運命に花束を

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君と僕の物語

牢の中

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「だ~か~ら、知らないってば!王子の暗殺なんて僕考えてもないもん。僕何か凶器になるような物持ってるように見える? そもそもこんな細腕で人が殺せると思うの? 確かに城の中には侵入したよ、だってそっくりだって言うからさ、見てみたいと思うじゃん? 単純な好奇心だよ、僕やっぱり王子に似てるんでしょ? さっきおじさんだってそう言ったじゃん?」

 頭の悪そうな子供のふりで、僕は捲し立てる。
 こんないい訳が通用するのかどうか分からないが、僕の取調べを請け負った兵士の男は困惑顔だ。

「本当にお前は何もしていないのか?」
「してないってば! 僕が城の中に侵入した時にはもうなんかあっちこっちで騒ぎになってて、ヤバイと思ってあそこに隠れたらそのまま鍵掛けられちゃって閉じ込められちゃったんだよ。そこからずっとあそこに居て、このまま閉じ込められたまま出られなくなったらどうしようって真剣に思ってた所だったから、おじさんに助けてもらって僕本当に良かったよ。ありがとう」

 にっこり笑うと兵士は更に困惑の表情を見せる。

「だが王子は襲われたと言っているのだぞ?」
「それ僕じゃないよ。自分にそっくりな奴だったって王子そう言ったの? だったらそれ僕だけど、なんかおじさんの話聞いてるとなんか違うっぽくない?」

 そうなのだ、何故か王子は僕の事を誰にも語っていないようで、兵士達は僕の容姿を見てずっとこんな困惑の表情を浮かべている。
 僕の特徴を簡単に説明するなら自分によく似た年恰好の人間だったと言えばいいはずなのに、何故か王子はそれを言ってはいない。
 その変わりに犯人の特徴だと王子が告げたのは細身の体躯をした赤毛の青年。
 それは恐らくグノーの事で、僕の事に関しては一切言及されず、僕は内心疑問符だらけなのだが、だったらその話に口裏を合わせてしまえとこうして人違いを主張している。

「だが、お前は共犯の可能性も……」
「だから知らないって言ってるのに。そのもう一人の共犯の人? 僕その人の事も知らないよ、確かにその人のその部屋にいたのは僕だよ、そこで誰かに見られた気もする、でも僕じゃない、王子様何か勘違いしてるんじゃないの?」
「ううむ……」
「なんならここに王子様連れて来てよ、僕、直接王子様と話したいなぁ」
「馬鹿者! そんな事できる訳ないだろう!!」

 兵士は疲れた顔で「今日はもういい、牢屋にでも入れておけ」と部下に指示を出し、僕は引き摺られるようにその場を後にした。
 連れて行かれたのはいかにもな牢屋。
 鉄格子の嵌った小さな部屋に放り込まれて、僕は周りを見回した。
 左右も同じような牢屋なのだろう、微かな衣擦れが聞こえて先客がいるのだなと、と僕はその場に膝を抱えて座りこんだ。
 冷たく硬い牢屋の床に、昨日までの温かくて柔らかい絨毯とのギャップが激しすぎてなんだか笑えてしまう。
 二人共大丈夫だったかな……変に疑われたりしていないといいけど。
 あの時クロードがエディを押さえ込んでいるのを見た、たぶん大丈夫だと思うが、エディは僕の事になると後先を考えなくなる、それが少し不安だった。
 あともうひとつ心配なのはカイルの事だ、カイルの部屋にいたのは自分だと主張し、そして彼とはなんの関係もない事を主張し続けたが、兵士にどう思われたのかは分からない。
 そもそも王子の供述がおかしすぎて、色々と辻褄が合わないのだ。
 王子はどうやらカイルの部屋で襲われ犯人はそのまま逃亡、犯人は一人で、姿形は先程言ったように細身の赤毛の青年と主張しているらしい。
 王子は何故僕の事に言及しない? 僕を利用したいのなら捕まえようとするのが普通で、これではまるで僕を庇っているようではないか。
 そんな事はある訳がないと分かっているのに、どうにもその王子の証言は腑に落ちなくて心の中にわだかまる。

「あぁ~あ、ホント分からない」

 呟くようにそう言うと、隣の牢で誰か人の動く気配がした。

「その声……もしかしてアジェ君ですか?」
「え? ……カイルさん?」

 僕は思わずそう口にしてしまい、慌てて自分の口を塞ぐ。
 僕とカイルに面識があることが兵士にバレたら困る。
 だが、牢の中に他の人間の気配はない。とは言え、そう遠くない場所に看守部屋があり、その部屋の明かりは灯っていた。あまり話をするのは得策ではない。

「あぁ、やっぱりアジェ君だ、君も捕まってしまったんですね」
「しっ、駄目です」

 奥にある看守部屋の明かりは灯っているが看守は起きているだろうか? 時間も時間だ、寝ていたら問題ないけれど……

「どうかした?」
「僕とあなたは無関係、あなたはこの件には何も関わっていない、そうでしょう? 僕はあなたを知らないし、あなたも僕を知らない」
「君は……」

 カイルが言葉を濁す。
 意味を理解してくれただろうか? 理解したならもう僕に話しかけないで。

「ねぇ、アジェ君」

 ちゃんと説明しないと駄目なのかと僕はカイルのいる方の牢屋の壁に取り付いて「駄目ですってば」と小声で釘を刺す。

「大丈夫だよ、明かりは点いているが看守は寝てる。ここの看守はちょっとした知り合いでね、あまり仕事熱心じゃないんだ、だから話していても大丈夫だよ」
「あぁ、そうなんですね……なら良かった」
「君はまさか僕を助けるためにここに?」
「ナディアさんが泣くから……僕友達を悲しませるのは趣味じゃないんです」
「ナディアが?」
「はい、あなたを助けてと僕に助けを求めに来ました。僕は本当に王子暗殺なんて企ててはいないし、事実無根なのですから、怖くはない」
「世の中には冤罪って言葉もあるんだよ?」
「そうですね、でもあなたは無関係なんですから、それこそ冤罪です。僕が捕まってあなたが助かるなら僕はそれで……」

 カイルはしばし黙り込み、しばらくして口を開いた。

「自己犠牲は美しいけど、僕はそういうの好きじゃないな」
「そんなつもりはないですよ、僕はあなた達に黙っていた事が幾つもある、そのせいで余計事態がややこしくなっているんです。僕は自分のした事に責任を取らないといけない、それはあなたの事も含まれます。あなたは僕の事情に巻き込まれただけ、だったら僕にはあなたを助けだす義務がある」
「君の事情?」
「これ以上は話せません、あなたはこの件に関わるべきではない」
「君があの子の双子の弟だって事?」

 僕は驚いて言葉を失った。

「驚いた? 僕知ってたんだよね、君が王子の双子の弟だって事」
「なんで……?」
「王子に聞いたんだよ。自分には本当は双子の弟がいるってね、だから君が僕の目の前に現れた時にはすぐに分かった、この子がそうだってね。本当に驚くくらいそっくりでびっくりしたよ」
「でもあの人は僕の事なんて知らないって、そう言って……」
「そう、そんな事言ってたんだ。本当にあの子は僕の話しは何も聞かないんだよね、僕これでもあの子の先生なのに」
「カイルさんはなんで知ってて僕を……?」
「王子は君に会いたがっていたからね」
「え?」

 僕は言葉を失った。
 それは一体どういう意味だ? 素直に弟に会いたいというそんな感情ではなかったはずだ、それは彼の言動が物語っている。だったら僕を利用できるからという意味で?
 自分の為に死んでくれと彼は僕に言ったのだ、だったらやはり彼は僕を利用する為に僕に会いたかったのだと思う。
 彼は僕のことを知らなかったといい、迷惑だと言った。
 でもカイルは王子は弟がいる事を知っていたし、会いたがっていたと言う、何が正しくて、何が間違っているのかよく分からない。

「君は王子に会ってどう思った?」
「酷い人だと思いました、こんな人と血が繋がっているのかと思うとぞっとした」
「そう、でもそれは王子のすべてじゃないよ」
「僕にはそうは思えない」
「王子はとても優しい子、君もね……君達が似ているのは顔だけじゃないんだね」
「どういう事ですか?」

 カイルは黙って息を吐く。何かを言いあぐねている様子のカイルに首を傾げる。

「カイルさん……?」
「……ごめん、僕が君を嵌めました」
「何を……?」
「色んな事情を話していなかったのは僕も同じ、そして僕は自分のやった事に責任を取ろうともしなかった……僕がすべて悪い。君達にこんな事を負わせるべきじゃないんだ。僕は先生なんて呼ばれて少し浮かれてしまったのかもしれないね、ごめん、君は何も悪くない」
「何を言っているのか分からないです、説明してください」
「巻き込んだのは僕、君は知らなくていい。でもひとつだけ、王子の事は嫌わないであげて、あの子は本当は君の事が大好きなんだ」
「カイルさん? 言っている意味が分かりません」

 その後、もうカイルからの返事は返ってこなかった。
 何がなんだか分からないままいつしか日は昇り、僕は兵士によって牢屋の外に連れ出された。
 その時にうかがい見た隣の牢屋はもぬけの空で、あれは夢だったのかとすら思えるのだが、それでもカイルとのその会話は僕の中にすべて残っていて、僕の疑問は更に膨らむ一方だった。
 そして、外に連れ出された僕は何故かそのまま城門へと連れられて行き「ここは子供の遊び場ではないのだから、今後このような事は絶対しないように!」と兵士に怒られ城の外へと放り出された。

「え? あれ? 僕、釈放ですか?」
「上からの御達しだ、さっさと行け!」

 猫の子でも追い払うようにしっしと手を振られたので、僕は「ごめんなさい」と頭を下げ、その場を後にした。
これは一体どうなっているのだろう?
 上からの御達し? 一体誰が? もしかしてエディ? それともギマール伯父さん?
 何はともあれ自由の身だがどうしていいのか分からない。
 エディの元には戻れない、だとしたら自分が行ける場所はひとつしかない。

「アジェだ、アジェが帰ってきたよ、兄ちゃん」

 デルクマン家を覗き込むと、ナダールさんの小さな弟妹が目ざとく僕を見つけてやいのやいのと寄って来た。

「アジェはどこに行ってたの? グノーは? ナダール兄ちゃんはどこ?」

 少し不安げな表情で問いかける小さな子供に僕は応える答えを持っていない。
 子供達が兄ちゃんと呼ぶ人物はマルクなのかと思ったら、中からうっそり出て来たのはナダールほどではないが大男で、これが話しに聞いた次男のリクかと僕は頭を下げた。
 リクの表情はどうにも険しい。リクは幼い弟妹を邪魔だから向こうで遊んでおけと追い払った。

「あんたが噂のアジェか?」
「噂になっていたのかどうかは分かりませんが、僕の名はアジェです。あなたはリクさんですか?」

 あぁ、と男はしかめっ面で頷いた。

「あんた確か捕まったんじゃなかったのか?」
「よく分からないんですけど、釈放されました。なんで知ってるんですか?」
「昨日君の兄というのが来た、うちの親父にどうにかして欲しいと頼みに来たようだったが、会わなかったか?」
「会ってません、それに僕に兄はいないんですけど……」
「なら、あれは誰だ? エドワードとか言っていたが、カルネの紋章の入った剣を持っていたぞ」
「あ、エディが来たんですね。彼は確かに兄のようなものですが、僕の番の相手です。エディが来たって事はやっぱり釈放されたのはエディのおかげだったのかな?」
「兄弟で番? そもそも君はなんだ? Ωなのか? 聞いてはいたが王子にそっくりだし、俺にはさっぱり分からない事だらけだ。事情を知っているのだろう親父も兄貴も帰ってこないし、弟も彼女の家に行ったきり帰ってくる気配がない、今まで面識もなかった従兄弟は意味の分からない事を捲し立てるし、色々説明してもらえると助かるんだがな?」

 眉間に皺を寄せて、リクはとりあえず自分の納得する説明をしろとばかりに上から威圧してくる。
 ナダールさんとは違って、少し怖い人だなと僕は思う。

「僕で分かる範囲の事ならすべて話します」

 僕がそう言うと、彼は入れと家の中に僕を通してどかっと椅子に腰かけると、腕を組んだ。
 やっぱりこの人なんだか怖い。
 僕はこの家に来た経緯から王子との関係まで包み隠さず全てを話すと、リクは更に眉間に皺を寄せた。

「ふぅ、大体理解した。ようは親父が帰ってこないのはあんた達の起こした騒動が大事になって対応に追われているという事だな。で、マルクはナディアに付っきりという訳だ、そこまでは良いとして、うちの兄貴は何処へ行った?」
「すみません、僕もちょっとそこまでは分かりません」

 たぶんグノーに付いて行ったのだと思うのだ、だが何処に行ったのかまでは僕には分からない。帰ってくるつもりがあるのか無いのかそれも分からず首をふると、リクは更に深く眉間に皺を刻んだ。

「厄介な事に巻き込んでくれたものだな」
「申し訳ないです」

 リクのいう事はいちいちもっともで僕は身を縮めるしか術はない、だが僕のその様子を見て彼はひとつ溜息を零すと「何はともあれ無事でよかったな」と頭を撫でてくれた。

「でも話を聞く限り、君の兄を名乗った男はどうやらここへ城を抜け出して来ていたようだが、親父には会えたのか?」
「どうなんでしょう……釈放された時に言われたのが上からの御達しって事でしたから、伯父さんが手を回してくれたのかもしれないですけど、詳しくは僕もよく分からないです」

 ギマール伯父さんには多大な迷惑をかけている、会えたら謝らないと……などと考えていたらデルクマン家にまたしても来訪者があった。
 リクの眉間にまた皺が寄り「休みが休みになりゃしない」とぶつぶつ零しながらその客人の対応に席を立つ。
 新たなる客人は複数人の厳つい兵士で、しばらくするとリクはまたしても難しい顔で僕の前にその人達を連れて来て「どうやら君の客人らしい」とそう告げた。

「僕ですか?」

 どう考えても自分にはその人達に心当たりなど無く、僕はどうしていいかうろたえた。

「アジェ・ド・カルネ様、ようやく見付けました」

 兵士の一人はそう言って相好を崩す。

「どうか私どもと共に我が王の元へお越しください」

 一人が傅くと、残りの数人も僕の前に膝を折り皆うやうやしく頭を下げる。
 僕はますます訳が分からない。

「やめてください、僕にはどういう事なのかさっぱり分からない。僕は今朝まで城の中にいたんだ、なのにいったん釈放しておいて、また連れて行くってどういう事ですか? あなた達は一体何なんですか!」
「私どもは王直属の近衛部隊です。度々の失礼はお詫びいたします、ですがこちらにも色々と事情がございまして、このような事になって大変申し訳ないのですが、私どもは決してあなたに危害を加える者ではございません」

 真摯に語るその兵士に嘘はないようにも思えるが僕にはもうそれが嘘か誠か判断ができなくなっていた。

「僕には、もう分からないよ……」
「国王陛下はあなたの身を案じておられます、どうか私どもと一緒にお越しください」

 エリオット王子は僕に「死ね」とそう言ったのに、王は僕の身を案じている? そんな事が本当にあるのか?
 そもそも王は僕を捨てたではないか、その子供の身を案じる? そんな事信じられない!

「僕は嫌だ、あなた達は信用できない」
「そんな事はおっしゃらずに、どうかお願いします。あのルーンの町であなたを見失ってから国王陛下と王妃様がどれほど心を痛めていたか。地方であなたくらいの年恰好の少年が殺害される事件が相次ぎ、王妃様は心配のあまり寝込んでしまわれたのですよ」
「そんなの嘘だ! だってその人達は僕を捨てたじゃないか、王子の影武者が欲しいなら正直にそういえば言い、捨て駒らしく王家の役に立って死ねって言われた方がまだマシだ! 優しく懐柔して裏切られる方がどれだけ辛いか、あなた達に分かるの!?」
「捨て駒? 影武者? 何を言っているのか私どもには分かりません、誰もあなたにそんな事は望んでいない、ただあなたの身を案じて……」
「嘘、嘘、嘘! 僕は王子に言われたよ! 自分の代わりに死んでくれって、王家の役に立って死ぬくらいしか役に立たないって! そんな事を言う人達の何を信じろって言うのさ!!」

 兵士の顔はあからさまに動揺したが、図星を指されて動揺したにすぎないと僕は思った。
 事態を見守っていたリクの額には更に深い皺が刻まれていて、僕と兵士の間に割って入ってくる。

「さっきから聞いていれば死ぬの殺すの物騒な話だな、子供相手にする話じゃない。悪いが、そんな話ならこの子はやれない、こいつはうちの客だからな」
「王子がそんな事を言うはずがない、あなたの事を誰より心配されていたのは王子自身ですよ。私どもはそれをずっと見守って……」
「どうにも、話に食い違いがあるようだな。でももしこの子のいう事が正しければ俺はこの子を見殺しにする事になる、それはできない相談だ。あなた方はこの子を連れて行きたい、この子は嫌だと言う、どこまで話し合っても平行線だ。だったら俺がこの子の護衛に付いて行こう、それでどうだ?」
「リクさん、そんな、危険です。何をされるか分からないんですよ! 実際僕はここに来るまで何度も襲われたんです、今回だって安全の保証はない!」
「だから付いて行くと言っている。いざとなったらお前くらい抱えて逃げてやるから安心しろ」

 リクはそう言って僕の頭をぽんぽんと撫でた。
 ずいぶん怖い人だと思っていたのに、予想外に優しいその手に僕は泣きそうになる。

「あんた達もそれでいいな?」

 男達は顔を見合わせ二言三言交わした後、それでいいと頷いた。
 リクは準備をしてくると席を外し、僕はその兵士達から距離を取る。
 まさかこんな民家の密集している場所で何かをやらかす事はないと思ったが、それでも安心はできない。
 身なりを整えたリクはすぐに戻ってきて、僕の肩を抱えるようにして歩き出す。
 ナダールさんとは似ていないと思ったのだが、なんだかんだでやはりデルクマン家の人達は皆優しいんだなと僕は思った。

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