この度、不良のボスの親衛隊隊長に任命されました。

6話 赤髪の不良

目の前に再び現る燃えるような赤い髪。一度見れば忘れられない印象的な髪色。


背を向けてはいるが間違いない、昨日の赤髪不良だ。
俺と同じ新入生だったのか‥


と思ったのも束の間、後ろからいきなりドン！と押された俺は、対応できずに目の前にいるソイツに赤髪不良に顔から思いっきりぶつかってしまった。　


ふと、昨夜の公園で聞いた男達の苦しそうな呻き声が頭をよぎった。自分の顔がさーっと青ざめていくのがわかる。大変だ。


どうする、、逃げるか？


「‥い！」

「おい！」


この状況をどう回避すればよいか考えていると、頭上から声がした。俺はビックっと肩を震わす。

「おまえ、大丈夫かよ？」


え？
怒ってないのか‥？


「あ、いや、その、わざとじゃないんだ、後ろから押してきたやつがいて、、ごめん。」


最初から謝ればいいのに、言い訳を言ったり逃げようとしたり、俺はなんてカッコ悪いやつ。ちょっと情けなくて肩を落とす。自業自得だけど。



「気にすんな。しょーがねーだろ？混んでんだし。」

ツンツン赤髪で吊り目、どう見たって怖そうなその赤髪不良はニカっと人懐っこい笑顔で言った。

なんてカッコいいやつ。

思ってたより怖くはなさそうだ。
てか普通に良いやつだ。


「ありがと、俺、稲垣健太！よろしく！」

「赤星弘一ｱｶﾎﾞｼﾋﾛｲﾁだ、よろしくな健太！」



・・赤星視点・・

稲垣、、？なんか最近聞いたような気がすんだが、、気のせいか？