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第2章 王都で生きる

26話 モンスターマッシィーン

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「まぁ、名前の事はいい。どうやってこれやるんだ?」
台の前に備え付けられている椅子に腰掛ける。

「あぁ、それなら横のサンドに大銅貨1枚入れるごとに1回出来るぞ」
1回1000円くらいか。

「この金の価値は?」

「そのゴールデンボールは大銀貨1枚の価値だな」
おぉ、10万相当じゃないか。

「んで、穴に入る確率はどんなもんなんだ?」

「カクリツ?カクリツってなんだ?」
は?馬鹿か?

「確率は確率だろ?」

「なんなんだよそれ?」
あ~なるほど…この世界では確率論とかがまだ存在しないのか。

「え~っとだな…何回中何回穴に入るんだ?」

「ん?そんなの神様次第だろ?神に祈れ」
おいおい、頭がファンタジーか?
もう、いいか別に…

「お、おう、分かった」
とりあえず金ならあるから少しやってみるか


5回目
まぁ、これからだろ何と無くきんた…おっと…ゴールデンボールを何処らへんに飛ばしたらいいか掴めてきた気がする。


10回目
あー余裕余裕、あと少しで入る気がするうんうん
すると、隣でタキが打ち始めた。


15回目
あーイライラしてきた何これ?本当に入るのかよ?台叩きたくなってきたんだけど!!


20回目
は?なに?なんなの?隣のタキぶん殴りてぇ!なんか3回くらいで当たってんだけどきんた…ゴールデンボール手に持ってめっちゃドヤ顔なんだけど!くっそ!


50回目
ははは!持ってけ持ってけ!金は腐るほどあんだよ!この野郎!こうなったら当たるまで行くぞ!?


100回目
あの…何がいけないの?え?ギャンブルするなって事ですか?あぁ、そういう事か……
うなだれているとタキが肩をたたいてきた

「あの…その…なんて言うか…もうやめた方が?……」
こいつ…可哀想になって声かけて来やがった…やめてくれ、それ逆に悲しくなるから。

「あぁでも、ここまで来たら当たるまでいきたい」

「キョウエイは神様に祈ってるか?」
なにそれ?祈ると当たるの?それ心の問題じゃないの?

「祈れば当たるのかよ?」

「いや、まぁ俺は当たったな」

「分かったよ!祈ってやるよ!!神様仏様!どうか哀れな俺に当たりをくださいな!!」

コンコン…コココン…スポッ

は?まじ?

「ほら?当たったでしょ?」
いや、でもそんな偶然ある?
すると頭の中で声がした。

『ふふ…やっと祈ってくれたわね待ちくたびれちゃったわよ。』

えっと…この声は…ヒュプノスだったっけ?

『そうよ、ずっと見てたけど祈ってくれないから手が貸せないんだもの』

でも、確か眠りの神様だよな?どうやったんだ?

『金の玉をちょっと触っただけよ?そういうの得意なのふふふ』

ちょっと自分の股間がキュッとなったがとりあえず感謝しとこう。

ありがとうな?まぁ、もう頼るようなことはないと思うけど。

『ええ、本当は手なんて貸しちゃダメだったんだけど今回だけね……ニュクスに怒られちゃうかしら?』

そう言うとスッと声が消えて言った。

「おい!おい!なに惚けてんだ!!」
うるさいな。

「あ、あぁ、なんだ?」

「いや、いきなり固まったと思ったらぼーっとしてるからよ?声をかけても返事ないしやばいと思って声かけ続けてたんだよ」

「そう言う事かありがとう、心配しなくても大丈夫だ」

「ならいいけどよ」

出てきたゴールデンボールは換金するところがあるらしいのでタキと一緒に店内のカウンターで交換してもらった。

「うわぁぁぁ!いやだぁぁあぁ!こんなのはうそだぁあ!返せ!悪魔!俺の金返せぇええぇぇ!」

換金を終えると
随分と恐ろしい事を言っている中年のおっさんが泣き叫んでいる。

おっさんの目の前には俺が先ほど打っていた台とは大きさが違っていた。だいたい5倍ぐらいの大きさかな?

「なぁ?あの台はなんなんだ?」

「あぁ、あれは…キングだな…」
キング?

「なんだそれ?」

「キングは1回金貨1枚必要なモンスターマシーンだ」
まじかよ…1回100万…そんなのに手を出すなんてあのおっさん何してんだ…

「いやだぁあぁぁ!!あ、ぁあぁ………」
ん?なんだ?

いきなり静かになったので見つめているとそのおっさんの下に黄色い水たまりが出来上がっていた。

するとすかさずカジノのスタッフが駆け寄った

お?拭いてくれるのか?

「お客様?まだご遊戯をなさいますか?」
取って付けたような作り笑顔で続行するかどうかを聞いている

「で、でも…もおおおがねがぬぁい…」

「それでは、他のお客様のご迷惑になりますのでご退店お願いします」

「でも、でも…おがねが…」

「はい、お金が出来ましたらまたのご来店お待ちしております」

「やだ!いやだぁぁあ!このがねがないといぎでいげなぃぃ!」

スタッフはため息を吐くと奥に消えて言った。

どうするんだろな?



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更新ペース少しだけ上げていこうと思います。
ずっと更新してなくてすいません。
待ってくれていた方々には本当感謝でいっぱいです!!



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