俺の宝物になった君

俺も好きだったんだけどなぁ…

ひらひらと舞うピンク色と真っ白な花びらの下に男女がいた。


「あのね。
私隠してることがあったんだ...。

実は...。さ、あるとこのお嬢様なの。

隠しててごめんなさい。

私あなたの事が好きで、あなたと結婚したかった。
大学であなたに告白した時に「いいよ」って言われたのがとても嬉しかったの。
だからこのままずぅーっと一緒にいられると思ってたわ。

今日のデートも楽しみにしてたんだけどね、今日お母様から電話がきてお父様のお仕事関係の人の息子とお見合い結婚だか許嫁だかわからないのだけど、その人と結婚しろって言われたの！

私説明したの、あなたと付き合ってるって。
そしたら今日中に別れないならあなたを脅すって...。

私あなたの事が好きだから私と別れる以外で傷ついて欲しくない。

ごめんなさい。
私のわがままだけど、最後のわがままになってしまうけどあなたに迷惑もかけたくないわ。

...。

わ、私と...別れて下さい...。

私も...泣いちゃて説得力ない...けど、
本当に勝手でごめんなさい。

今までありがとう。
楽しかったわ...。」



タッタッタッタッタ......


「あ...。

うぅ...。
はは。

こちらこそ今までありがとう...。
俺も楽しかったです。」


男の言葉はひらひら舞う花びらの中に溶けて消えた...。