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1章

強力な魔力には2

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バリアを抜け教室を出るとそこには廊下まで黒い霧に覆われていた。無事だということは、獣はやはり私を認知していなかったのか。まだ油断はできないが今の外の様子を少し見回しながら走った。
黒い霧は外側からは見えてないのか、廊下の窓ガラスから見た外の生徒がこちらの異変に気づく様子もなく通り過ぎるだけだった。霧は内側しか見れないのだろう。内側で何が起こっていても外部には何事もないように見える魔法なのかもしれない。その為教師は騒ぎに気づかないのだ。
この階でクラブ活動をしているのは手芸部だけ。2つ下の1階に行けば他のクラブも活動をしているはずだけども教師がいなければ絶望的だ。とりあえずここから本部棟に連絡だけでも入れた方が確実だろう。確か連絡用魔法石スポットがこのもう少し先の階段手前にあったはず、そう思ったその時だった。後ろから禍々しほどの魔力を感じ背中に刺さった。嫌な予感と共に後ろを振向くとあの獣が廊下にいた。まだバリアが切れるまで時間があるはずだがいつの間にか標的が私になっていた。でもそれも想定内。
ゴーンゴーン
チャイムの音が聞こえる。
そう今はちょいうど5時。点灯の時間だ。
この建物は古い。より夕暮れ時には廊下の蛍光灯の役割電気魔法石旧型のボロが出る。旧型は点灯時間になるとその廊下を通った人間の体内中の5%の魔力を吸収し電気を作り明かりを生み出す。その為通る魔力の持ち主に対しての明るさが違うこともある。先生と生徒とでは廊下を通った時の明るさは全然違う。それに魔法を使う魔力開放状態の5パーセントはかなりでかいはずだ。獣が今魔力を開放している状態からもしその魔法石が動いたら…
バチンッバチン
100メートルぐらい離れている獣の周りが魔法石の発光により太陽を直で見るように眩しかった。その隙に少しでもと走る。電気とはいえ光。それもこれだけ眩しいのには闇属性で獣なら弱点だ。視野が奪えれば行動が鈍くなる。だから今走らなきゃ。全力で。
獣の強力な魔力を吸収し旧型電気魔法石がまるでフラッシュのような眩しい光を何度も放ち続けている。しばらくして獣が旧型魔法石は私がいる廊下の至るところに埋め込まれていると気付いたのか魔力の開放を一度やめた。魔力を制御しこちらに向かってくる。多分だけど…振り向いていないので音のみの情報だから正確性には欠ける。でも今は目の前にある連絡用魔法石だ。あと数メートルなのだ。あの魔法石に魔力で助けてと打ち込めばきっと教師は来てくれる。走れ!走れ!走れ!!!
「ついた」その連絡用魔法石が置いてあるところに着いた途端に違和感を感じた。
「ぎゅーるぎゅーる」だいぶ後ろにいたはずの獣が泣き声が近い。すぐ近くで魔法陣を発動させようとしている!?
振向くと魔力を制御しつつ魔法陣を出していた。
防御するにはこちらも魔法を使うしかない。
連絡用魔法石に魔力を送り込むと同時に私は魔力の開放を行い。頭上にある旧型電気魔法石の何個かに魔力を打ち込む。仕組まれた魔法石に魔力を打ち込む行為は禁止されている。(送り込んで使用するのと打ち込むのは違う)打ち込むのは魔力の波長を合わせず魔法石を自分の支配下に置く行為だからだ。それは仕組まれた魔法と魔力が魔法石内で暴走してしまう。だけど私ならどんな魔法石だって意のままに支配下における。打ち込める!!伊達に魔法石でしか魔法を使ってないわよ!!
「光れ無数の輝き金の流星発光ゴールドルミネスメテオ」   


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