この度、不良のボスの親衛隊隊長に任命されました。

5話 いざ高校へ

昨日の夜は酷い目に遭ったが、一晩寝たらだいぶ落ち着いた。

そもそも、不良なんて昔住んでいた時はよく見かけたじゃないか。それほど珍しいもんでもないさ。

あの名前もきっと空耳だろう。それか俺が聴き間違えたんだ。

健太は昔から都合が悪くなると逃げ出す癖があり、今回も考えるのをやめて、都合良く解釈し、自分には関係ないことだと思い込むことにした。



ブツブツと独り言を言っている健太は、周囲から見ると不審人物に写ったことだろう。



家から20分程度歩くと、俺が今日から通う高校が見えてきた。

校門は新入生らしき人達で溢れかえっている。

元男子校だったこの帝都高校は、まだまだ生徒のほとんどが男子で、女子の割合はかなり少ないらしい。

引っ越しという大きなショックに打ちひしがれていた俺は、よく考えずに父親に勧められたこの帝都高校を受験した。

中学は部活オンリーで部活仲間との友情という名の下に、女子との青春ライフを棒に振った俺は、今度こそ彼女をゲットして華の高校生活を送るつもりだったのに。

目の前の校門に群がる男連中を実際に目にし、ガクッと肩を落とす。

トホホ、、泣けるぜ

遠い目をしていた俺の目の前にいきなり赤い髪が写った。

ん？この髪色はーーーーー