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整のえるは女の形~八代・鈴音の260week前夜 

カルテ4 最終サイン

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「せっかくの愛くるしい見た目が、少々キツイイメージになります。なるべくバランスをさぐりますので、仮想イメージフェイスを表示します。いいですか。」

カウンセラーが徐に、
ディスプレイに指をタップする。

表示されたのは、自分の今の顔。

「お願いします。」

アタシは答えた。

だって、そうでしょ?

夜の住人を昼の中に見つけた。

今度は手の届く世界。
永久指名だとか、爆弾行為だとか
ルールを警告するボーイはいない。

ましてや
アタシはお嬢様。
欲しいモノは手に入れれる。

出来れば心ごと掴みたいから、
アタシは貴方の好みになる。

夜の世界で働くという裏の貴方も、
アタシは知っているという優越感に酔う。

「では、だんだん瞳の角度が上がっていきますね。いいなというところで、止めます。」

カウンセラーの合図で、
術後の仮想フェイスへと変化をする
ディスプレイ上のアタシ。

アタシはいつも向かいにしか座れないのに、

貴方の隣で座っていた、
あの女達の瞳を思い出す。

店の中で見てきた妬ましい

瞳、瞳、瞳、

そうだ!
あの 派閥の女の中で、とびきり悪女顔で、
麗しい瞳!!

あれになれば きっと女達を

蹴散らせる。

昼の世界で、
貴方に選ばれる目になれる!


「止めて下さい!」


そこで笑うのは、
庇護そそる可愛いい顔はなくて、

極上の悪女顔へと変身した
アタシ。

(見つけた。)

ごくりと喉が鳴る。
捕獲する為の算段を夢想して
アタシの欲が焦れた。

「この目にします。」

こうして

夜の街で手を出せなかった貴方を
昼で捉える
アタシの計画が始まる。

「きっと、これなら解らない。」

それで、良い。

「わかりました。それではスケジューリングしますので、  こちらの要項に同意してもらいまして、サインになります。」

カウンセラーの出す書類に
サインをする。

「お願いしますね。」

アタシは可憐に微笑んだ。
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