魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ

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第2章 王都で生きる

30話 え、乗ったの?

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さて、金は手に入れた…だが何で俺はこんな事を…救うだけならわざわざゴルデンキャプチャーをせずに金だけ渡せばいいだろ!
もう、いいか…金を用意できないと思ってる親父にも腹がたつしさっさと当てて帰ろう。そう思いカジノの扉をくぐる

「おい、持って来たぞ!」

「あん?ほんとに持って来たのか?」
しょんべんおじさんが疑惑の目を向けてくる。

「あぁ、後は俺がするからお前はどけ」

いざモンスターマシーン『キング』をプレイしようとすると俺の前に黒服の店員が立ちはだかる。

「お客様?せっかく来ていただきましたが当店お子様のご遊戯はご遠慮いただいているんですよ?」

は?今さら何言ってんだこいつ?
頭がハテナになっているところに黒服達のひそひそ声が耳に入って来た。

「なぁ?なんで店長せっかくのカモの遊戯止めるんだ?」

「あぁ、それはあの娘が持っている指輪が凄いものらしくてな?このままあのガキに遊戯させて時間かけるより、さっさと指輪が欲しいんだろ?」

なるほど…あの指輪すごいんだ?後で鑑定かけてみよ

「それじゃあ、仕方ないな…タキ!ちょっとこっち来い」
しょんべんおじさんと一緒に待っていたタキを呼び寄せる

「な、なんすか?」
おどおどしながらも俺のところまで来る。

「金は出すからなあの『キング』はお前が打て。これなら問題ないですよね?」

「は、はい。問題ありません……チッ」
小さく舌打ちをしたのバレバレですよ。

「え…俺がやるんすか…責任重大じゃないですか!!」

「あぁ、お前の手にあの家族の運命がかかってる……何としても当てろよ」
まぁ、100回あれば大丈夫だろ…え、大丈夫だよね?


スッと俺の耳に手を当ててタキが耳打ちする
「実は常連なんで知ってるんすけど、あのキングを当てた人今まで1人もいないっすよ…」

は?詐欺じゃん!

「は?なんで?」

「きっと神様が当たらないことを望んでるんじゃないっすか?」
おま、アホなの?疑うって事知らないの?

「さぁ、いつでもどうぞ?私どもは後ろで見ていますので」
店長がニヤニヤしながら遊戯を勧めて来る。

うぜぇ、助けてヒュプノス!

『ごめんなさいねぇ?ニュクスに怒られちゃったから私は何も出来ないの』

ニュクス…今だけ見逃して欲しかったよ。

『なんでじゃ!!』

え、なに?

『なんで、わしを呼ばんのじゃ!!』

はいはい、どうしたの?お爺ちゃん興奮したら血管いっちゃうよ?

『いや、待ってなんでそんな近所のお爺ちゃん的ポジションなのわし?』

だって…変身の時とかひどい目にあったし

『あれはお主の使い方じゃろ!』

すいませんでした、邪神様どうか哀れな自分めをお助けください。
これでいいかな?

『良くないわ!』

なに?どうして欲しいの?助けてくれるの!くれないの!

『いや、まぁ助けるが…お願いのしかたがのう…』

いいじゃん!結局助けるならお願いのしかたとかいいじゃん!

『むぅ…わかった…』

最初っからそう言っとけってんだ!
と言う言葉は心にしまい込んだ

『聞こえとるがな…』

「タキ、大丈夫だきっと神様は一発目から当たりに入れてくれるさ」

「そうっすかね…」

「お前はなにも考えなくていい、後は神様がどうにかしてくれる」

『神の扱い雑なやつじゃの…』

だって神は神でも邪神じゃん。

「わかりました…いくっすよ」

スマートボールよろしく、タキが大玉のゴールデンボールを弾く

タキがボールを弾くと同時に、店長の心の中は晴れやかだった

馬鹿がキングには絶対当たりに入らないように釘の設定を徹底してんだよ!
神がなんだって?ゼロなんだよ!入らない何が何でも!

『はぁ、一応手を貸してやるかの…』

コン、カッカ…コ…

「え、これっておかしくないっすか?」

「あぁ、おかしいな」

俺たちが目にしたのは当たり穴のちょうど上にある釘にボールが乗っかってるところだ。

「おい、店員」

「は、はい!」
まずい!何でこうなった!普通なら当たり穴の上にすら行かないはずだろ!

「これはどういう事?」

「申し訳ございません、釘の設定ミスをしていたようでございます。今すぐ設定し直しますのでその後もう一度チャレンジという事で」

釘を開けるのは想定外だがあんなミラクル2度は起きないはずだ、ここでこいつが了承すれば、まだ希望はある。

「わかった、さっさと済ましてくれ」

な、ば、馬鹿だこいつ一発目から当たり穴に入るところだったから舐めてるのか?ねぇよ一度あったから二度目があるとでも思ってんじゃねぇよ!そんなミラクル二度起こされてたまるか!

「それでは店長である私自ら釘調整をさせていただきます」

店長が台の表面にあるガラスを開けて釘をトンカチで広げている。

コンコン……コン

にしても釘の上に乗っかるって
当たる確率ゼロじゃん!店長、客舐めすぎだろ!





============

あ、どうも、ははは
ザ・書く意欲がたまにしか来ない人
つばきです。お久しぶりです
もう、お久しぶり毎話言ってますね
すいません
そろそろ世界観もちゃんと考えて新しい小説でも書こうかなって思ってます
この作品はもう勢いで書いちゃったんでかなり苦しいですw読んでたら分かっちゃいますよね。
こっちもたまに更新しますのでよろしくお願いします!



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