なだけかもしれない

仲良くやっていけそうかもな


「健太ー！お昼持ってきてないんだよね？探検ついでに一緒に購買行こーよ！食堂もあるみたいだけど今日は購買でいいよね？？」

チハルはお手製のお弁当を持ってきている筈なのに、俺と一緒に購買に行くと言い2人で教室を出た。

渡り廊下まで歩いてくるとザワザワとした集団が遠くに見えた。集団の中に誰かいるみたいだが遠くてよく見えない。

‥なんだ？

「あー！あれは生徒会メンバーと鷹虎先輩たちかも！噂は本当だったんだ！！」

生徒会って、、今朝入学式で挨拶していたどこかの王子様みたいな生徒会長さんとその近くにいた人たちだよな

鷹虎先輩って誰だろう

それにしても入学初日なのにチハルの情報量はすごい

チハル曰く、集団に囲まれているのは生徒会メンバーとこの学校の不良のボスで、彼らはよく一緒に行動しているらしい。

「要するに、この学校の頂点、、カースト上位の方々だよ！」

「僕はノンケだからどっちも興味ないけど、うまく取り入れれば同じ優越感のある生活を送れるかもね！まあ、いろいろとヤバい人たちだから気をつけないとだけど、、、。」

後からチハルが教えてくれたが、ノンケと言うのはボーイズラブでいうとこのノーマル、所謂、俺のような普通に女の子が好きな普通の男の事を言うらしい。

「あ・・・でも鷹虎先輩はやめといた方がいいかも。」

急に声のトーンを落としたチハルが周囲に目を向けつつ、俺の耳にそっと囁いた。


「鷹虎先輩はね、

この高校の不良、いや全生徒を束ね、生徒会以上の絶対的な権力とカリスマ性を持ってて、実家は極道、本人もかなり鬼畜で暴力的、歯向かう者には容赦しない、しかも表家業には名の知れたIT業界の後継者でもあるとか。今まで彼の唯一になろうと、近づいた子は数多くいたけど大抵がヤり捨て、場合によっては退学もしくは家族揃って他県に追いやられた子もいたとか・・。

これ噂だけどかなり信憑性あるみたいだよ？」　　

思わずチハルの方を向いたが目は合わず、彼はジッと遠くの集団を見つめている。

まじかよ、、そんなヤバい奴がいるなんて、、怖いな。
　
・・・っとにかく

関わったら何されるかわかんねー。チハルの言う通り気をつけねーとな・・。