アンタークティカ記紀―リアルな魔術オタクは異世界の魔法にウンザリする

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 史実に残る魔術のオタクである十六歳の高校生霞ヶ島聖真は、単純な魔法が横行する異世界モノのフィクションが苦手。

 ある日魔術の実験〝小瓶の悪魔〟を敢行して失敗した直後、どこからか『旧約聖書』のイザヤ書九章六節のような文言で名前を呼ばれるや、フィクションのような異世界に移動させられ、北欧神話の巨人フリームスルスと北欧の巫女ヴォルヴァの争いに巻き込まれる。
 そこで、本来なら不可能な小瓶の悪魔によるソロモン七二柱の魔神フラウロスの使役を可能とした聖真は、その世界が魔術知識を比較的簡単に効力として発揮できる異世界〝アンタークティカ大陸〟だと知っていく。

 アーサー王伝説に似た円卓の騎士団に選ばれ、自身の出現を預言した緋緋色金製の板を知り、やがて彼は大陸の人類を恐怖させる黎明魔王ルキフェル率いるディアボロス魔帝国を退けるための旅に赴かされる。
 ヴォルヴァで同い年の少女フレデリカ、十三歳で勇者の称号を持ちアイヌ宝刀クトネシリカに認められた少女チェチリア、人の女性と霊鳥カラドリウスとの間に生まれたルワイダ。奇妙な仲間たちとの冒険の末、聖真は元いた世界をも含める真実に直面することになるのだった。
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