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第2章 王都で生きる
13話 進化の弓
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「準備はいいかー?」
「うむ! いつでも良いぞ! 」
紅には50メートルほど離れてもらった
「それじゃ、弓を出してと」
アイテムボックスから進化の弓を出す。
『何をするの? 』
早速喋りかけてきた
「今日はお前の性能検査だな」
『けんさってなに? 』
「ようは、実力を見てみようって訳だ」
『そっか、わかった! 』
「何一人で喋ってんの~? 」
リカが目の前でパタパタしている
「リカには聞こえないのかもしれないがこの弓は喋れるんだぞ」
「えーほんとに~? 」
「触ってみればわかるさ、ほら」
弓をリカへと近付け触らせる
『よ、よろしくです……』
「わぁ! 声がする! 」
「だろ?」
「お~い! 何しとるんじゃ? 」
紅が鱗を持った状態で手を振っている。
「あー悪い悪い、今やるから」
「ならいいが……」
そう言うと自分の頭上に鱗を構えた。
なるほど、頭上なら弓矢が下に行かない限り紅に当たることはないだろう。
「じゃあまずは、来る途中に買っておいた普通の弓矢で」
弓に矢をつがえて弦を力一杯引っ張り離した。
すると矢は紅の手前10メートル付近の地面に刺さった。
「うわ~キョウへたっぴ~」
な! そんな事分かってるもん!
「なんじゃ? しっかり狙わんか、なんならわしが近付いてやろうか? ふふん」
馬鹿にしてくる紅に少々腹がたつ。
「いらん! すぐ次の射るからそのままでいろ! 」
「まぁいいじゃろう」
余裕づらがイラつく、さっきまでビビってた癖に……
もう1度さっきの要領で少し上を狙って射ってみる。
今度は、紅の足元の地面に突き刺さった。
「ひっ! ち、ちゃんと狙わんか! 当たったらどうしてくれるんじゃ! いや、けして怖いわけではないぞ! だが、わしには当てるなよ! 」
慌てふためいてる動きはちょっと愛らしかった。
「あーうん、気をつけるよ」
んー弓って初めてだからな~どうすればうまくいくんだろ?
『あの……』
「ん? どうした? 」
『僕の言う通りに弓を射ってくれればいい、その…当たると…思う…』
なに! そいつはありがたいな!
「それじゃあ、頼む」
『うん! さっきと同じ様に射る体勢を作って』
「了解」
市販の矢をつがえて弦を引っ張る。
『そこから、もっと上狙って』
「ここか? 」
『そうそう! そこから、横風も計算してもう少し右向けて、さらにもっと弦を引っ張って』
なるほど、プロのコーチが付いているみたいな感じで射る事が出来るんだな。
『はい! 離して! 』
弦を離すと矢は綺麗な小山を描いてテツの母さんの鱗に当たり、金属音がした。
流石ホワイトドラゴン鱗だな市販の矢なんかじゃ刺さりもしないか……
「すごーい! 当たったよ! ねぇ! どうやったの! 」
「それは、この弓がだな俺に指示を出してくれたんだ」
「へぇ、すごいお利口さんなんだね」
リカが弓にナデナデしている、俺にもして下さい!
『えへへ、ありがとう』
弓のやつも照れてやがるだと!
「キョウよ! わしはもう戻ってもいいのか? 」
「まだ、試したい事あるからそのままで」
「だが、その、この体勢なかなかキツいんじゃが……」
「普段グータラしてるからだ、筋トレだと思って耐えろ」
「ぐぅ、わかったわい……」
腕がプルプルしている、早く楽にしてやろう。
「今、物騒な事考えなかったか! 」
「ハハ、そんな訳ないだろ! 安心してくれ」
満面の笑みで
「え、笑顔が怖いのう……」
さて、後は【弓矢生成】がどんなものかの検査だが、その前に
「進化の弓くん君に名前をつけたいと思う」
『え! 僕に? 』
「あぁ、リカはどんなのがいいと思う? 」
頭を抱えて考え出した
「ん~リカはね~……ゆみちゃん」
安直か!
「いや、もう少し捻ろうな? 」
「え~じゃあ、キョウは何か考えたの? 」
俺か? ふっふっふ、教えてやろう俺の超絶カッコうぃぃい名前を…ごめんなさいやっぱりあんまり期待しないで下さい……
「おっほん、フェイルくんだ! 」
「…………」
え、え、ちょ反応無さすぎ!待って待って! だって結構有名な弓から取ってきた方がカッコいいと思ったんだもん!
「え、ダメだっ…た? 」
やばい、泣きそう
「なんでくんなの? 」
え?そこ!
「だって、僕って言ってるし弓に性別とか無くない? 」
『そ、そうですね別に性別とかはありません……』
「えーでもなんか、フェイルくんって変な感じだよーあたしはゆみちゃんが良い! 」
「なら、フェイルに聞いてみよう」
『え、僕ですか! 』
「うん、それがいいよ! 」
『えっと、じゃあ……好きに呼んで下さい! 』
うーん、まぁそれでもいいか
「じゃあ、あたしはゆみちゃんね」
「俺はフェイルだな」
よしよし、これで良いだろうスッキリした。
でも、なんか忘れてる気が…
「キョウーー、わしの腕はもう限界じゃ~はようしてくれ……」
あ! そうだった!
「な! 貴様! 今、忘れてたって顔をしたな! この悪魔め! 」
「悪い悪い今からやるからちょっと待ってな」
「く、まだ待たせるとは……本当に人間か貴様……」
さて、紅の腕の為にさっさと始めるか。
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「うむ! いつでも良いぞ! 」
紅には50メートルほど離れてもらった
「それじゃ、弓を出してと」
アイテムボックスから進化の弓を出す。
『何をするの? 』
早速喋りかけてきた
「今日はお前の性能検査だな」
『けんさってなに? 』
「ようは、実力を見てみようって訳だ」
『そっか、わかった! 』
「何一人で喋ってんの~? 」
リカが目の前でパタパタしている
「リカには聞こえないのかもしれないがこの弓は喋れるんだぞ」
「えーほんとに~? 」
「触ってみればわかるさ、ほら」
弓をリカへと近付け触らせる
『よ、よろしくです……』
「わぁ! 声がする! 」
「だろ?」
「お~い! 何しとるんじゃ? 」
紅が鱗を持った状態で手を振っている。
「あー悪い悪い、今やるから」
「ならいいが……」
そう言うと自分の頭上に鱗を構えた。
なるほど、頭上なら弓矢が下に行かない限り紅に当たることはないだろう。
「じゃあまずは、来る途中に買っておいた普通の弓矢で」
弓に矢をつがえて弦を力一杯引っ張り離した。
すると矢は紅の手前10メートル付近の地面に刺さった。
「うわ~キョウへたっぴ~」
な! そんな事分かってるもん!
「なんじゃ? しっかり狙わんか、なんならわしが近付いてやろうか? ふふん」
馬鹿にしてくる紅に少々腹がたつ。
「いらん! すぐ次の射るからそのままでいろ! 」
「まぁいいじゃろう」
余裕づらがイラつく、さっきまでビビってた癖に……
もう1度さっきの要領で少し上を狙って射ってみる。
今度は、紅の足元の地面に突き刺さった。
「ひっ! ち、ちゃんと狙わんか! 当たったらどうしてくれるんじゃ! いや、けして怖いわけではないぞ! だが、わしには当てるなよ! 」
慌てふためいてる動きはちょっと愛らしかった。
「あーうん、気をつけるよ」
んー弓って初めてだからな~どうすればうまくいくんだろ?
『あの……』
「ん? どうした? 」
『僕の言う通りに弓を射ってくれればいい、その…当たると…思う…』
なに! そいつはありがたいな!
「それじゃあ、頼む」
『うん! さっきと同じ様に射る体勢を作って』
「了解」
市販の矢をつがえて弦を引っ張る。
『そこから、もっと上狙って』
「ここか? 」
『そうそう! そこから、横風も計算してもう少し右向けて、さらにもっと弦を引っ張って』
なるほど、プロのコーチが付いているみたいな感じで射る事が出来るんだな。
『はい! 離して! 』
弦を離すと矢は綺麗な小山を描いてテツの母さんの鱗に当たり、金属音がした。
流石ホワイトドラゴン鱗だな市販の矢なんかじゃ刺さりもしないか……
「すごーい! 当たったよ! ねぇ! どうやったの! 」
「それは、この弓がだな俺に指示を出してくれたんだ」
「へぇ、すごいお利口さんなんだね」
リカが弓にナデナデしている、俺にもして下さい!
『えへへ、ありがとう』
弓のやつも照れてやがるだと!
「キョウよ! わしはもう戻ってもいいのか? 」
「まだ、試したい事あるからそのままで」
「だが、その、この体勢なかなかキツいんじゃが……」
「普段グータラしてるからだ、筋トレだと思って耐えろ」
「ぐぅ、わかったわい……」
腕がプルプルしている、早く楽にしてやろう。
「今、物騒な事考えなかったか! 」
「ハハ、そんな訳ないだろ! 安心してくれ」
満面の笑みで
「え、笑顔が怖いのう……」
さて、後は【弓矢生成】がどんなものかの検査だが、その前に
「進化の弓くん君に名前をつけたいと思う」
『え! 僕に? 』
「あぁ、リカはどんなのがいいと思う? 」
頭を抱えて考え出した
「ん~リカはね~……ゆみちゃん」
安直か!
「いや、もう少し捻ろうな? 」
「え~じゃあ、キョウは何か考えたの? 」
俺か? ふっふっふ、教えてやろう俺の超絶カッコうぃぃい名前を…ごめんなさいやっぱりあんまり期待しないで下さい……
「おっほん、フェイルくんだ! 」
「…………」
え、え、ちょ反応無さすぎ!待って待って! だって結構有名な弓から取ってきた方がカッコいいと思ったんだもん!
「え、ダメだっ…た? 」
やばい、泣きそう
「なんでくんなの? 」
え?そこ!
「だって、僕って言ってるし弓に性別とか無くない? 」
『そ、そうですね別に性別とかはありません……』
「えーでもなんか、フェイルくんって変な感じだよーあたしはゆみちゃんが良い! 」
「なら、フェイルに聞いてみよう」
『え、僕ですか! 』
「うん、それがいいよ! 」
『えっと、じゃあ……好きに呼んで下さい! 』
うーん、まぁそれでもいいか
「じゃあ、あたしはゆみちゃんね」
「俺はフェイルだな」
よしよし、これで良いだろうスッキリした。
でも、なんか忘れてる気が…
「キョウーー、わしの腕はもう限界じゃ~はようしてくれ……」
あ! そうだった!
「な! 貴様! 今、忘れてたって顔をしたな! この悪魔め! 」
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