運命に花束を

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君と僕の物語

デルクマン兄弟

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「リク兄何やってるの?」
「あぁ、マルクか。旅の支度だ、新しい任務……俺は兄さんを捕まえてくる」
「は? なんでリク兄が!」
「大臣と約束をした、兄さんと一緒にいるメリア人を引き渡せば親父を釈放してくれるそうだ」
「はぁ? なんだよソレ!」

 マルクは怒ったようにリクに詰め寄ってきた。

「なに大臣の言う事なんか真に受けてんだよ! そんな約束守られる訳がない!」
「それでも何もしないよりマシだろう? そもそも何もしていないのなら逃げ隠れしている必要もない、それで親父が釈放されるなら万々歳だ」
「そうかもしれないけどさぁ、俺あの人信用できないから! っていうか報告しろって言ったのリク兄なのにその報告も聞かずに行く気かよ!」
「何か分かったのか?」

 弟は大臣の屋敷に勤める友人がいると言っていた、そしてその友人はマルクに大臣とメリアの繋がりを仄めかした。
 マルクは大臣とメリアの繋がりを疑っているのだ、そしてそれを調べると言った弟に結果報告をしろと言ったのは確かに自分だった。

「大臣真っ黒! 最近頻繁にメリアと手紙のやり取りしてるし、なんか金にあかせて私兵集めてるって、正確な数は把握出来てないけど屋敷の中にも相当数、たぶん他にもいると思うってさ」
「……確かな情報なのか?」
「俺の友達を疑うのか?」

 それでもそれは俄かに信じられない情報だ、何故そんな事になっていて誰もそれに気付かない? 自分だとて同じ穴の狢だが、それでもそんな大掛かりに動いていればどこかで誰かの口の端に上がりそうなものではないか。
 それとも気付いて黙っているのか?

「大臣の所ってさ他所より給金いいんだよね、大臣の屋敷だから当然かもだけど、辞めた人の消息が分からない事が多くて怖いって友達言ってた。本当は辞めたいけど、もしかしたら殺されてるのかも……って思うと怖くて辞めれないって言うんだよ」
「そんな事をお前に話したらその友達もやばいんじゃないのか?」
「そうだよ! だから俺はそいつを助けたいんだよ! なのにリク兄なんで今そういうこと言うのさ!」
「仕方ないだろう、そういう話になってしまったんだから」
「リク兄の馬鹿! こっから先俺1人でどうすればいいって言うのさ!」
「お前もデルクマン家の男だろ、自分で考えて親父に恥じない行動をしろ! 今俺達に出来る事はそれくらいしかないんだよ!」

 ぐぅ、とマルクは拳を握る。

「どうしても行くの?」
「少なくともナダール兄さんを捕まえれば事の一端は見えてくる、親父が釈放されれば出来る事もある」
「分かった……俺は俺でなんとかする」

 マルクの言葉にリクは頷き、荷物を手に立ち上がった。
 家から出て行くリクの背中を見送ってマルクはナディアのいるリングス薬局へと戻る。
 何をどうすればいいのか分からないが、まずはナディアの兄カイルと繋ぎを取ろうとそう思ったのだ。
 カイルは今城にいる、この事を城の誰かに告げなければいけない、だが誰に? と思った所で誰に告げていいかも分からない。
 だったら狙われているであろう張本人達に直接告げるのが一番手っ取り早い。

「上手くいけばいいけど……」

 自信は皆無だが、今やらなければ自分は後悔するというその気持ちがマルクを動かしていた。




 マルクがナディアの兄カイルの元に辿り着けたのはそれから数日後の事だった。
 怪我をしたというのは聞いていた、だがその傷の療養を城でしている事はナディア経由で聞いていて、会おうと思えば会えるのではないかと思っていたのに、これがなかなかの難業だった。
 ナディアは兄からは時々家族を気にかける手紙が届くと言うのだが、こちらから返信する事は叶わない。
 アジェを城に連れて行った時のようにカイルの私室へ行こうとすれば、警備兵に止められた。

「もう全然お手上げじゃん」

 そんな溜息を零していた時に現れたのが1人の黒髪の少年。
 年の頃は10代後半、にこにこ愛想の良いその少年は「君の兄に会ったよ」とそう言った。

「兄? どっち? 一兄? 次兄?」
「ナダール・デルクマンさんの方、元気そうだったからそれだけ伝えに来たよ」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って! 何処にいたの? なんで兄さんの事知ってんの? 兄さん何してるの?」
「ん~? 旅、してるんじゃないかな? 会ったのは渓谷の近くだよ」
「渓谷? 渓谷ってカサバラ渓谷? なんでそんな所にいるの?」
「それはおいらに聞かれても……一応無事だって報告だけしとこうと思って来ただけだし。やっぱり家族の事は心配だろう?」
「そりゃ勿論そうだけど! でもなんであなたがそんな事を?」
「なんとなく?」

 そう言って黒髪の少年はへらりと笑った。

「デルクマンさんの家大変そうだし、なんかちょっと悪いなぁって思ったりもするじゃん? 別においらが悪い訳じゃないよ? でもなんか思いきり巻き込まれてるよなぁ~って、なんか申し訳ないなぁって。せめて家族の無事くらい伝えてあげようかとそう思っただけ」
「どういう事? 巻き込まれてるって何? 父さんが帰ってこない事も関係してるの?」
「まぁしてるっちゃぁしてる」
「父さんは無事なの?」
「無事だけど……ちょっとこっち来て」

 そう言って少年はマルクを物陰に引っ張り込んだ。

「親父さん無事だけどちょっと危ない、助け出したいけど手立てがない」

 真剣な面持ちで少年はマルクの耳元にそう囁いた。

「危ない? 危ないってどういう事!?」
「あまり大声を出すな、ただでさえおいらのこの黒髪は陽の下では目立つんだ、目立ち過ぎると怒られる」

 それは一体誰に? という言葉は飲み込んだ。
 確かに街を行く人達はこちらを不審げに見ていて、そういう事かとマルクは少年の腕を掴んで歩き出す。

「ちょっと待って、ちょっと待って。おいら何処に連れてかれんの? 困る困る困る、早く戻らないと怒られる!」

 デルクマン家の人間は皆体格に恵まれている、例に漏れずマルクも同年代の年頃の少年達より体格がいい、かたやその黒髪の少年はひょろりとしていて軽そうだ。
 そして腕を引っ張ればやはりその体は大した力もなく、ずるずると引き摺られるように抗う事もできなかった。

「ねぇ、本当やめて。おいら親切心で来ただけなのに、本当やめて」
「別にとって喰おうって訳じゃない、少し話しが聞きたいんだ。あんた何か知ってるだろ?」
「まぁ、知ってる事は幾つかあるけど、おいらまだ下っ端だからたいした事知らないよ」
「それでも知ってる事があるなら教えて欲しい、俺は父さんを助けたい」
「危ないから顔突っ込まない方がいいと思うよ?」
「知っている事があるのに指を咥えて待ってろって言うのか? その間に父さんに何かあったらあんた責任取ってくれるのか?!」
「おいらには無理だよぉ~」

 自宅に連れ込み人目を避けてその黒髪の少年を壁に押し付ける。

「知ってる事全部話して」
「えぇ……そんな事したら絶対怒られる……嫌だなぁ」
「その代わりこっちの知ってる情報全部出すから」

 少年の真っ黒な瞳が、怪しく煌いた。

「へぇ、何か知ってるんだ?」
「たいした情報じゃないかもしれないけど、一応は」

 「分かったよ」と頷いた少年の腕を放して、それでも逃がすものかと壁際に追い詰める。

「でも本当においらはたいして知らないよ? 君の親父さんが牢で衰弱してるのをうちの仲間がなんとか生かそうと頑張ってる。あと、カイル先生? 王子様が守ってるよ、先生の身の安全だけは完全に確保されてる。アジェ様は塔に幽閉されてる」
「なんで? アジェは王子だったんだろ? なんでそんな事になってるの?」
「う~ん、大臣がアジェ様をメリアのスパイじゃないかって言いがかりつけてきたから、仕方ないよね」
「犯人絶対その大臣だから!」
「何か証拠でもあるの?」

 マルクは自分の知り得た情報を少年に告げると、彼はふぅんと目を細めた。

「意外な所でおいら達みたいな事してる人がいたもんだねぇ、ちょっとその友達紹介してくれない?」
「そいつも守ってくれるって言うなら紹介してもいい」
「守るとかそういうのは専門外なんだけど、そういう事ならちょっと上と相談してみるよ」

 少年はそう言って、マルクの肩を押した。
 一瞬よろけた拍子にどういう早業か、彼はマルクの背後に回っていて驚いて振り返るのだが、もうその腕は掴めない。

「な……」
「おいらルーク、また来ると思うから引き続き情報収集よろしくね」

 へらっと笑ったその笑顔はその辺にいる少年と変わりなく見えるのに、ひらりと手を振った彼の姿を次の瞬間にはもう完全に見失っていた。
 その時は狐につままれたような気持ちでぽかんとしてしまったのだが、その数日後にマルクの元にカイルとの面会許可の知らせが届いた。
 そしてそこに居たのは自分が会って話さなければと思っていたエリオット王子で、彼は眉間に皺を寄せカイルと共に待ち構えていた。




「カイル兄ちゃん、久しぶり」
「あぁ、マルク。僕がいない間我が家の事ずいぶん親身になって世話してくれてるって聞いてる、ありがとう。あと、ごめんなさい」
「なんでカイル兄ちゃんが謝るの? ナディアの家が大変なんだから彼氏として気にかけるのは当然だろ?」
「でもこうなってしまったのは元を正せば僕のせい……」
「あぁ、なんかリク兄から聞いたよ。でも今カイル兄ちゃんがこうやって牢にも入らずにいるって事はカイル兄ちゃんはそこまで悪くないって事だろう?」

 カイルはマルクの言葉に瞳を逸らした。

「僕は本来牢に入っていなければいけない人間だよ、本当はこんな所でぬくぬくと守られていていい立場なんかじゃない」
「カイル兄ちゃん?」
「君達のお父さんを窮地に追いやったのは僕だ、僕は君達に顔向けできない」
「先生のそれはもう聞き飽きた。騎士団長の事は俺がなんとかする、もう少し待ってろ」

 アジェによく似た顔立ちのその少年がエリオット王子なのだというのはすぐに分かった、だが彼が何故ここにいるのかがよく分からない。
 でも彼がいるのなら丁度いい。

「エリオット王子、あなたは命を狙われている」
「そんな事は分かっている」
「あれ?」
「そんな事はもうとうの昔から分かってるんだよ、それが誰だか分からずにずいぶん頭を悩ませた」
「それって「ウィリアム・メイス大臣」」

 マルクとエリオットの声が重なった。

「そういう事だ、ようやく見付けた。まさかこんな上層部にまでメリアの人間が食い込んでるなんて想像もしてなかったんだ、くそっ」
「王子も気付いてたんだ?」

 顔立ちがアジェそっくりなので、つい友達相手のように話してしまうが、王子自身も気にしていないようで咎められることもなかった。

「気付いたのは最近だ、確信させたのはお前からの情報とそれを裏付けた者達からの情報だった」
「裏付けまで取ったんだ、しかもこの数日で? というか、なんで王子がそれを知ってるんです?」
「不確かな情報で動けるほど相手は小者じゃないからな、得体の知れない奴にお前も会ったんだろう? そいつらは得体は知れないが敵じゃない」
「あの黒髪のルークとかいう人?」
「黒髪なのか? 俺は姿を見ていないし、名も知らない」

 それでも黒髪はこの地域ではほとんど見かける事のない珍しい髪色だ。黒髪は山の民、柄が悪いと評判であまりいい話も聞かない。ファルスの人間だとは思っていたが、それが山の民だとは思わなかった。

「王子、考えている事は分かりますが、私共は山賊とは違います、誤解は無きようお願いしたい」

 どこからか声が降ってきてそんな事を言うのでマルクは驚いて天を仰ぐが、エリオットは驚く風でもなくちっと舌打ちした。

「山の民には違いないという事か?」
「どこかで血は繋がっているのかもしれないが、うちの村の民は野蛮な行為はしない」
「あれ? なんか声違う……ルークの言ってた上の人?」
「ルークは少しお喋りが過ぎる。今回の任務からは外して村に帰らせた、今はもう居ない」

 歳が近くて話しやすそうだと思ったのに……とマルクは少しがっかりした気持ちになった。

「まぁ、そんな事はどうでもいい、ここにいるという事は何か新たに掴んだのか?」
「この街の外に傭兵共がうようよ湧いている。兵を募っているのはランティス王国国王となっていますが、名を語って大臣が集めているのでしょう。名目上はメリア進攻の為となっているが、そんな予定があるのか一応確認に来ました」
「そんな話しは知らない、少なくとも俺は聞いていない。そもそも今我が国の武官のトップが捕縛されているのに、誰が指揮を取るっていうんだ」
「まぁそんな事だと思っていましたよ、傭兵の中にも幾人か仲間を忍ばせている、何か動きがあるようなら随時お知らせします。」

 王子とその姿を現さない男とのやりとりにマルクはほわぁぁと妙な声を上げる。

「なんだ? 変な声をあげて」
「なんか格好いい、こんな物語の中にしかいないような人が実在するとは思ってなかったから、ちょっと感動」
「呑気な奴だな、父親が大変だっていうのに感想がそれなのか?」
「そりゃあ父の事は心配ですけど、俺に出来る事なんてたかが知れてる、王子や……ええと黒髪の人? がこんな風に動いてくれてると思ったらそれだけで感動した」

 マルクの様子にエリオットは呆れてしまうのだが、アジェに聞いていたデルクマン家の生活の中で彼の話もたびたび出てきている、まったくもってアジェの言った通りの人柄に呆れるを通り越して笑ってしまった。

「そういえばお前の二番目の兄、リク・デルクマンは何処へ行った? 現在彼に任務は割り振られていないはずだが?」
「なんか大臣に兄を連れてきたら父を釈放してやるって言われたみたいで、何日か前に出て行きました」
「ナダール・デルクマンをか? なんで今更?」
「さぁ? 大臣の考えてる事なんて俺にはさっぱり」
「息子のいない間に父親を処分してしまおうという算段かも知れんな」

 マルクは驚いてまた天を振り仰ぐ。

「なんで!?」
「リク・デルクマンは騎士団の中でも信頼の厚い勇猛果敢な騎士だ。同じ騎士の中で顔も広いし、今回の騎士団長捕縛の件に納得していない者は幾らもいる、それを纏め上げて反乱でも起こされたら大臣としても厄介だろう?」
「あぁ、そう言われたらそういう事もあるかもな」
「父はそんなに危ないんですか?」
「衰弱も激しい、表立って手を差し伸べる事ができないのがどうにも……時間は差し迫っている」
「そんな……」

 言葉を失うマルク、ここまで沈黙を保っていたカイルが「王子……」と声を上げた。

「王子、私を牢に入れていただけませんか?」
「それは駄目だと何度も言っている!」

 カイルが自ら牢へ入る事を望んだのは一度や二度の事ではなかった、自分はこんな所でぬくぬくと守られている立場ではない、罪を犯した自分が守られ、何もしていない騎士団長が捕らえられているのはおかしい、とカイルは何度もそうエリオットに伝えているのだ。

「何もなんの考えもなしに言っている訳じゃない、おじさんの体調が心配なのです。私は医師の資格も持っています、おじさんのような健康な人がこんな急激に体調を崩すのはストレスがあったとしても明らかにおかしい、私だったらその原因が特定できるかもしれない」
「む……それは……」
「それに、恐らく大臣は私の命をも狙っているはずです、牢に入れば必ず何かしかの手を打ってくるはず」
「それは先生を囮に使えとそう言っているのか? 駄目だ駄目だ、そんなのは認められん」
「王子! 今は一刻を争う時です、あなたは私情で動いていい立場ではない! 今は出来る事はなんでもやらなければいけない時なのではないのですか?!」

 エリオットはカイルの言葉にぐっと言葉を詰まらせた。

「カイル兄ちゃんを危険な目に合わせたらまたナディアが泣くけど、でも出来るなら……やれる事はやって欲しいと俺は思う」
「案としては悪くない、不審な人間を割り出すのにも有効だろう」
「……くそっ!」

 エリオットは不承不承頷いた。
 その表情はまるで納得はしていないという顔付きだったが、数の少ない仲間内で誰が敵かも分からない状況では打てる手はなんでも打っておくしか手はない事くらいエリオットだとて分かっているのだ。

「あんた達は先生を守ってくれるか?」
「出来る限りの手は打たせていただく、だが絶対の確約はできない」

 エリオットは瞳を伏せた。
 この現状を招いてしまったのは王家の不徳の致すところだ、もっと自分達王家の人間が周りを見て対処していれば未然に防げたはずの現状にエリオットは拳を握った。

「先生は俺が守るから……」
「王子、私は守られるばかりの人間ではありませんよ。私はあなたより歳を重ねているし、その分強かな人間です。自分の身くらい自分で守れる」
「俺にはそれくらいの事もさせてはくれないのか?」
「あなたには私よりも守らなければならない物がたくさんあります。その優先順位を間違えてはいけません、あなたは王子なのですから」

 カイルの言葉にエリオットは瞳を閉じて、まるで叫びだしたい何かを堪えるように深呼吸をした。

「明日、あんたを王子暗殺未遂の罪状で牢に入れる。でも忘れるな、あんたは俺の『運命』だって事をな」

 カイルはその言葉には何も言わずただ静かに頷いた。

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