上 下
2 / 61
OLサクラ

ドキドキ☆パワーセクシャルハラスメント

しおりを挟む

「──やりなおし」
「ええっ!?」

 あまりにも予想外な出来事に、思わず声が裏返ってしまう。
 二秒である。
 この時間は、私の目の前でふんぞり返っている課長が、月毎の売上と仕入れ金額に齟齬がないかの確認に要した時間である。
 早い。あまりにも早すぎる。書類は何ページにも及んでいるというのに。
 というか、ページをめくってすらいなかったと思うのだが。
 いや、そもそも見てすらいなかった。

 鈴木スズキサクラ
 お酒と塩味強めのおつまみと、プロレスをはじめ格闘技全般がほんのり好きな27歳。
 この春から部署が変わり、営業から事務へ、会計の真似事のような業務を日々こなしている、ごく普通の社畜オーエルだ。
 現在は新しい仕事を色々覚えながら、課長のデスクの前で……奇声を発している。
 信じがたい事に、これが私なのだ。

「あ……あの、課長? その……どこがダメだったのでしょうか……?」

 すこし……いや、かなり納得がいかなかった私は、せめてもの抵抗として、おそるおそる、這いつくばるように下から、課長に異議を申し立てた。
 というのも、今日だけでかれこれ5回以上は突っぱねられているからだ。何度も目を通し計算もし直し、間違いがないのを確認したうえで提出しているのだが……。

「ふうん?」

 課長はそんな無様な私をちらりと一瞥すると、なぜかゆらりと椅子から立ち上がり、デスクをぐるりと半周し、私のすぐそばに立ってきた。
 近い近い。
 しかも課長の身長が私よりも頭ひとつ分低いため、ハゲた中年の脂ぎった頭皮の臭いが鼻につく。
 さらにそんな私に追い打ちをかけるように、今度は同僚たちが私をせせら笑う声が聞こえてくる。

「見て見て、鈴木さんまた怒られてる」
「いい気味。ちょっと顔が良いからって男の人にちやほやされて……恥ずかしいやつ」
「顔で入社出来ただけなんだから、大人しくお茶くみだけしてればいいのに……」

 聞こえてるっての。……いやまあ、わざと聞こえるように言ってるんだろうけどさ。

 でもぶっちゃけ、私がこうなってしまったのも身に覚えがないこともない。

 始まりは……そう、今春だった。


 ◆◆◆


 現在のオフィスに転属した私に最初に声をかけてきたのは、この部署でも有名な女ったらしのM先輩だった。
 彼の評判あくひょうは私のいた営業部にまで轟いており、それもあって私も最初は彼を警戒していたのだが、さすがは女の扱いに手慣れていることもあり、私の海よりも深い外堀はみるみるうちに埋められていき、ついつい彼といい雰囲気とかいうやつになってしまったのだ。

 そして事件が起きたのは、二人で酒をしこたま飲んだ帰りの私のアパートだった。
 いざ事に及ぼうと私に顔を近づけたM先輩は上気した顔で、急に私の顔をまじまじと見つめ、固まった。

「もしかして……」
「へ?」
「さくらちゃんってあの……さくらさん・・?」
「……どの?」
「へ、平凡中3年1組の……?」
「そうだけ――」
「ぴぎゃあああああああああああああああああああああああああああ!!」

 そう。世間というやつは、私が思ったよりも狭かったのだ。
 私を手籠めにしようとしていたM先輩は、じつは同じ中学で、一個上の先輩で、手下だったのだ。

 ……いや、誤解しないでほしい。
 別に私がやべえヤツだったとかそういうことじゃない。
 M先輩はその頃から手癖が悪く、常に女性関係で問題を起こしていた。
 その流れで彼は私に舐めた態度をとってきたため、軽くお灸をすえて、ほんのすこし言うことを聞かせていた過去があったというだけだ。
 風の噂で何かから逃げるように街を去ったと聞いていたのだが、まさかこんなところで再会するなんて。

 ――なんて感傷に浸っていると、錯乱したM先輩は私の部屋の窓を突き破り、そのまま夜の街へと消えていったのだ。
 それ以降、社内の誰もM先輩の消息は知らず、彼の熱心なファンが最後に私の家に上がり込んでいたことを広め、こうなってしまったのだ。
 そして結局、窓の修理代は私のポケットマネーから捻出されることになった。

 課長に関しては……ぶっちゃけよくわからん。
 M先輩にムーヴをかけられる前までは、かなりセクハラまがいなことをされていたが、最近はセクハラよりもパワハラに重きを置いているようだ。
 おそらく、知らず知らずのうちに恨みを買っていたのだろう。
 ……心当たりは全くないが。


 ◆◆◆


「──くん! さくらくん! ねえ、聞いてる!?」

 急に課長の顔がドアップになり、私は思わず「わっ」と漏らした。

「〝わっ〟て何? 聞いてなかったんでしょ?」
「す、すみません。ちょっとボーっとしてて……」
「怒られてるってのに、良いご身分だね。自覚も無いんでしょ? そういう所だよ」
「……返す言葉もないです」
「はぁ、それにね、話を戻すけど、わざわざどこが間違っていたのか、言葉にしないとわからないのかな? わかるよね、さすがに。わかろうね。さすがに。ガキじゃないんだから」

 あらやだ。なんて嫌味な尋ね方ですこと。
 私の上司でなければ、今すぐジャーマンスープレックスをキメて、課長の人生をスリーカウントのうちに終わらせてやりたいところだ。──が、しかし、それをやってしまえば即解雇。最悪の場合、警察沙汰、獄中生活、くさい飯。
 この就職氷河期で前科なんてつこうものなら、せっかく取得した大卒の資格が水の泡。現在も田舎の畑でザクザクやってくれている家族(犬を含め)を泣かせてしまう事になる。

 我慢。我慢。我慢。

 私はありったけの力を握りこぶしに込め、なるべく課長からは見えない角度で、ワナワナと震わせて、答えた。

「えっと……私としても、ダメだった原因をご指摘いただければ、次からはそういったミスはなくせると思うので……」

 そう。向くのだ。前を。
 腐っていても仕方がない。
 せめて課長好みのレイアウトに近づけよう。

「はぁ……やれやれ、呆れた。いまの若い子って、全ッ然自分で考えようとしないよね。すぐに他人に答えを求めたがる。何がダメだったかとか、そういうのって自分の行動を顧みれば、おのずと見えてくるものなんじゃないかな? ま、逆に見えて来なかったら、それはそれで救いようがないんだけど、さ」

 課長はため息まじりにそう言うと、これ見よがしに肩をすくめてみせた。
 なんと不愉快なジェスチャーか。
 私の上司でなければ、今すぐアルゼンチンバックブリーカーをキメて、書類の表ではなくその薄汚れた上半身と下半身を仕分けてやりたいところだ。──が、しかし、それをやってしまえば……以下略。

「す、すみません、なにぶん不勉強なもので……。以後、気をつけますので、後学のために……ご指導ご鞭撻のほうを……な、な~んて、でへへへ……」

 なんてみっともない。
 学生時代あのころの私が今の私を見たらなんと言うのだろう。
 願わくば何も言わないでほしい。

 これが会社の歯車として生きてきた者の悲しい性というものなのだから。

「だからさあ! 会社は利益を追求する場所なの! 会社員はその利益をもたらした見返りとして、お金をもらう! 学校みたいにお金を支払って勉強するところじゃないんだよ!! ……なのにお金をもらっておいて〝後学のため〟なぁんて……さくらさんちょっと社会を舐めてるんじゃないの? ねえ?」
「か、課長の言っている事はたしかに理解できます。でも、それは理不尽な事をしていい理由にはならないんじゃないかな、とも思ったり……なあんて……」
「なに? 僕が理不尽な事をしたって言うの? ねー! みんな聞いてるー? この可哀想な子、こーんなバカな事言ってるよー?」

 バサバサと、課長が私の作成した書類を振り回しながら、オフィス中に響き渡る声で私をなじる。さっきの同期たちもこぞって「えーさいてー」「しんじらんなーい」などと言って参加してくる。他の社員は基本見て見ぬふりだ。

 いや、いいんだ。
 そんな申し訳なさそうな顔で俯かないでほしい。
 もうある程度は慣れてるから。

「……あ、いえ、いちおう自分でもきちんと、何度も確認したうえで課長に提出したので見落としはないハズなのですが……それに、つまりその……逆に課長が理不尽な事をしていないという確証が欲しいと言いますか……」

 私も私だ。なぜ今日に限ってこんなに突っかかってしまうのか。
 いや……もしかすると私のメンタルももう限界に近いのかもしれない。

「ふぅん?」

 課長がから見下ろす視線でさらに距離を詰めてくる。

「スゥ……ハァ……スゥ……ハァ……」

 バレていないと思っているのか、課長は鼻で大きく息を吸い、口から生ごみのような臭い息を吐いている。さらにカエルのようにねっとりとした視線で、私の体を上から下まで視姦してきた。
 気持ちが悪い。

「で、ですので、今回だけでいいので、訂正箇所を教えて頂けたらな……なんて。次回以降はきちんと直しますので……し、質問も、もうしません!」
「全部だよ、全部」
「ぜ、全部……?」
「そう。なんというかね、さくらくんの作成した書類にはね、心がこもってないんだよ。こ・こ・ろ」
「え、えっと……」
「つまり情熱だよ、情熱。プァッション・・・・・・。燃えるようなハアツ・・・っていうの?」
「は、はあつ……でやんすか……」

 今たしか、書類の可否を見てもらってるんじゃなかったっけ。

「さくらくんの提出してくれたこの書類にはね、そういうのを感じなかったんだよねぇ。ぼかぁ、それが一瞬でわかっちゃったんだなぁ……もう長いからね、この仕事もさ。あ、これテキトーにやってるなって。だから、見なくてもわかるのさ」

 一体何を言っているんだ、この中年は。私は間違った箇所を指摘しろと言ったのに、日本語が伝わらなかったのか?
 しかも見てないって堂々と白状してるし。

「あの……いまいち仰っている意味が……」
「さくらさん、英語ダメ? それとも発音がちょっとネイティブ過ぎたかな? パッションはハートだよ、ハート、ハアツ」
「でへへへ、英語っすか……んなアホな……」

 なんなんだこの時間は。もう勘弁してほしい。

「あ、そう? わかんない? ハアツって言ったらここらへんの……」

 そう言って、不意に課長の手が私の胸部へと伸びてくる。

「は? ちょ──」

 〝パッシィーン!〟
 私はすばやく課長の手を叩き落すことで、なんとか最悪の事態を回避することに成功した。

『おどれはその汚ぇ手で人の乳にナニするつもりだったんじゃ! この万年発情期薄らハゲ! いますぐナニをブッこ抜いて万年賢者薄らハゲにしてやろうか!』

 ……そう、口から出かかった言葉を飲み込み、私が恨めしそうに課長を見ると、課長もなぜか「フー! フー!」と猫のように息を荒げながら、涙目を浮かべ、恨めしそうに私を見ていた。
 なんだこの状況。
 なんで乳を触られかけた私が、罪悪感を覚えなければならないのだろうか。私の上司でなければ、今すぐダブルリストロックをキメて、その手首を腕ごと……以下略。

 しかし、とはいえ、だ。
 私ももう立派な社会人四年生。
 たしかに私の胸を触ろうとしてきた行為は許されるべき行為ではないが、オフィス中に響き渡るような音で、課長の手首がぽろりと取れちゃいそうな威力で叩き落とすのもいかがなものだろうか。
 ここはお互い、この事は水に流して、事なきを得たほうが〝大人〟な対応なのではないだろうか。昨今パワハラ、セクハラ問題が取り沙汰されるこの世の中においては、このハゲ課長も部下と接する時は、それなりに危機感を持って接しているはずなのだ。手を叩かれたことに対して一瞬困惑はしたものの、今はたぶん、私のように『さくらくんには悪いことをしたなぁ』とか、さすがに頭は冷えているのではないだろうか。
 うん、きっとそうだ。そうであってほしい。

「えーっと、す、すみません課長、ついヌッと手が伸びて来たからビビっちゃって。……ちょっと強くたたき過ぎました」

 悪びれるように前傾姿勢になって反省の弁を述べる私。しかし、それとは対照的に、課長の背は、胸はどんどん後ろへ逸れていく。

「いまのは痛かった……」
「へ?」
「上司に向かって暴力を振るうとは……」
「……はい?」
「まったく! 最近の若者は物事が思い通りにいかないとすぐに暴力を振るってくるんだね!」
「いえ、ですが――」
「そんなんだから彼に捨てられるんだよ」
「は、はあ!? それは今は関係ない……というか、べつに私は彼とそんなんじゃ――」
「それにさ! 最近世間を騒がせているあの連続強姦殺人犯も、聞くところによるとまだ若い男二人組らしいじゃないか! 同類なんじゃないのかい? キミも!」
「……な、なにを?」

 何を言い出しているんだ、この人は。

「〝なにを?〟じゃあないぞ! さくらくん! 本当に……反省してるの? 上司に暴力を振るったんだよ!? わかってるの!?」
「で、ですから――」
「〝反省〟してるのかって訊いてるんだよ! こっちは!」
「し、してます……反省……」

 あまりの出来事に二の句が継げない。理解が追い付かない。追いつかせたくない。
 私が発言する前は、課長もどことなく〝やっちゃった〟感を醸し出していたのに、私が謝るや否や、鬼の首を取ったように責め立ててくる。
 まるで先に謝ったほうが負けだと言わんばかりに。
 そして、あまつさえ連続強姦殺人犯と同格にまで押し上げられてしまった。
 私は今、ほんとうに人間・・と会話しているのだろうか。

「ふん! ……ああ、そうそう。じつは鈴木くんにはまだまだやってほしい事があったんだよね!」

 そう言って渡されたのは書類の山だった。
『なんでこのご時世に、この量の書類をデータ化してないんですか!』なんて気の利いたツッコミを出せる精神状態なわけもなく、私はただ茫然と、手元にある書類の山を眺めた。

「ペェナァルティだよ、ペェナァルティ! 上司に暴力を振るうなんて、本当なら上申してさくらくんを解雇してもらうことだって出来るんだよ!?」
「いや、それはちょっと……」
「でもね、ほら、僕ぁ優しいからさ、それで許してあげるって言ってんの! わかってる!?」
「えっと……」
「〝えっと〟じゃなくて、あ・り・が・と・ご・ざ・い・ま・す! でしょ?!」
「あ、ありがとう……ございます……」
「ほら! ボーっと突っ立ってないで、悪いと思ってるのならさっさとそれ片づけて! ……あ、ちなみにそれ、今日中だからね! ヨロシク!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

私、今の方が楽しいです!

みらく
ファンタジー
1話200文字くらいです  ほのぼの旅を書こうと思っています。    ちょっとタイトル変えました 旧 私、今が楽しいです!

私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】

小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。 他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。 それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。 友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。 レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。 そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。 レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……

チートな環境適応型スキルを使って魔王国の辺境でスローライフを ~べっぴんな九尾族の嫁さんをもらった俺が人間やなんてバレへん、バレへん~

桜枕
ファンタジー
不慮の事故で死んでしまった冬弥は外れスキルだけを持って異世界転生を果たすことになった。 転生後、すぐに魔王国へと追放され、絶体絶命の状況下で第二の人生が幕を開ける。 置かれた環境によって種族や能力値が変化するスキルを使って、人間であることを偽り、九尾族やダークエルフ族と交流を深めていく。 魔王国の片田舎でスローライフを送り始めたのに、ハプニング続きでまともに眠れない日々に、 「社畜時代と変わらんやんけ!」 と、嘆きながらも自分らしく自由に生きていく。 ※アルファポリスオンリー作品です。 ※第4回次世代ファンタジーカップ用

悪役令嬢、第四王子と結婚します!

水魔沙希
恋愛
私・フローディア・フランソワーズには前世の記憶があります。定番の乙女ゲームの悪役転生というものです。私に残された道はただ一つ。破滅フラグを立てない事!それには、手っ取り早く同じく悪役キャラになってしまう第四王子を何とかして、私の手中にして、シナリオブレイクします! 小説家になろう様にも、書き起こしております。

[完結]回復魔法しか使えない私が勇者パーティを追放されたが他の魔法を覚えたら最強魔法使いになりました

mikadozero
ファンタジー
3月19日 HOTランキング4位ありがとうございます。三月二十日HOTランキング2位ありがとうございます。 ーーーーーーーーーーーーー エマは突然勇者パーティから「お前はパーティを抜けろ」と言われて追放されたエマは生きる希望を失う。 そんなところにある老人が助け舟を出す。 そのチャンスをエマは自分のものに変えようと努力をする。 努力をすると、結果がついてくるそう思い毎日を過ごしていた。 エマは一人前の冒険者になろうとしていたのだった。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

転生嫌われ令嬢の幸せカロリー飯

赤羽夕夜
恋愛
15の時に生前OLだった記憶がよみがえった嫌われ令嬢ミリアーナは、OLだったときの食生活、趣味嗜好が影響され、日々の人間関係のストレスを食や趣味で発散するようになる。 濃い味付けやこってりとしたものが好きなミリアーナは、令嬢にあるまじきこと、いけないことだと認識しながらも、人が寝静まる深夜に人目を盗むようになにかと夜食を作り始める。 そんななかミリアーナの父ヴェスター、父の専属執事であり幼い頃自分の世話役だったジョンに夜食を作っているところを見られてしまうことが始まりで、ミリアーナの変わった趣味、食生活が世間に露見して――? ※恋愛要素は中盤以降になります。

処理中です...