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天音華恋は妊娠18weekに舞台から消える

10 week 寵愛と蜂

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 側室、妾文化始まりは藤原氏からだとか。

 平安時代にも側室がと思われるかもしれませんけど、平安の殿方は通い婿。

 財産や権利は、全て女性にありましたのですから、古くから家格を守る筋の子女の夫概念は、どこか今時ではないでしょう。

「古くは、女が複数の男を通わせていたという、まるで女王蜂的な考え方だった。ということね。」

 モダンな冷蔵庫を開けますと、そこには作り置きをした食材がチルドされてますけど、随分減ってますの。

「あら?アマネさん、、ちゃっかりしてらっしゃる。わたくしの保存食を使ってるなんて、、あの人、自炊なんてするのかしら~?そうねぇ。」

 お気に入りで、わたくし拘りのキッチン。

 今も昔も、殿方の寵愛の要は3つの袋。

 作り置き容器に丁寧に貼った1つ1つ、わたくしの文字がみえる付箋。

「もっと作って置くべきでしたわ。悪阻も酷くない体質でしたもの。でも、忙し過ぎましたものねぇ、ビーちゃん。   」

 すっかりお腹に話かける癖がついて苦笑しますわね。

 ベビーなのですから、ビーちゃんです が、、

 愛して止まない家族は、婚約先にも不自由ない家を考えていましたけれども、料理に感しては、きっちり出来る様にはしてくれてます。

 さながら悪役令嬢な容姿と学院時代から揶揄されましたけれど、家庭的手習いは一通りこなし、専門料理教室にも。

 そのお陰様で主人の浮気と称される、写真現場へ乗り込む協力者も得られました。

「そういえば、キリヤマくん。お教室、休んでるから、心配してそうですわね。1度お店に行きたいとか気を使ってましたけど、夜遊びはさせない方が良いタイプよね。さて、」

 わたくしは、普段あまり着ないタイプのワンピースを纏いヘアセットも『ゆるふわハーフアップ』にします。

「察してくれるといいのだけれど、今となっては遅くても、アマネさんなら服の違いは 気にするでしょうからね。」

 わざわざスツールも特別に作りましたのよ。

 何より1番屈辱的なのは敵に似せた姿になる事。

「彼女も嫌でしょうに、わたくしと同じ目元にするなんて。まして、後から気がついた時には後の祭りですもの。服と髪を寄せるのさえ気分を害するものですわ。」

 かつて、あの女が武器にしていたスタイルなんて。

 それでもまだ彼女は小物ね。後ろの女王蜂に比べれば働き蜂にもならない。

 蜂はね、同じ姉妹でも冠を譲らず玩び殺すのよ。

 ましてや雄蜂には女王蜂は性交出来るやいなや、相手の性器を肉切って、自分に取り込む。

 雄蜂は性交したが最後、女王蜂に身体を喰われるの。

 そもそも、事の全容がわかったのも、夜に咲いた毒花の噂を耳にしたから。

 スズネの実母、リンコ。

 あの妖艶さだけは整形ぐらいじゃ隠せなかった。

「違うわね。ホクロですわよ。決め手は、あのホクロ。」

 さすがに娘は特徴的過ぎる、口元のホクロは消してたけれど。

 わたくしは、送られてきた写真を全て破って捨てました。

    
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