19 / 71
18 聖者の血族
しおりを挟む
リオの『順応の義』は失敗に終わった――――
混乱する大聖堂から、彼女を素早く連れ出せたことが幸いし、離宮まで騒ぎにまきこまれることなく移動できた。――が、陛下からすぐ呼び出しがかかる。
「ちっ……俺はリオ様の護衛騎士だ! 聖女のそばを離れん」
「ロズベルト様いけません! リオ様のご降臨のようすを語れるのは、あなた様だけです! 真実のご報告を!」
リオのことはまかせろ――というメイド長に、しぶしぶ彼女を預け、陛下たちが待つ部屋へ急いだ。
「アラン・ロズベルト! これはどういうことじゃ! あの女は来訪者を語る痴れ者か! 余をたばかったのか!」
「まさか貴様の策略か! 捏造してまで功を欲したか!」
国王陛下と宰相閣下は怒鳴りちらし……大司教猊下は後ろの長椅子に青い顔をして、ぐったり横たわっていた。
この3人の他に、王妃陛下、王太子殿下、ラキア領主ガラナミア伯爵と伯爵夫人。シシーリア聖皇国の皇子殿下とセフィロース卿が控えている。
――リオに深くかかわった人物が集められているようだな。
「僭越ながら申しあげます。彩雲からご降臨されたのは、リオ様です。空から降りてこられるリオ様を、直接抱きとめましたから間違いようがありません」
「うん。そうだよねぇ。その場に私も立ちあっていたから、虚偽の報告でないことは承認するよ」
候補者ふたりの言葉に、室内はさらに重苦しい空気につつまれた。
「なら、なぜ?! 水晶は輝かなかったのじゃ! 本物の来訪者様は、まだどこかにおかくれしているのじゃないのか? そうじゃ、きっとそうじゃ! 国をこえて全ファリアーナ神の民に、来訪者様の捜索と保護を嘆願せねば!」
「大司教猊下、恐れながら申しあげます。リオ様が話す異世界の話しは、どれも不思議で、とても彼女が来訪者様ではないとは、わたくしには信じられません」
ガラナミア伯爵夫人は、長い時間リオに行儀作法を教えていた。リオに接した時間が長い者ほど、リオを『異世界からの来訪者』と信じて疑わない。シャルナの王太子殿下とシシーリアの皇子殿下も同意し、深くうなずいた。
「儀式が失敗した原因を探したほうが、確実かな。なにか手がかりになるようなものはないか? 『聖者の手記』を調べてみることにしよう」
セフィロース卿に、すがるような視線が集まる。
『聖者の手記』? そんなものが残っているのか? そしてなぜ、セフィロース卿がそれを調べられる? わからないことが多すぎる……
俺の不審そうな視線に気がついたのか「我が家門、エバンティス侯爵家は1世代前の聖者の血縁なんだ」と、あっさり種明かしをした。
――そうか、セフィロース卿のエバンティス侯爵家は血族だったのか。副隊長が語った『火を創造した』という、セフィロース卿の魔法に合点がいった。
世襲貴族のガラナミア伯爵も驚いているようすがないところを見ると、平民出身の一代貴族の俺だけが知らない事実のようだ。気の弱い領主だから、気にもとめてなかったが、セフィロース卿にたいする弱腰の態度も、そういった裏事情があってのことなのかも知れない――しかし、セフィロース卿は俺に聖者の血筋をあかしてもよかったのか?
1世代前の聖者は約160年前にシシーリア聖皇国に来臨した。聖者が亡くなるまで聖者の魔法で守られたシシーリア聖皇国は、周辺諸国のどこよりも栄華を誇っている。
来訪者は『聖者・聖女条約』で護られているが、血族は条約の対象外だ。体外に作用する来訪者の魔法の力は、世代を重ねるたび弱わくなっていくが、血族は各国間の強力な政治的コマに使われると聞く。
――聖者の魔法が消えたあと、有力な国の力になる血族を、他国にかどわかされないよう、血族の家門は秘匿された。
「セフィロース卿、感謝します。どうか我が国に聖女の加護を! なにとぞ、なにとぞ……」
宰相閣下が床に頭がつきそうな勢いで、頭を下げた。
「早急に取りかかりましょう。原因がわかるまで、リオ様をよろしくお願いします」
セフィロース卿は力強く約束の言葉を残し、シシーリア聖皇国の皇子殿下と一緒に退室していった。彼がなにかしらの原因を見つけるまで、じっと耐えていなければいけないのが、もどかしい……
自国民だけになった室内に、宰相閣下の皮肉めいた声が響く。
「――しかし、セフィロース卿の目を欺き、聖女降臨を偽装した疑いは残っていますので、アラン・ロズベルトはセフィロース卿から報告があるまで謹慎……と、いうことでよいですかな」
「なっ! 彼女は聖女で間違いありません! それに私は聖女の護衛騎士、聖女のおそばを離れません!」
抗議する俺に、閣下は、やれやれ……と、首を振った。
「その聖女の認定ができなかったではないですか? 『順応の義』が失敗した今、あの娘は、ファリアーナ神の加護がある来訪者か、詐欺師か、神の導きなく勝手にやって来た、異世界からの異邦者か? ――なにが本当の姿かわからない、得体の知れない存在なのですよ」
閣下の言葉に目の前が暗くなる。
「聖女の可能性も残っとる。あの娘の保護は神殿でやろう……」
大司教猊下が疲れたようにつぶやいた。
「アラン・ロズベルトは、あの娘を連れだす危険があるため、城の塔で謹慎を申しつける」
「閣下! せめて、リオ様のそばで……「ならぬ!」」国王陛下の叱責が飛んだ。
「ことが判明するまで、あの娘との接触は禁ずる! アラン・ロズベルトは結界石をはめ城の塔へ! 連れて行け!」
陛下の言葉は、俺の耳に残らず――なにか別次元の言葉のように頭のなかを素通りしていった。
俺は今回もリオを守れないのか――絶望が心を支配していた……
混乱する大聖堂から、彼女を素早く連れ出せたことが幸いし、離宮まで騒ぎにまきこまれることなく移動できた。――が、陛下からすぐ呼び出しがかかる。
「ちっ……俺はリオ様の護衛騎士だ! 聖女のそばを離れん」
「ロズベルト様いけません! リオ様のご降臨のようすを語れるのは、あなた様だけです! 真実のご報告を!」
リオのことはまかせろ――というメイド長に、しぶしぶ彼女を預け、陛下たちが待つ部屋へ急いだ。
「アラン・ロズベルト! これはどういうことじゃ! あの女は来訪者を語る痴れ者か! 余をたばかったのか!」
「まさか貴様の策略か! 捏造してまで功を欲したか!」
国王陛下と宰相閣下は怒鳴りちらし……大司教猊下は後ろの長椅子に青い顔をして、ぐったり横たわっていた。
この3人の他に、王妃陛下、王太子殿下、ラキア領主ガラナミア伯爵と伯爵夫人。シシーリア聖皇国の皇子殿下とセフィロース卿が控えている。
――リオに深くかかわった人物が集められているようだな。
「僭越ながら申しあげます。彩雲からご降臨されたのは、リオ様です。空から降りてこられるリオ様を、直接抱きとめましたから間違いようがありません」
「うん。そうだよねぇ。その場に私も立ちあっていたから、虚偽の報告でないことは承認するよ」
候補者ふたりの言葉に、室内はさらに重苦しい空気につつまれた。
「なら、なぜ?! 水晶は輝かなかったのじゃ! 本物の来訪者様は、まだどこかにおかくれしているのじゃないのか? そうじゃ、きっとそうじゃ! 国をこえて全ファリアーナ神の民に、来訪者様の捜索と保護を嘆願せねば!」
「大司教猊下、恐れながら申しあげます。リオ様が話す異世界の話しは、どれも不思議で、とても彼女が来訪者様ではないとは、わたくしには信じられません」
ガラナミア伯爵夫人は、長い時間リオに行儀作法を教えていた。リオに接した時間が長い者ほど、リオを『異世界からの来訪者』と信じて疑わない。シャルナの王太子殿下とシシーリアの皇子殿下も同意し、深くうなずいた。
「儀式が失敗した原因を探したほうが、確実かな。なにか手がかりになるようなものはないか? 『聖者の手記』を調べてみることにしよう」
セフィロース卿に、すがるような視線が集まる。
『聖者の手記』? そんなものが残っているのか? そしてなぜ、セフィロース卿がそれを調べられる? わからないことが多すぎる……
俺の不審そうな視線に気がついたのか「我が家門、エバンティス侯爵家は1世代前の聖者の血縁なんだ」と、あっさり種明かしをした。
――そうか、セフィロース卿のエバンティス侯爵家は血族だったのか。副隊長が語った『火を創造した』という、セフィロース卿の魔法に合点がいった。
世襲貴族のガラナミア伯爵も驚いているようすがないところを見ると、平民出身の一代貴族の俺だけが知らない事実のようだ。気の弱い領主だから、気にもとめてなかったが、セフィロース卿にたいする弱腰の態度も、そういった裏事情があってのことなのかも知れない――しかし、セフィロース卿は俺に聖者の血筋をあかしてもよかったのか?
1世代前の聖者は約160年前にシシーリア聖皇国に来臨した。聖者が亡くなるまで聖者の魔法で守られたシシーリア聖皇国は、周辺諸国のどこよりも栄華を誇っている。
来訪者は『聖者・聖女条約』で護られているが、血族は条約の対象外だ。体外に作用する来訪者の魔法の力は、世代を重ねるたび弱わくなっていくが、血族は各国間の強力な政治的コマに使われると聞く。
――聖者の魔法が消えたあと、有力な国の力になる血族を、他国にかどわかされないよう、血族の家門は秘匿された。
「セフィロース卿、感謝します。どうか我が国に聖女の加護を! なにとぞ、なにとぞ……」
宰相閣下が床に頭がつきそうな勢いで、頭を下げた。
「早急に取りかかりましょう。原因がわかるまで、リオ様をよろしくお願いします」
セフィロース卿は力強く約束の言葉を残し、シシーリア聖皇国の皇子殿下と一緒に退室していった。彼がなにかしらの原因を見つけるまで、じっと耐えていなければいけないのが、もどかしい……
自国民だけになった室内に、宰相閣下の皮肉めいた声が響く。
「――しかし、セフィロース卿の目を欺き、聖女降臨を偽装した疑いは残っていますので、アラン・ロズベルトはセフィロース卿から報告があるまで謹慎……と、いうことでよいですかな」
「なっ! 彼女は聖女で間違いありません! それに私は聖女の護衛騎士、聖女のおそばを離れません!」
抗議する俺に、閣下は、やれやれ……と、首を振った。
「その聖女の認定ができなかったではないですか? 『順応の義』が失敗した今、あの娘は、ファリアーナ神の加護がある来訪者か、詐欺師か、神の導きなく勝手にやって来た、異世界からの異邦者か? ――なにが本当の姿かわからない、得体の知れない存在なのですよ」
閣下の言葉に目の前が暗くなる。
「聖女の可能性も残っとる。あの娘の保護は神殿でやろう……」
大司教猊下が疲れたようにつぶやいた。
「アラン・ロズベルトは、あの娘を連れだす危険があるため、城の塔で謹慎を申しつける」
「閣下! せめて、リオ様のそばで……「ならぬ!」」国王陛下の叱責が飛んだ。
「ことが判明するまで、あの娘との接触は禁ずる! アラン・ロズベルトは結界石をはめ城の塔へ! 連れて行け!」
陛下の言葉は、俺の耳に残らず――なにか別次元の言葉のように頭のなかを素通りしていった。
俺は今回もリオを守れないのか――絶望が心を支配していた……
16
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
階段落ちたら異世界に落ちてました!
織原深雪
ファンタジー
どこにでも居る普通の女子高生、鈴木まどか17歳。
その日も普通に学校に行くべく電車に乗って学校の最寄り駅で下りて階段を登っていたはずでした。
混むのが嫌いなので少し待ってから階段を登っていたのに何の因果かふざけながら登っていた男子高校生の鞄が激突してきて階段から落ちるハメに。
ちょっと!!
と思いながら衝撃に備えて目を瞑る。
いくら待っても衝撃が来ず次に目を開けたらよく分かんないけど、空を落下してる所でした。
意外にも冷静ですって?内心慌ててますよ?
これ、このままぺちゃんこでサヨナラですか?とか思ってました。
そしたら地上の方から何だか分かんない植物が伸びてきて手足と胴に巻きついたと思ったら優しく運ばれました。
はてさて、運ばれた先に待ってたものは・・・
ベリーズカフェ投稿作です。
各話は約500文字と少なめです。
毎日更新して行きます。
コピペは完了しておりますので。
作者の性格によりざっくりほのぼのしております。
一応人型で進行しておりますが、獣人が出てくる恋愛ファンタジーです。
合わない方は読むの辞めましょう。
お楽しみ頂けると嬉しいです。
大丈夫な気がするけれども一応のR18からR15に変更しています。
トータル約6万字程の中編?くらいの長さです。
予約投稿設定完了。
完結予定日9月2日です。
毎日4話更新です。
ちょっとファンタジー大賞に応募してみたいと思ってカテゴリー変えてみました。
つがいの皇帝に溺愛される皇女の至福
ゆきむらさり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨ 読んで下さる皆様のおかげです🧡
〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。
完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話に加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は是非ご一読下さい🤗
ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン♥️
※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる