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天音華恋は妊娠18weekに舞台から消える
4week 愛すが故に
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~*yorokobi ni .゜*michi afurete
『リリリリリリリリリリリリリ』
*゜*.。 watashi*。 wa utau~
『リーーー!!!ー!!!』
♪.*゜*.
『リーンリーンリーン、、』
ボーーーーーーーーーーーー、、
ボーーーーーーーーーーーー、、
ゴスペルの調べが、けたたましい電話のベル音にと
変わり、やがて船の汽笛へとなるのです。
わたくしは、あのシャンパンコールが鳴る階下で『タチバナ・リンコ』を認めた瞬間に、
「すいません、アザミです。勝手を言いますが、只今を持って、辞めさせてくださいませんか。」
電話を掛けていましたの。
主人の潜伏内偵をするために入店したクラブ『Q』。
いわゆるホステス保証期間中に、わたくし『Q』を辞めました。
「申し訳ございません。本当に私事ではありますが、いろいろ準備に入らせてもらう事になりまして。少し、慌ただしくなりそうですから。では。」
アヤミちゃん達が騒いで、ダンスタイムに飛び出すのを、わたくしは席で眺めながら電話を切りました。
隣で、わたくし担当のホストが目をまん丸にしています。
「今日は、わたくし帰ります。わたくしに伝票回してください。」
彼は頷くと、内勤のボーイに合図します。
「また、来るだろ?」
愛想ない彼が、珍しく聞きます。
彼とは素飲みだけで、会話らしい事をしてませんのに、面白いことです。
「どうかしら?じゃあ、これで。ご機嫌よう。アヤミちゃんには 伝えておいてくださるかしら?」
わたくしは、金額未記入の青い伝票を摘まんで、笑います。
「何?」
わたしの笑みを、不思議そうに担当の彼は見ていましたわ。
「いえ、これから、、今度は、緑の紙を書くものだから。」
青伝票をクラッチバッグに直しつつ答えます。
「、、?送るけど。」
「いらないわ。営業しなくてもちゃんと『掛け』払いますよ。」
今まで掛け払してませんからね、ここで飛ばれると思ったのでしょう?
いわゆる『エレチュー』『枕』の、かけ時とふまれましたか?
「・・・」
「ご機嫌よう。」
始まったダンスタイムで、フロアの賑わいが後押し。
誰も、わたくしを気にも留めません。
ひっそり階段を上がり出口から見下ろせば、煌めくシャンデリアの向こうに、アヤミちゃんとアイドル系担当、そして主人達が踊る姿も見えますの。
「願わくは、接待相手で終りますように。」
そう神に祈りたくなり、つい両手を胸で組んでましたわ。
まるで宮殿のような内装と、どこか不釣り合いなのに怪しいライトで誤魔化される大音響のJPOP曲が、遠い世界になりつつありますの。
『ありがとうございましたー』
会計ブースを横に意を決して『戀』を出ると、わたくしはハーフアップにした髪を下ろし、ポニーテールに戻します。
これは、わたくしの戦闘スタイル。
銀杏通りの白タクを呼んで、マンションに帰りましたらば、
「シモセキ息子、離婚届けを。それから、アマネさんの里親様が営んでいらっしゃった釣船と同等の船を購入。下関に戸建を見繕ってくれるかしら。」
早速コンシェルジュブースで、迎えてくれるワンコ系の可愛い男子に依頼しましたのね。
「カレン様、お帰りなさいませ。かしこまりました。離婚届は、こちらに用意してございます。船と不動産は、お時間頂けますでしょうか。ところで、離婚届の件、伝えても差し支えは?」
彼は、実家の母のお手伝いをしているシモセキの息子。
わたくし達が住みますマンションのコンシェルジュ統括をしている若者です。
「ごめんなさいね。まだ伝えないで、いてくれるかしら。時間も急がないけれど、船は受注発注でしょうから動いてくれる?」
それにしても、いくら万能コンシェルジュといえ、離婚届を用意してるなんてと、口にすると婚姻届もあると、ワンコ声で微笑まれましたわ。
「かしこまりました、カレン様。」
わたしの電話に内臓しているGPSで彼らも、わたくしの帰宅のタイミングが解っているとはいえ、戻ると必ず迎えてくれるのです。
「お休みなさいね。」
それがどれほど有り難いことか。
今となっては、見に染みます贅沢ですね。
「お休みなさいませ、カレン様。」
見慣れたエントランスホールを横切って、乗り込んだエレベーター。
~*yorokobi ni .゜*michi afurete
『カラ~~ンコ~ン』
*゜*.。 watashi*。 wa utau~
『カラ~~ン』
♪.*゜*.
開けば、そこには 学院初等部。
生徒会執務室。
走馬灯とは残酷ですのね?
わたくしの同窓であり、
『タチバナ・リンコ』が娘
『ヤシロ・スズネ』との
決裂のあの日だったんですもの。
『リリリリリリリリリリリリリ』
*゜*.。 watashi*。 wa utau~
『リーーー!!!ー!!!』
♪.*゜*.
『リーンリーンリーン、、』
ボーーーーーーーーーーーー、、
ボーーーーーーーーーーーー、、
ゴスペルの調べが、けたたましい電話のベル音にと
変わり、やがて船の汽笛へとなるのです。
わたくしは、あのシャンパンコールが鳴る階下で『タチバナ・リンコ』を認めた瞬間に、
「すいません、アザミです。勝手を言いますが、只今を持って、辞めさせてくださいませんか。」
電話を掛けていましたの。
主人の潜伏内偵をするために入店したクラブ『Q』。
いわゆるホステス保証期間中に、わたくし『Q』を辞めました。
「申し訳ございません。本当に私事ではありますが、いろいろ準備に入らせてもらう事になりまして。少し、慌ただしくなりそうですから。では。」
アヤミちゃん達が騒いで、ダンスタイムに飛び出すのを、わたくしは席で眺めながら電話を切りました。
隣で、わたくし担当のホストが目をまん丸にしています。
「今日は、わたくし帰ります。わたくしに伝票回してください。」
彼は頷くと、内勤のボーイに合図します。
「また、来るだろ?」
愛想ない彼が、珍しく聞きます。
彼とは素飲みだけで、会話らしい事をしてませんのに、面白いことです。
「どうかしら?じゃあ、これで。ご機嫌よう。アヤミちゃんには 伝えておいてくださるかしら?」
わたくしは、金額未記入の青い伝票を摘まんで、笑います。
「何?」
わたしの笑みを、不思議そうに担当の彼は見ていましたわ。
「いえ、これから、、今度は、緑の紙を書くものだから。」
青伝票をクラッチバッグに直しつつ答えます。
「、、?送るけど。」
「いらないわ。営業しなくてもちゃんと『掛け』払いますよ。」
今まで掛け払してませんからね、ここで飛ばれると思ったのでしょう?
いわゆる『エレチュー』『枕』の、かけ時とふまれましたか?
「・・・」
「ご機嫌よう。」
始まったダンスタイムで、フロアの賑わいが後押し。
誰も、わたくしを気にも留めません。
ひっそり階段を上がり出口から見下ろせば、煌めくシャンデリアの向こうに、アヤミちゃんとアイドル系担当、そして主人達が踊る姿も見えますの。
「願わくは、接待相手で終りますように。」
そう神に祈りたくなり、つい両手を胸で組んでましたわ。
まるで宮殿のような内装と、どこか不釣り合いなのに怪しいライトで誤魔化される大音響のJPOP曲が、遠い世界になりつつありますの。
『ありがとうございましたー』
会計ブースを横に意を決して『戀』を出ると、わたくしはハーフアップにした髪を下ろし、ポニーテールに戻します。
これは、わたくしの戦闘スタイル。
銀杏通りの白タクを呼んで、マンションに帰りましたらば、
「シモセキ息子、離婚届けを。それから、アマネさんの里親様が営んでいらっしゃった釣船と同等の船を購入。下関に戸建を見繕ってくれるかしら。」
早速コンシェルジュブースで、迎えてくれるワンコ系の可愛い男子に依頼しましたのね。
「カレン様、お帰りなさいませ。かしこまりました。離婚届は、こちらに用意してございます。船と不動産は、お時間頂けますでしょうか。ところで、離婚届の件、伝えても差し支えは?」
彼は、実家の母のお手伝いをしているシモセキの息子。
わたくし達が住みますマンションのコンシェルジュ統括をしている若者です。
「ごめんなさいね。まだ伝えないで、いてくれるかしら。時間も急がないけれど、船は受注発注でしょうから動いてくれる?」
それにしても、いくら万能コンシェルジュといえ、離婚届を用意してるなんてと、口にすると婚姻届もあると、ワンコ声で微笑まれましたわ。
「かしこまりました、カレン様。」
わたしの電話に内臓しているGPSで彼らも、わたくしの帰宅のタイミングが解っているとはいえ、戻ると必ず迎えてくれるのです。
「お休みなさいね。」
それがどれほど有り難いことか。
今となっては、見に染みます贅沢ですね。
「お休みなさいませ、カレン様。」
見慣れたエントランスホールを横切って、乗り込んだエレベーター。
~*yorokobi ni .゜*michi afurete
『カラ~~ンコ~ン』
*゜*.。 watashi*。 wa utau~
『カラ~~ン』
♪.*゜*.
開けば、そこには 学院初等部。
生徒会執務室。
走馬灯とは残酷ですのね?
わたくしの同窓であり、
『タチバナ・リンコ』が娘
『ヤシロ・スズネ』との
決裂のあの日だったんですもの。
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