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1章

その髪の色は

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この世界には魔法がある。魔法があれば必要な力である魔力が存在する。
人間はその魔力を生まれ持っている。その魔力の強さは王族や貴族などの身分が高い人間が強く持って生まれる傾向にあり、また魔力は持って生まれるものでもその魔力を使って魔法を使える人間はごく稀な平民と身分の高い貴族、王族ぐらいだ。しかし魔法が使えなくても魔法石を持っていれば自分の魔力を使って少しは魔法を使うことがきる。主に暖炉や料理、お風呂など生活に欠かせないものに使われている。それ以上の魔法は魔力が強くないと使えない。
 平民でも魔力が強くて魔法石がなく魔法を使えるものは、この国の義務である魔法学園に通うことになる。魔法学園は貴族と平民で分かれている為貴族は貴族マナーや国の歴史や外交など学ぶことがより多いことから魔法学園を区別の為魔法学園アカデミーと呼んでいる。魔法学園を卒業後は15歳から学院に通うことが可能でより様々な魔法が使用できるように学べる。それがこの乙女ゲームの舞台の王立学院である。 そこで学べば国の魔導士として働けるチャンスがある為多くのものは通うことになる。



そもそも魔法には火、木、光、闇、土、雷、氷、風、9の属性がある。複数の属性を持つ珍しい人間も存在するが多くは1つの属性だけを持つ。
属性は遺伝子的なもので大体両親の属性を子供が受け継ぐことになり、身分が高い貴族であれば両親のどちらかの家を子供が継ぐかで属性が決められる。
例えば、モンスルト家は火の属性の家系で母親はモンスルト家に嫁ぐ前は雷の家系であったこの場合私はモンスルト家の後継なので、生まれる前に火の属性の儀式が行われる。すると私は雷の属性ではなく火の属性の魔法が主に使えるらしい。らしいと言うのも私は生まれた時の魔力が強すぎてコントロールが上手くいかなかった為、身体が魔法発動に弱く、負荷がかなりかかることから魔法石なく魔法を使うことが難しいと医師から診断されているのだ。私は属性の魔法ですら魔法石がないと使えない。他の貴族なら魔法石がなくても属性以外の魔法も使えるのだ。しかし属性以外の魔法は魔法石を持っていようが持っていなかろうが習得自体が難しく簡単なものしかできないらしい。その分私は魔法石があれば属性以外であろうとそれなりに難しい魔法も使えるので不自由なことはない。魔法石は壊れやすいのが不便と言ったら不便なくらいだろうか。
たがら8歳まで自分は案外恵まれていたと思っていた。髪の色を除けば、
儀式を受け火の属性を持ったモンスルト家の人間は、代々赤髪。しかし私の髪の色はレンガ色。綺麗な赤い色ではない、寧ろ茶色に近い。これがリリーナルチアのコンプレックス。せめて属性の魔法が魔法石なく上手く使えてたらそうは思わなかったかもしれない。
さっきグレイエと話して、千代子の記憶を思い出す前のリリーナルチアのことを思い出した。
 8歳の頃初めてグレイエに会ってこれがなんだと思った。グレイエは私と同じ火の属性と雷の属性の両親からうまれたつまり、属性からしたら私と同じ条件だ。だからあの日あの赤髪が羨ましくて髪を引っ張ってしまった。髪色はどうにもならないなら魔法だけはモンスルト家の後継として魔法石なくいつかは属性の魔法と思っていた。





しかし一緒に家庭教師から習っていくうちに魔法学で彼のその属性特有の魔法使用時の属性魔法を見て、リリーナルチアは自分が気づきはじめる。このモンスルト家の血をひいていないことに。
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