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第3章辺境で生きる
1話ライラ
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ザシュ、キン
「最後!お~わり!」
「ウギァ!」
森の中に少女の声とモンスターの断末魔が響く。
「ふぅ、今日の分終わり!」
汗を手で拭い帰り支度をする
「ふ~んふーん」
いつも通り討伐したモンスターの報酬をもらいにギルドへと歩みを進めていた
「ライラちゃん?鼻歌なんか歌って偉くご機嫌じゃない?」
惣菜屋さんのおばちゃんが声をかけてきた。
「えへへ、今日はいつもより早く終わったからさ」
「そうかい、んじゃお昼の余り物だけどこれ持ってきな」
中にはコロッケとパンが入っていた
「わ~い!ありがとう!おばちゃん!」
「いいのよ、いつもライラちゃんには元気もらってるんだから」
「えへへ、元気なら有り余ってるからね!それじゃあ、ありがとうおばちゃん!また明日」
「あいよ~」
お昼を過ぎて時間も経ち
ギルド内には人があまりいない
皆、依頼をしている途中であろう
「おじさ~ん換金お願い!」
ライラの声がギルド内に響く
「ん~、あと5分…」
カウンターに足を乗せ顔に本を載せてうたた寝していた中年男が気怠げそうにそう言った。
「おじさん!起きてよ!もう!」
「なんだ、ライラかそんな急ぐことでもねぇだろ」
「仕事でしょ、ちゃんとしてよ!」
「あいあい、んでいつも通りゴブリン退治か?」
「うん、今日は7匹!」
「おぉ、最近張り切ってんな…ほら銀貨1枚と大銅貨2枚だ」
「ありがとう!おじさん、また明日」
「お~う、また明日~」
本を再び顔に乗せて掌をひらひらさせながら受付の中年は別れを告げてきた。
「ふ~んふーん」
借りている宿屋の自分の部屋へととスキップしながら帰宅
「ただいま~!今日はね!いつもより早く倒せるようになったの」
嬉しそうに窓際の椅子に座っている少年へ語りかける
「そろそろ、オークぐらいなら何とか倒せるかも知れないから明日からオークの狩場に行こうと思うの!」
少年へ語りかけるも返事は無い
「君が私の前に現れて2ヶ月か…」
----
2ヶ月前
「はぁ、はぁ、」
ガサガサ!
「ギャー!ギャー!」
「何でこんな所にあんな奴らが…相手できるわけないよ…」
「ヴォオ!」
森の中でライラは5体のオーガに追われていた
ザザ
「きゃっ!」
木の根に足を取られ転倒してしまう
「ヴァッヴァッヴァ」
ゴブリン達はライラが倒れたのを見て笑い声を上げながら近づいて来る。
「やだ…やだ!逃げなきゃ!…う…」
すぐに立ち上がり逃げようとするが
ゴブリンの投げた棍棒が背中にめり込む。
「グアッグゥア!」
「いや!いやぁ!!」
手足一本一本をオーガが地面へと押さえつける
「やめて…お願い…」
消え入りそうな声で懇願するも
ニタニタと笑顔を浮かべ続けるオーガ達
「グァ!ガァァ!」
鉄剣を持った他のオーガ達より
ひとまわり大きいリーダー格であろうオーガがライラを切り刻もうと近づいてくる。
ドスン、バキ
「!?」
何かが落ちてきた音にオーガ達が目をやる
「ガァァ?」
不思議そうに音がした方へオーガが声をやる
ズリ…ズリ…ガサガサ
「なに…なんなの…誰?…」
ライラの目に映ったのは両肩に剣と槍が刺さった少年が這いずりながら移動してる姿だ
「グガァアァァ!」
リーダー格のオーガがその少年に近づき剣と槍を引き抜く
ガン!ドン!
「ひどい…」
オーガは少年を蹴り飛ばし手にした槍と剣を見て嬉しそうにしている
木にぶつかりへたり込む少年
「死んじゃった…」
「ウガァ!ウガァ!」
剣と槍を手にし再びライラへと迫るオーガ
「もうやめて…助けて…」
「うぁ…あ?ぁあ?」
「え?生きてたの?」
木の根元でへたり込んでいた少年が何か言っている
「ガアァァアァ!」
少年を蹴り上げたオーガが
怒りの雄叫びをあげ少年へと走り出す。
ザンッ…ボト…
「ひっ…」
オーガの顔が怒りの形相を浮かべたまま転がり落ちている
「ああぁ…うへ、へへ」
突っ伏していた少年が笑い出した
「うああぁあぁぁ」
ボト、ボトボト…ボト
「きゃ!いや!」
ライラの手足を抑えていたオーガの顔が腹に落ちて転がっていく
「うあぁぁ…」
少年は目を閉じて静かになった
「う、う、ありがとう…ありがとう!私絶対君を助ける!」
----
「君の名前さえ知らないけど本当にありがとうね」
「今命があるのは君のおかげだから全部任せてね!回復するまで面倒見るからね!」
「ベットに移動する?」
返事は無い
そっと身体を抱え二つあるうち一つのベッドへ降ろす
「頑張ってもっと良い宿に引っ越そうね」
ちゅ
「これぐらいは良いよね…」
ほっぺにキスをし顔を赤らめながらそそくさと自分のベッドへ去っていく
======
あ、はい…
お久しぶりです
初めてこの作品の更新を見た方
どうも初めまして
クソ野郎です(^ω^)
この作品を続けるべきか
新しく書くべきか思考中です。
分かってます分かってますとも
つべこべ言わずさっさと書けやですよね。
はい、まったり頑張ります…
「最後!お~わり!」
「ウギァ!」
森の中に少女の声とモンスターの断末魔が響く。
「ふぅ、今日の分終わり!」
汗を手で拭い帰り支度をする
「ふ~んふーん」
いつも通り討伐したモンスターの報酬をもらいにギルドへと歩みを進めていた
「ライラちゃん?鼻歌なんか歌って偉くご機嫌じゃない?」
惣菜屋さんのおばちゃんが声をかけてきた。
「えへへ、今日はいつもより早く終わったからさ」
「そうかい、んじゃお昼の余り物だけどこれ持ってきな」
中にはコロッケとパンが入っていた
「わ~い!ありがとう!おばちゃん!」
「いいのよ、いつもライラちゃんには元気もらってるんだから」
「えへへ、元気なら有り余ってるからね!それじゃあ、ありがとうおばちゃん!また明日」
「あいよ~」
お昼を過ぎて時間も経ち
ギルド内には人があまりいない
皆、依頼をしている途中であろう
「おじさ~ん換金お願い!」
ライラの声がギルド内に響く
「ん~、あと5分…」
カウンターに足を乗せ顔に本を載せてうたた寝していた中年男が気怠げそうにそう言った。
「おじさん!起きてよ!もう!」
「なんだ、ライラかそんな急ぐことでもねぇだろ」
「仕事でしょ、ちゃんとしてよ!」
「あいあい、んでいつも通りゴブリン退治か?」
「うん、今日は7匹!」
「おぉ、最近張り切ってんな…ほら銀貨1枚と大銅貨2枚だ」
「ありがとう!おじさん、また明日」
「お~う、また明日~」
本を再び顔に乗せて掌をひらひらさせながら受付の中年は別れを告げてきた。
「ふ~んふーん」
借りている宿屋の自分の部屋へととスキップしながら帰宅
「ただいま~!今日はね!いつもより早く倒せるようになったの」
嬉しそうに窓際の椅子に座っている少年へ語りかける
「そろそろ、オークぐらいなら何とか倒せるかも知れないから明日からオークの狩場に行こうと思うの!」
少年へ語りかけるも返事は無い
「君が私の前に現れて2ヶ月か…」
----
2ヶ月前
「はぁ、はぁ、」
ガサガサ!
「ギャー!ギャー!」
「何でこんな所にあんな奴らが…相手できるわけないよ…」
「ヴォオ!」
森の中でライラは5体のオーガに追われていた
ザザ
「きゃっ!」
木の根に足を取られ転倒してしまう
「ヴァッヴァッヴァ」
ゴブリン達はライラが倒れたのを見て笑い声を上げながら近づいて来る。
「やだ…やだ!逃げなきゃ!…う…」
すぐに立ち上がり逃げようとするが
ゴブリンの投げた棍棒が背中にめり込む。
「グアッグゥア!」
「いや!いやぁ!!」
手足一本一本をオーガが地面へと押さえつける
「やめて…お願い…」
消え入りそうな声で懇願するも
ニタニタと笑顔を浮かべ続けるオーガ達
「グァ!ガァァ!」
鉄剣を持った他のオーガ達より
ひとまわり大きいリーダー格であろうオーガがライラを切り刻もうと近づいてくる。
ドスン、バキ
「!?」
何かが落ちてきた音にオーガ達が目をやる
「ガァァ?」
不思議そうに音がした方へオーガが声をやる
ズリ…ズリ…ガサガサ
「なに…なんなの…誰?…」
ライラの目に映ったのは両肩に剣と槍が刺さった少年が這いずりながら移動してる姿だ
「グガァアァァ!」
リーダー格のオーガがその少年に近づき剣と槍を引き抜く
ガン!ドン!
「ひどい…」
オーガは少年を蹴り飛ばし手にした槍と剣を見て嬉しそうにしている
木にぶつかりへたり込む少年
「死んじゃった…」
「ウガァ!ウガァ!」
剣と槍を手にし再びライラへと迫るオーガ
「もうやめて…助けて…」
「うぁ…あ?ぁあ?」
「え?生きてたの?」
木の根元でへたり込んでいた少年が何か言っている
「ガアァァアァ!」
少年を蹴り上げたオーガが
怒りの雄叫びをあげ少年へと走り出す。
ザンッ…ボト…
「ひっ…」
オーガの顔が怒りの形相を浮かべたまま転がり落ちている
「ああぁ…うへ、へへ」
突っ伏していた少年が笑い出した
「うああぁあぁぁ」
ボト、ボトボト…ボト
「きゃ!いや!」
ライラの手足を抑えていたオーガの顔が腹に落ちて転がっていく
「うあぁぁ…」
少年は目を閉じて静かになった
「う、う、ありがとう…ありがとう!私絶対君を助ける!」
----
「君の名前さえ知らないけど本当にありがとうね」
「今命があるのは君のおかげだから全部任せてね!回復するまで面倒見るからね!」
「ベットに移動する?」
返事は無い
そっと身体を抱え二つあるうち一つのベッドへ降ろす
「頑張ってもっと良い宿に引っ越そうね」
ちゅ
「これぐらいは良いよね…」
ほっぺにキスをし顔を赤らめながらそそくさと自分のベッドへ去っていく
======
あ、はい…
お久しぶりです
初めてこの作品の更新を見た方
どうも初めまして
クソ野郎です(^ω^)
この作品を続けるべきか
新しく書くべきか思考中です。
分かってます分かってますとも
つべこべ言わずさっさと書けやですよね。
はい、まったり頑張ります…
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