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第3章

2話 彼の異変と6年越しの覚醒 前編

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 学園の窓の外をふと見てみれば、やはり空は厚い鉛色の雲に覆われていた。
 その分厚い雲からは、飽きる事なくひたすらザーザー音を立てながら、結構な勢いで雨が降り注いでいる。
「……。なんつーか、今日も雨だねぇ……。憂鬱だわ……」
 午前の授業が全て終わり、ようやく昼休みになった所で、何ともかったるそうな様子のニーナが、自分の机に頬杖つきながら呟いた。

 まあ、言いたい事は分かる。
 なにせこの雨、もう3日もぶっ続けで降っているのだ。
 そりゃあ雨が降らないのも困るけど、こうも毎日雨ばかり続くというのも困りもの。外気や室内だけでなく、なんだか気持ちまでジメジメしてくる。

 きっと、子供の頃からの知り合いの、農家のピーターおじさんもこの長雨で困ってるだろう。
 おじさん家の野菜、傷んでないといいなぁ。
 いや、多分高確率で傷んじゃってるだろうなぁ。
 下手すりゃ今年は、毎年恒例になってる採れたて野菜のお裾分けも、頂けないかも知れない。
 無念だ。おじさん家の野菜、どれも美味しいから大好きなのに。

 一番無念なのは、手塩にかけて育てた野菜を雨でやられちゃったおじさんと、そのご家族だろうけど。
 そういや、この間シアと一緒に植えた野菜の苗も、根腐れしちゃう可能性が出てきたな。こうなったらもういっその事、土をほじくり返してレスキューすべきだろうか……。
 つーか、他にも気がかりな事があるし、私まで憂鬱な気分になってきた。

 ついつい私も、ニーナに釣られるようにうんざりしながら頬杖ついて、はあぁ、とため息を吐き出すと、ティナとシアが気遣わし気に声をかけてくる。
「ちょっとアル、急にどうしたのよ?」
「お姉ちゃん、具合悪いの?」
「あー、いや、そういうんじゃないから、気にしないで……。ただ、ちょっと最近、気がかりな事が多くってさあ……」
「そう? 本当に? 具合が悪いんじゃないなら、いいけど……」
「ってか、あんま心配させないでよ。エドガー君の事だってあるんだしさ」
「うん……。そだね……。あいつ、大丈夫かな……。流石にちょっと、心配になってきたわ」
 まだ心配そうな様子のシアと、ちょっとだけ眉根を寄せたティナに、私もちょっと渋い顔をしながら答えた。
 ええそうなんです。
 なんか知らんけどエドガーの奴、自分の誕生日の翌日に風邪を引き、その挙句に高熱出したらしくて、もう丸5日学園を休んでるんです。
 誕生日の当日は、滅茶苦茶元気全開だったのに。
 その事こそ、今の私にとって一番気がかりな事なのだ。

 みんなから「おめでとう」と祝ってもらったその翌日に寝込むなんて、なんともツイてない男だ、ご愁傷様。
 ……なんて、最初は呑気に思ってたんだよ。
 だけど、エドガーが学園を休む日数が増えていくたび、何とも言えない不安感が、胸の奥からジワジワ湧いて出てくるようになってきた。

 そもそも、奴が風邪で倒れて寝込むなんて、知り合ってからの6年間、一度だってなかった事だ。
 いつでもどこでもどんな時でも、あいつは当たり前のように私の所へやって来て、私と一緒に、こっそり隠れてしょうもないバカをやっては、時たまそれがバレて周囲の人達から叱られたり、お小言を頂いたりしていた。
 でも、そのせいでどんだけこっぴどく叱られようが、あいつはお説教が終わった次の瞬間には、いつだってケロッとした顔をしていたし、挙句の果てには「次はバレねえようにやろうぜ」なんて、全く凝りてない発言までしていたものだ。
 そのくらい、あいつはいつもふてぶてしくて、ある意味逞しかった。
 それこそ、殺しても死ななさそうなくらいに。
 だってのに、風邪ごときでいつまでも寝込み過ぎだろ、お前。

「……そりゃ、風邪は万病の元って言うし、インフルってパターンも考えられるし、バカにできないのは分かってるけど……」
「? どうしたのアル。何か言った?」
「何でもない。ただの独り言。……その、そろそろディア様の許可取って、見舞いにでも行ってみようかなって」
「うん、そうね。それがいいんじゃない? ふふふっ。エドガー君、きっと喜ぶよ!」
「確かに! うんうん、それがいいって! 早く行ってきな! もう今日の放課後にでも!」
「ちょ、何なの急に」
 私が見舞いに行こうか、なんて口にした途端、めっちゃ目ぇキラキラさせ始めたんですが。このお2人さん。
 もしや、また恋愛脳的な思考に走っているのでは……。
 てか、放課後にでも、とか言われても困るんですよ。
 たとえそんな風には見えずとも、私は一応聖女の称号を得た人間で、その言動には、れっきとした社会的影響力がある。各方面へのアポもなく、友達ん家に突撃訪問なんて以ての外。
 特に、それが貴族様とか商売やってるお家となれば尚更だ。
 普通のお家でも結構ヤバい。
 実際、昔あったんだよ。
 私達が何の気なしに他所ん家に遊びに行ったせいで、大事になりかけた事が。


 12歳の時、私とシアはさっき話に出した農家のおじさん家に、ちょくちょく遊びに行っていた事がある。
 私もシアも、元は田舎生まれの田舎育ちな人間だ。
 長らく都会で生活しているうちに、どことなく土いじりが恋しくなってきていた。
 だが、だからと言って、簡単に土いじりができたかというと、当時はそうでもなかったのだ。
 なんせ、大聖堂の庭にある花壇は、まるっと全部ディア様の持ち物である。
 大切な教皇猊下の庭なので、当然、四季ごとに事細かな整備の計画を立て、綺麗に庭を整えている専属の庭師さんが何人もいる。そこに無理を言ってスペースを借りて、土いじりさせてもらう訳にはいかない。
 あの頃は私もシアも、今よりずっと神殿側に遠慮があったから、そんな風に考えていた。
 すると丁度そこに、ちょくちょく礼拝に来ていたおじさんが、土を触りに来てもいいよ、と声をかけてくれたのだ。

 だもんで、速攻ディア様にお願いして許可取って、有り難くおじさんのお言葉に甘えていた、のだが……。
 そしたらひと月しないうちに、「聖女様とあそこの家の長男が懇意にしている」、だとか、「婚姻の話が出ているんじゃないのか」、だとか、そういうアホみたいな噂が立ったのです。

 相手は貴族でも商家でもない、規模も小さめな、本当に普通の農家さんだったのに……ってか、おじさん家の一番上のお兄さん、当時もう20歳超えてた上に、既婚だったんですがね。
 聞いた話じゃ、奥さんとは死別してるって事らしかったが、当時お兄さんには奥さんとの間に儲けた、ちまこい3つ子ちゃんがいた。
 いやもう、この子達がまた、めったくそ元気のあり余ってる子達でねぇ……。
 もう再婚なんて考えてられないくらい、子供の世話でてんやわんやだったみたいだし(私達も時々子守を手伝った)、そもそも普通に考えて、貴族でも何でもない平民の家のお兄さんが、12のガキを相手にする訳なかろうよ。

 しかし、それでも根も葉もない噂が絶え間なく、雨後の筍みたいにニョキニョキ生えまくって、結果的にディア様や、農家のおじさん達を困らせる事になってしまったのだ。
 あの展開はディア様も想定外だったみたいで、特になにか注意される事もなかったし、噂の当事者になった農家のおじさん達も、みんな笑って許してくれたけど、ディア様もおじさんも、各方面から痛くもない腹を探られたり、つつかれまくったりして、相当火消しに苦労したんじゃないだろうか。
 今思い出しても、あれは本当に申し訳なかったと思う。

 上記の一件は、表立って騒がれてはいなくとも、やはり200年に一度の聖女降誕という話題は、特権階級や富裕層の間で、割とセンセーショナルに受け止められているようだと、改めて知る切っ掛けになった話でもあった。
 まあ、そんな事があったんで、今は大聖堂の庭の端っこの、目立たない場所をちょっとだけ借りて、ささやかな家庭菜園を楽しんでいるという訳だ。


「あのね。私は立場上、何の許可もなく、よそ様ん家にフラッと顔出したりできないんだってば。
 まずはディア様……教皇猊下に話通して、それからエドガーん家にアポ取んないといけないの。そういう、めんどくさい立場なの」
「えぇ~~。なにそれ、ホントめんどくさいじゃん」
「同感。聖女様って大変なのねぇ。色々嫌にならない? アルもシアもさ」
「それ言わないで。考えないようにしてるんだから」
「うん……。でもそのお陰で、私もお姉ちゃんも、毎日ご飯に困らない暮らしができてるんだし、このくらいは我慢しなくちゃ」

 ああ女神様! ちょっと困ったような顔で微笑むうちのシア、マジで天使過ぎるんですが!

◆◆◆

 学園から帰宅後、ディア様にお願いした「エドガーの見舞いに行きたい」というお願いは、思いの外すんなり通った。
 まさか、「分かりました。いいですよ」のお言葉だけで済むとは思ってなかったから、ちょっと拍子抜けしたのはここだけの話だ。
 おまけに話が進むのも大変早く、翌日の放課後には、『リアン家から申し込まれた、病状快復の祈念依頼に応える』という形で、私とシアは初めて、エドガーが世話になっている商家、リアン家にやって来ていた。
 黒髪黒目の人間は王都でも目立つし、神殿からここまでそれなりに距離もあるって事で、今日は馬車を使ってるけど。

 ……おおう。流石は王都で1、2を争う規模を持つ商家。ご自宅もめったくそデカいです。
 これぞまさしくザ・豪邸。下から見上げてると首痛くなりそう。
 ここのお屋敷、一体何階建てだよ。窓の数からして、3階以上なのは間違いなさそうだけど、なんか普通に、屋根裏部屋とかもありそうな感じがするわ、これ。
 護衛の人数人と一緒に、馬車に乗ったまま表門を通り抜け、敷地内に入ると、窓から見えるお庭がこれまた綺麗だった。
 あ。にゃんこのトピアリーがある。あっちにあるのは、わんこのトピアリーか? なんかちょっとファンシー。あれって一体誰の趣味だろう。

 階段状に設えられた花壇の花々も見応え抜群だ。
 全体的にシックで、落ち着きのある色味で纏められた大聖堂の庭と違い、こちらの庭は全体的に色鮮やかで、華やいだ印象を受ける。
 大聖堂の庭を日本庭園に例えるなら、こっちの庭は、ハウステ○ボスかディ○ニーランドって感じ。
 これで天気が晴れなら文句なしだったのに。
 ついつい窓から身を乗り出して、めっちゃ全力でキョロキョロしたくなるけど、私の中身はれっきとした大人の女。ここはじっと我慢の子です。

 やがて屋敷の玄関近くへ到着し、馬車を下りれば、すぐに家令の方とおぼしき、ダークグレイのスーツを着たナイスミドルさんがやってきて、玄関まで案内してくれた。
 でもって、でっかい玄関をくぐって屋敷に入った途端、今度は大勢の使用人さん達が、揃ってお辞儀をしながらお出迎えして下さる。
 私みたいな小市民には、若干圧すら感じるお出迎えだ。
 まるで、漫画かドラマを見てるみたいなこの世界観よ。

 ともあれ、挨拶に圧倒されているのを誤魔化しながら、こちらも丁寧にご挨拶。
 直後に通されたのは、これまたシンプルながらも広くて綺麗な応接室だった。
 どうやら、ご当主様のイヴェールさんとそのご家族は、仕事やその付き添いやらで家を空けていて、今は不在であるとの事。
 ただ、ご当主様だけは早めに仕事を切り上げ、商談先から戻る予定になっているので、それまで応接室でお待ち下さい、というお話だった。
 そういう事なら、ここは素直に帰宅を待たねばならないだろう。
 表向きには、ここのお家の方に呼ばれた体を装っているものの、実際には私達の方が、エドガーの見舞いに行きたいので時間作って下さい、とお願いした訳だからして。

 高熱ではなくなったらしいけど、まだ完全には熱が下がらず、臥せったままでいるというエドガーの様子が、気にならない訳じゃない。
 むしろ大いに気にかかるし、出来るならすぐに様子を見に行きたい。

 だけど残念ながら私には、どっかの素敵な小説に出てくる、清廉でキラキラした聖女様のように、他人の怪我や病を癒すような力はないのだ。
 シアが得手としている回復魔法も、病気には効力がないし。
 つまり、私達がどんだけ病床を見舞ったり祈ったりした所で、エドガーが治る事はないという事。
 ついでに言うなら、現状エドガーの容態が急変した訳でもない。
 だったらまずは地位ある客人として、屋敷の主人の顔を立てる事を優先しなければならないって訳だ。
 本当、地位や立場のある人間のお付き合いってのは、まだるっこしくて嫌になる。
 私もシアも、ただ病気の友達を心配して、顔を見たいと思ってるだけなのに。
 出されたお茶もお菓子も美味しいけれど、素直にその味に感動して喜ぶ気になれないのは、自分で思っている以上に、エドガーの事が気になるからだろう。
 地味にしんどい。

 内心でモダモダしながらも、お茶などに手を付けて大人しく待つ事、数十分。
 ようやく、ご当主様が戻って来たようだ。
「ようこそお出で下さいました。聖女アルエット様、聖女オルテンシア様。私がこのリアン家の現当主、イヴェール・リアンでございます。こちらからお招きするという形を取っておきながら、随分とお待たせしてしまい、大変申し訳ございません」
 こちらへ恭しく頭を下げ、丁寧な挨拶を述べて下さるご当主様は、銀髪に翠の目を持つ、とっても素敵なイケオジ様だった。
 つか、銀髪と翠の目って……。もしかしてこの人、元は貴族か何かだったのかな?
 どういう経緯で、今この人が平民として商家を営んでるのかは分からんけど、少なくとも、貴族の血が入っているのは間違いないだろう。
 100パーセント平民の血筋で、この髪と目の色は出ないはず。

 いやいや、そんな事は今はどうでもいい。さっさと立ち上がってこっちも挨拶を返さなければ。
 私がしっかりしてないと、私自身はともかく、シアや他のみんなにまで恥を掻かせてしまう……!
「丁寧なご挨拶、ありがとうございます。私が聖女アルエット、隣にいるのが妹の、聖女オルテンシアでございます。この度は、私共の我が儘を聞き届けて下さった上、このような温かいもてなしを頂けました事、感謝の念に堪えません」
 ちょっと声が固くなってしまったが、ここに来るまでの間に頑張って頭の中で捏ね回し、何度も練習してきた挨拶は、どうやらご当主様としても及第点だったようだ。
 含みのない、穏やかな笑顔を向けてくれる。

「ありがとうございます。こちらこそ、聖女様方より望外のご厚情を賜りました事、恐悦至極にございます」
 あー、でもなんかちょっと、視線に微笑まし気な色が混ざってる感じもするし、元々堅苦しい挨拶が苦手な事も、緊張してた事も全部バレバレだったみたいだ。
 流石、やり手の商人なだけはある。
 くっ、恥ずかしいぜ……。
「聖女様はとても正直で、真っ直ぐな気質をお持ちの方ですな」
 ひい! 見透かされてるぅ!
 腹芸が苦手な事までモロバレかよ! 
 やべー! 心臓バクバクしてきちゃったんですが!
 いかん、何か、何か言わんと!

「あ…い、いえ、とんでもないご評価です。いつまでも未熟で、お恥ずかしい限りでして」
「そうご謙遜なさらず。……殿下が想いを寄せられるのも、分かる気がしますね……」
「? あ、あの。今何か、仰いましたか……?」
 そして何言われたのか思くそ聞き逃したー!
 緊張し過ぎじゃん、私!
「いえ。愚生ぐせいの独り言にございますゆえ、どうかこのまま聞き流して頂ければ。
 ――さあ、こちらへどうぞ。殿下のお部屋までご案内致します。殿下の恩為に、祈りを捧げて下さいませ」
 ……どうやらなんとか、ご挨拶タイムは乗り切れたようだ。ちょっとだけホッとする。
 ってか、もうホントヤだよ~。こういう緊張感のある会話ぁ~。
 立場上、誰か助けてなんて言えないしぃ!
「は、はい。よろしくお願い致します。元より病に抗する力などない身ですが、せめて心から回復を祈念させて頂きます」
 私はこれから先、こういう精神的に厳しい会話がまた勃発しない事を腹の底から祈りつつ、室外へ出て行くご当主様の後に続いたのだった。
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