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運命に花束を②
運命と仕事の両立③
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それはある日のこと、昼食の時間も終わり皆が仕事へと繰り出して人気が無くなった、そんな昼下がりの事だった。その日は日差しもぽかぽか暖かく、腹も膨れてキースは見張り当番の仕事をしながら、うつらうつらと船を漕いでいた。
「ちょっとキース、寝ちゃ駄目!」
そう言ってハリーはキースを揺さぶるのだが、キースは一瞬はっと目を覚まし頭を振ってその眠気を飛ばそうとするも、また船を漕ぎだしてしまう。
そんなキースにハリーが呆れていると、どこからか「いいご身分だなぁ」と声がかかった。
「俺達が汗水流して働いている時に居眠りとは、若いみそらで偉くなったもんだ」
投げられた言葉に「すみません」と謝り、ハリーはキースを小突く。そこには不機嫌な表情を露にした男達が数人、こちらを咎めるように睨み付けていた。
「お前等も大変だよなぁ、頭のおかしくなった女の子守りなんざ、本来騎士の仕事でも何でもない。なんなら俺等代わってやろうか?」
男の一人がいやらしい笑みを浮かべてそんな事を言うのに嫌なものを感じて「結構です」と言うのだが彼等は一向に立ち去ろうとしない。
部屋の扉の前に立ち塞がるハリーを力尽くで退かせ、扉を開けようとする男達にさすがのキースも目を覚まして「何すんだよ!」と突っ掛かっていく。
「俺達が頭のいかれた女の相手をしてやろうって言ってんだ。感謝してくれてもいいんだぞ?」
「ふざけんな!!」
怒鳴ってキースは抵抗するのだが、如何せん多勢に無勢で歯も立たず、その扉は開けられてしまう。
部屋の中では外の騒ぎに目を覚ましたものか、グノーが寝台から起き上がりぼんやり宙を見詰めていたのだが、その姿にひゅーと下卑た口笛が飛ぶ。
元々グノーは綺麗な顔立ちをしているのだが、面やつれたその姿は妙な色気すら帯びて、男達の目の色を変えさせた。
「頭がいかれているとは言え、これは上玉だな」
ずかずかと部屋に入っていく彼等に成す術もなく、ハリーは弾かれたように駆け出していた。
「なんだ坊主逃げるのか、これからがいい所なのに」
「やめろよ、お前等! こんな事してただで済むと思うなよ!」
「お前が何も言わなけりゃ、どうという事も無いさ。こいつだってどうせ何も分かっちゃいねぇんだろ?」
「ふざけんなっ!」
怒鳴るキースに「年上に舐めた口利いてんじゃねぇよ!」と容赦ない拳が飛ぶ。吹っ飛ばされるキースに追い討ちをかけるように蹴りが入り、キースはその場に蹲った。
「グノーさん、逃げてっ!」
そう叫ぶキースの声にも反応せず、グノーはただ宙をぼんやり見詰めて「ナダールは?」とぽつりと呟き、ようやくゆっくり彼等の方を向いた。
途端に広がる甘い薫りにキースは眉を顰める。男達はその薫りに気付いていないのか、魅入られたように彼を凝視していた。
「こんな状況でもそんななのか? まぁ、こちらとしても好都合、旦那の代わりに存分に楽しませてやるよ」
一人の男がそう言って舌なめずりをするように彼に寄って行く。甘い匂いはますます濃く濃厚になっていき、キースの思考が霞む、一体何が起こっているのかも分からない。
男が寝台へと乗り上げて、そのグノーの綺麗な顔に手を伸ばそうとすると、その手はぴしゃりと払い除けられた。
「ナダールは?」
いつものように泣き出しもせず、先程よりか幾分かしっかりした声でグノーは淡々とそう言った。
「ここにはいねぇよ」
手を払い除けられた男は、グノーの腕を掴み、寝台へと引き倒す。
「………………」
グノーの声にならない小さな声に、男は「あ?」と下卑た笑みを浮かべ、その上に圧し掛かる、だが、次の瞬間、グノーの腕を掴んでいた男のその腕から血飛沫が上がった。
「っなっつ!」
斬りつけたのは、その男の仲間と思われていた男で、訳もわからなかったのだろう、男は驚愕の瞳でグノーの上から飛び退いた。
「な! なんだ、お前!!」
だが、斬りつけた方の男は何も言わない。その姿は何かに操られているかのように緩慢で、焦点も合ってはいない。
甘い匂いはそれにつけどんどん広がっていき、キースも殴られ蹴られた鈍痛がなければ意識が飛んでいたと思うのだが、そう思った時、その匂いがΩのフェロモンなのだと初めて気が付いた。
匂いの発生源はもちろんグノーで、そんな強烈な匂いを嗅いだ事のないキースは魅せられる前に怯えていた。
グノーは静かに寝台から起き上がり、傍らでやはりぼんやり立ち竦んでいた男の腰に差された剣を抜いた。
彼の瞳はどこかやはり上の空で、何事かぶつぶつと呟きながらふらりと自分を襲った男の前に立つ。その姿は鬼気迫るものがあり、誰も動く事は出来なかった。
ただ、斬りつけられ追い詰められた男だけが怯えたようにその場から逃げようと後退るのだが、腰が抜けたのか思うように身体が動かず、壁際へとじりじりと追い詰められていくのを誰もが身動ぎもせず見詰めていた。
グノーが剣を振り上げ、その剣を突き立てようとしたその時……
「おやめなさい!!」
ナダールは息を切らして、そう叫んだ。
グノーは声の方をゆっくりと見やると、その瞳に涙を浮かべて、手から剣を取り落とす。
「大丈夫だから、こちらへいらっしゃい」
そう言って手を差し出すナダール、グノーはその腕の中に飛び込んで、またいつものごとく子供のように泣き出した。いつの間にか噎せ返るような甘い薫りは霧散して、呆然としていた者達もはっと我に返る。
「これは一体どういう事ですか?」
代わりに広がる、圧倒的な威圧のフェロモン。
βの人間にはそれは分からなかっただろうが、キースはその圧倒的な力に竦みあがった。まるで首筋に刃物を突きつけられているようなそんな気持ちで、一気に血の気が引いた。
「そっ、その頭のおかしな女が俺を斬りつけて殺そうとしたんだ!」
「そうですね、それは見れば分かりましたよ。私はそんな事を聞いているのではありません、何故そうなったのかを聞いているのです。この人はそんな無闇矢鱈に人を斬りつけようとするような、そんな人ではありませんから」
ナダールはグノーを抱き上げ、その泣き続ける彼の背を撫でた。
「あなた達八班のアントさん、ブレントさん、フランクさん、ジョージさん、それにあなたは班長のジミーさんですよね。今の時間、あなた方には東の開墾を命じていたはずなのですが、ここで一体何をしようとしていたのでしょう?」
「こいつ等、グノーさんを襲おうとして、無理矢理部屋に押し入ったんですよ!」
キースはようやくの思いでそう叫ぶ。
「ほぅ」とナダールは男達を見渡す。そして見渡された男達は、まさか自分の名前や所属・役職まできっちり把握されているとは思わなかったのだろう、名指しで名を呼ばれて震え上がった。
「何故この人を襲おうと思ったのです? 不満があるなら私に直接おっしゃってください、それなりの対応はさせていただきます。あなた方には多大なご迷惑をおかけしていますからね」
「こいつの! この女の存在自体が迷惑なんだよ!!」
ナダールの怒りのフェロモンが消えた訳ではないが少しだけその匂いが揺れた。
「それは大変申し訳ありませんとしか言えません。こちらにも事情があるので、もしどうしてもそれが気に入らないようでしたらイリヤに戻っていただいて構いません。もちろん私からも一筆添えさせていただきますし、向こうへ帰ってからの待遇は保障させていただきます」
「ナダールさん、なんでこいつ等にそこまで!」
キースはナダールの怒りが弛んだ理由が分からず、思わず怒鳴ってしまう。
「ご迷惑をかけているのは事実ですから。ただ、私は怒っていない訳ではありません。もし万が一それでも残るというのなら、二度目はないので覚悟してください。あとジミーさん、怪我の手当てを早くしないと……」
ナダールは座り込んでいたジミーの手を取り立ち上がらせる。
「まぁ、その程度の怪我で済んで幸いでした。本調子のこの人の手にかかったら、今頃あなたの腕、そこには付いていなかったと思いますからね」
ナダールは笑みを浮かべてそう言ったのだが、その瞳は笑っておらず、その怒りのフェロモンを感じていない男達ですらその瞳には震え上り、転がるように逃げて行った。
「ちょっとキース、寝ちゃ駄目!」
そう言ってハリーはキースを揺さぶるのだが、キースは一瞬はっと目を覚まし頭を振ってその眠気を飛ばそうとするも、また船を漕ぎだしてしまう。
そんなキースにハリーが呆れていると、どこからか「いいご身分だなぁ」と声がかかった。
「俺達が汗水流して働いている時に居眠りとは、若いみそらで偉くなったもんだ」
投げられた言葉に「すみません」と謝り、ハリーはキースを小突く。そこには不機嫌な表情を露にした男達が数人、こちらを咎めるように睨み付けていた。
「お前等も大変だよなぁ、頭のおかしくなった女の子守りなんざ、本来騎士の仕事でも何でもない。なんなら俺等代わってやろうか?」
男の一人がいやらしい笑みを浮かべてそんな事を言うのに嫌なものを感じて「結構です」と言うのだが彼等は一向に立ち去ろうとしない。
部屋の扉の前に立ち塞がるハリーを力尽くで退かせ、扉を開けようとする男達にさすがのキースも目を覚まして「何すんだよ!」と突っ掛かっていく。
「俺達が頭のいかれた女の相手をしてやろうって言ってんだ。感謝してくれてもいいんだぞ?」
「ふざけんな!!」
怒鳴ってキースは抵抗するのだが、如何せん多勢に無勢で歯も立たず、その扉は開けられてしまう。
部屋の中では外の騒ぎに目を覚ましたものか、グノーが寝台から起き上がりぼんやり宙を見詰めていたのだが、その姿にひゅーと下卑た口笛が飛ぶ。
元々グノーは綺麗な顔立ちをしているのだが、面やつれたその姿は妙な色気すら帯びて、男達の目の色を変えさせた。
「頭がいかれているとは言え、これは上玉だな」
ずかずかと部屋に入っていく彼等に成す術もなく、ハリーは弾かれたように駆け出していた。
「なんだ坊主逃げるのか、これからがいい所なのに」
「やめろよ、お前等! こんな事してただで済むと思うなよ!」
「お前が何も言わなけりゃ、どうという事も無いさ。こいつだってどうせ何も分かっちゃいねぇんだろ?」
「ふざけんなっ!」
怒鳴るキースに「年上に舐めた口利いてんじゃねぇよ!」と容赦ない拳が飛ぶ。吹っ飛ばされるキースに追い討ちをかけるように蹴りが入り、キースはその場に蹲った。
「グノーさん、逃げてっ!」
そう叫ぶキースの声にも反応せず、グノーはただ宙をぼんやり見詰めて「ナダールは?」とぽつりと呟き、ようやくゆっくり彼等の方を向いた。
途端に広がる甘い薫りにキースは眉を顰める。男達はその薫りに気付いていないのか、魅入られたように彼を凝視していた。
「こんな状況でもそんななのか? まぁ、こちらとしても好都合、旦那の代わりに存分に楽しませてやるよ」
一人の男がそう言って舌なめずりをするように彼に寄って行く。甘い匂いはますます濃く濃厚になっていき、キースの思考が霞む、一体何が起こっているのかも分からない。
男が寝台へと乗り上げて、そのグノーの綺麗な顔に手を伸ばそうとすると、その手はぴしゃりと払い除けられた。
「ナダールは?」
いつものように泣き出しもせず、先程よりか幾分かしっかりした声でグノーは淡々とそう言った。
「ここにはいねぇよ」
手を払い除けられた男は、グノーの腕を掴み、寝台へと引き倒す。
「………………」
グノーの声にならない小さな声に、男は「あ?」と下卑た笑みを浮かべ、その上に圧し掛かる、だが、次の瞬間、グノーの腕を掴んでいた男のその腕から血飛沫が上がった。
「っなっつ!」
斬りつけたのは、その男の仲間と思われていた男で、訳もわからなかったのだろう、男は驚愕の瞳でグノーの上から飛び退いた。
「な! なんだ、お前!!」
だが、斬りつけた方の男は何も言わない。その姿は何かに操られているかのように緩慢で、焦点も合ってはいない。
甘い匂いはそれにつけどんどん広がっていき、キースも殴られ蹴られた鈍痛がなければ意識が飛んでいたと思うのだが、そう思った時、その匂いがΩのフェロモンなのだと初めて気が付いた。
匂いの発生源はもちろんグノーで、そんな強烈な匂いを嗅いだ事のないキースは魅せられる前に怯えていた。
グノーは静かに寝台から起き上がり、傍らでやはりぼんやり立ち竦んでいた男の腰に差された剣を抜いた。
彼の瞳はどこかやはり上の空で、何事かぶつぶつと呟きながらふらりと自分を襲った男の前に立つ。その姿は鬼気迫るものがあり、誰も動く事は出来なかった。
ただ、斬りつけられ追い詰められた男だけが怯えたようにその場から逃げようと後退るのだが、腰が抜けたのか思うように身体が動かず、壁際へとじりじりと追い詰められていくのを誰もが身動ぎもせず見詰めていた。
グノーが剣を振り上げ、その剣を突き立てようとしたその時……
「おやめなさい!!」
ナダールは息を切らして、そう叫んだ。
グノーは声の方をゆっくりと見やると、その瞳に涙を浮かべて、手から剣を取り落とす。
「大丈夫だから、こちらへいらっしゃい」
そう言って手を差し出すナダール、グノーはその腕の中に飛び込んで、またいつものごとく子供のように泣き出した。いつの間にか噎せ返るような甘い薫りは霧散して、呆然としていた者達もはっと我に返る。
「これは一体どういう事ですか?」
代わりに広がる、圧倒的な威圧のフェロモン。
βの人間にはそれは分からなかっただろうが、キースはその圧倒的な力に竦みあがった。まるで首筋に刃物を突きつけられているようなそんな気持ちで、一気に血の気が引いた。
「そっ、その頭のおかしな女が俺を斬りつけて殺そうとしたんだ!」
「そうですね、それは見れば分かりましたよ。私はそんな事を聞いているのではありません、何故そうなったのかを聞いているのです。この人はそんな無闇矢鱈に人を斬りつけようとするような、そんな人ではありませんから」
ナダールはグノーを抱き上げ、その泣き続ける彼の背を撫でた。
「あなた達八班のアントさん、ブレントさん、フランクさん、ジョージさん、それにあなたは班長のジミーさんですよね。今の時間、あなた方には東の開墾を命じていたはずなのですが、ここで一体何をしようとしていたのでしょう?」
「こいつ等、グノーさんを襲おうとして、無理矢理部屋に押し入ったんですよ!」
キースはようやくの思いでそう叫ぶ。
「ほぅ」とナダールは男達を見渡す。そして見渡された男達は、まさか自分の名前や所属・役職まできっちり把握されているとは思わなかったのだろう、名指しで名を呼ばれて震え上がった。
「何故この人を襲おうと思ったのです? 不満があるなら私に直接おっしゃってください、それなりの対応はさせていただきます。あなた方には多大なご迷惑をおかけしていますからね」
「こいつの! この女の存在自体が迷惑なんだよ!!」
ナダールの怒りのフェロモンが消えた訳ではないが少しだけその匂いが揺れた。
「それは大変申し訳ありませんとしか言えません。こちらにも事情があるので、もしどうしてもそれが気に入らないようでしたらイリヤに戻っていただいて構いません。もちろん私からも一筆添えさせていただきますし、向こうへ帰ってからの待遇は保障させていただきます」
「ナダールさん、なんでこいつ等にそこまで!」
キースはナダールの怒りが弛んだ理由が分からず、思わず怒鳴ってしまう。
「ご迷惑をかけているのは事実ですから。ただ、私は怒っていない訳ではありません。もし万が一それでも残るというのなら、二度目はないので覚悟してください。あとジミーさん、怪我の手当てを早くしないと……」
ナダールは座り込んでいたジミーの手を取り立ち上がらせる。
「まぁ、その程度の怪我で済んで幸いでした。本調子のこの人の手にかかったら、今頃あなたの腕、そこには付いていなかったと思いますからね」
ナダールは笑みを浮かべてそう言ったのだが、その瞳は笑っておらず、その怒りのフェロモンを感じていない男達ですらその瞳には震え上り、転がるように逃げて行った。
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