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32week

よーやく見えてきた

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「むかしむかし。割れて、飲み口 だけのビンがありました。元は貴重なシャンパンのビン で、 金持ちの婚約披露で開けられたビンでしたが、ビンは長い年月をかけて、老女が飼う子猫の水飲みビンになります。老女は婚約パーティーをした、金持ちの娘で、今はつつましい余生を送り、時折、昔 飲んだシャンパンを思い出してビンを懐かしむのでした。」

 僕んは少し、遠ーい目ぇしつつ美魔女の姑~、カツコさんが妻カレンに絵本ば読み聞かせとったんを、口にすん。

「アマネ。何だそれは?とうとう頭が沸いたのか?」

 僕ん右隣で、カットライムんばジンジャエールに飾り付けるタモツが、嫌っそーな顔しよる。

「義母がなー、カレンさんお腹に読んどる絵本なんやが?何か?」
   
 えー、
  不可逆的な全脳機能不全?でベッドん横たわる妻カレンのお腹にな!

 世間的にゆーたら、脳死した妻んお腹の子どもに一生懸命、母親ば絵本を読んどって、それ見たらマジ泣ける案件なんぞ。

「へー、それって何の話ですか?聞いたことがなくて。」

 タモツん隣でケーキば皿にサーブしとんは、キリヤマ。

 お忘れかもやけど、
 妻カレンと調理学校同んなし班やゆーて、住所を貸しとった魔男間違いヤローな!!

 そんで、キリヤマにも妻カレンの状況は話したん。

 したら、即爆泣きされたぞな。だから、魔男疑惑は許した!

「僕んも知らんかったやが、アヒルとか、人魚とか?マッチとかの童ー話書いてる人ん絵本やてー。知らんわなー?」

 ちなみに僕んは、ポテトを紙皿にサーブ中な。
 僕んの左隣は、ユキヒコがハーフサンドイッチな用意しとー。

「あのな!よくわからない、この状況でさ?その童話の話はあれか?トンチかアマネよ?」

 とか文句いつつキヨヒコは、お客さんにサンドイッチを渡しましたとさ。

「童話と云うものは、時として啓発や戒めなんかもある。そうゆう事だろう?アマネ?」

「さっすがっすなー。タモツ殿!僕んさ、こん話聞いてよぉ閃いたわけなんよ。」

 今度はお客様に頼まれ、僕んはコーヒーを紙コップにサーブする。

 僕んらは何しとんのって?

『『いらっしゃいませー!!』』



 普段はコールするホストん声ば響くダンスホールに、今日ん昼部に開催されるはホストクラブカフェなんだと!!

 で、これがホストはボランティア。

 セット料金はカフェメニューだけで、やっとるゆーリーズナブルんが驚く。

 普段、夜クラブ知らん人らにクラブホール装飾やら、ホスト顔見せして交流ってアイディア神か!!

 しかもジョー代表は、この間の時、ちゃっかりな、

『情報の礼なら、きっちり体で払ってくれればいいさ!また連絡入れるから、その時に!』

 ーって不穏な空気醸し出しまくり言うてたんよ。

 で、その時ーが今の時ーなわけ。

 僕んらが駆り出されるんが『戀』での昼の部カフェday!いわゆる3部って『戀』イベって攻めとるよ?

 てか、ごぉら?!キヨヒコに、タモツ?!人ん箱でも挨拶しとせー!!

「いやぁ。良かったよ。丁度 人手が足りなくてね、今日は。助かった、助かった☆♪」

 もれなくジョー代表も無償なんね、、このイベって、、

 キリヤマん隣で、すんげー決め営スマイルで、紙コップにコーヒー入れるジョー代表、、怖いわー。

「君たちって、本当に仲いいんだな。声かけたのは、タモツくんだけなのにさ。助かるけど。」

「いえ、元はアマネの案件なので、筋は通して適度に声をかけたら暇な奴らが付いてきただけです。」

「最低ー!アマネよ!聞いたか?アマネはいいけど、オレは抵抗したんだぞ?!休みだろ!」

「本当にそれっすよ!だいたい、ボクは全然関係ないっすよ!」

「えー?キリヤマっちさ、タモツんとこ入店したんぞな?な?」

「ジョーさん、こんな感じです。」

「はは!仲いいのは良い事だ!」

 『戀』で月1やるカフェdayって、夜部は完全姫ONLYなんを、この日だけ、メンズOK!オール全年齢welcomeらしいんな。

 しかも、ダンス体験もある!!さっすがバスツアーなっとる『戀』は違うってよー。

 やから普段のダンスホールが、夏フェスみたくカオスなりーの、ボランティアホストん写真、撮りーのなんが、、

『あのー、こちらのスタッフさんとは写真出来ないのですか?』

「ごめんなさいねー?ヘルプのスタッフなんで御勘弁ですー。それにぃ、こう見えてぇこの人達、おじさんなんです。」

 めちゃドデカマスクなんに、男前度ダダ漏れんタモツやらキヨヒコんとこにゲストが並ぶぞな!!

「てか!僕んがタモツとユキのSP扱いって、どーよ?!が!」

 僕んは丁重にゲストに、お引き取り願ってーのポテトを、おまけに勝手に渡しーのしておくが、何か?!

「アマネ!誰がおじさんだよ!」

 いつの間にキヨヒコも、サンドイッチ拝借してん?
って、金払っとんわ。ならくれ!

「闇にアマネくんってディスるんだ?うちの店じゃ主力年だよ?」

 あ、すいせーん。ジョー代表、、怖いわー。

 「それより、アマネの童話。 アレは何か引喩しているだろ?そろそろ話をしてくれないか。」

「ボク全然関係ないっすー。」

 はい!キリヤマ関係なくないのー!カレンと秘密共有しとる、お前さんも、もれなくなのー。

「そうなんよ!僕んらさ、シャンパンのビンでしかな、形を覚えてへんのんな?なんでやゆーたら、ビンが口だけの形ばなっとるからのよ。目ぇが変わってメイクが違うん。」

 僕んはマスクば外して、口を出しての、目をマスクば隠して見せる。

「えー、それって整形してるってことだよな?誰がだよ?」

「この間の話だね?なら、『タチバナ・リンコ』だよね。」

 ジョー代表も食い付いてきよん!

「ジョー代表!そーでーす。で、キヨ!『ヤシロ女史』なんよ!タモツも知っるはずぞな!」

 すかさず、僕んはキヨヒコとタモツに、ビシッと指を差して犯人はお前だポーズ!

「誰なんだ?『ヤシロ』って?」

 あ、タモツは僕んと『チッス画像』がどこん女とか知らんかった。

「『カガリちゃん』だがな!タモツん元姫の!何年か前に担当だった、口ホクロの姫!」

「「『カガリ』!!」」

 はい!キヨヒコとタモツん叫びと、訳わからん顔のキリヤマな!は、置いといて!

「で、ジョーさん!!」

 次のターンで、ジョー代表へダメージ攻撃すんよ!

「『タチバナ・リンコ』は今客姫の『イマガワ様』に間違いなし」

 ま、僕んが接待で連れたんがな。

「おい、おい、真面かい、、」

 ジョー代表のひきつる顔に、キヨヒコとタモツも灰になる程ん 唖然(;゚Д゚)顔。

 キリヤマは、やっぱり訳が解らんって表情で、手元んケーキを食べよるん。

      
『カレンが子どもの時にも読んであげたわ、、、もし、カレンなら、きっと読んであげてたと思うのよ。だから、カレンが出来ないなら、、かわりに読んであげないとね。』

 カツコさんが、妻カレンと似た顔で笑って絵本を僕に見せた後。
 僕は、あの日に起きた事を、義理義理家族に話した。

 僕らの前で、まるでフラッシュモブでも始まったみたく、ボランティアホストに声を掛けて、慣れた調子でダンスを始める姫達。

 それを見て、飛び込みでダンスをするメンズやらや、全年齢welcomeで、ホールはくるくる回る人達で

 カラフルな大きな渦を作ってく。


 あの日起きた出来事を、巻き込みつつ。

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