魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ

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第1章 魔境で生きる

35話 ルイーダ姉さん

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俺は絡まれている中、ルイーダの方を見てみたするとウインクが飛んでくる
おわ!うう、寒気がする…
多分、自分でなんとかしろって事だろう……いや!それ以外にない!うん絶対そうだ、他に意味があるなんてことは無いはずだ!
もう一度ルイーダを見てみる、今度はウインクと投げキッスまでもが飛んできた……
うん、俺は何も見なかった

「おいおい?どうした?チビッちまったのか?」
どちらかと言うとルイーダさんにチビりそうです

「へへ、きっとボールドさんの威圧にやられちまったんですよ!」
いや、全くそんなことはない

「それもそうだな、俺ぐらいになると威圧でチビらせるのも楽勝だからな」
いや、出来てないから

「おい、ガキ!さっさと出せ!ボールドさんにぶちのめされたくはないだろ」
こっちがぶちのめす方なんだけどな、ふと2階に目を向けるとゲイゴルグがこっちを見ていた、ニヤニヤしている

「はぁ~」

「おい!何ため息ついてんだ!クソガキ!!」
ボールドの拳が俺の頬にめり込んだ、そのままぶっ飛ばされて受付カウンターにぶつかる

ドン!!

うたた寝していたおばちゃんがビクッと身体をふるわせて起きた
居眠りの邪魔をされたからか、すごい形相でこっちを睨んできている
ごめんなさい…

「キョウちゃん大丈夫??あんた達!やり過ぎよ!そんぐらいにしときな!」
怪我の方より、早くもキョウちゃん呼びになっている方が気になる…

「うるせー!!!女言葉で喋ってんじゃねぇよ!このバケモンが!気持ち悪いんだよ!」
ブフォ!バケモン!ボールド、やばいだろそれは、的を射すぎてる!

「キョウちゃんー?どうしたのかなー?」
ルイーダが冷たい目線を向けてくる

「あ、いえ、なんでもないであります、はい」

「そ、なら良かった」
いったい何が良かったのか、考えないでおこう

「あんた達も、もう中堅ぐらいの実力があるんだからそろそろ、新人狩りなんてやめなさいよ」

「うっせぇんだよ!バケモン!そんなゴツい格好で化粧しやがって!身の程を知れってんだよ!!見てるだけで吐き気がするぜ!」
お、おい、ボールドさすがにそれは言い過ぎだろ……

「てめぇ!誰がバケモノだ!ごら!俺の触れちゃいけない部分に触れちまったな!ぶちのめす!」
ルイーダは受付カウンターから出てボールド達の方へ歩き出した

こえぇ!ルイーダさん口調が男に戻ってますよ~

「や、やべぇ!ダンストンが切れた!」
あ、やっぱりルイーダ呼びじゃないんだ…

「てめぇら!表出ろ!」
そう言うとルイーダは2人の襟首を掴んで外へ出て行った

「ひぃいぃ!助けてくれ~!」
「お、俺は関係ない!このハゲが勝手に言ったんだ!」
「て、てめ!ニップ!ふざけんな!」

「黙れ!連帯責任に決まってんだろうが!」

「「いやだ~!!」」


ルイーダは2分ほどで帰ってきた
あいつら、カップラーメン1つも作れずに終わるとは50本の指に入るって話は嘘だったのか?

「ごめんね、キョウちゃん、獲物を横取りして」
返り血を浴びた手を頬に当ててそんな事を言ってきた

「い、いや、いいんだ、ルイーダ姉さん強いんだね…」

「あら、姉さんだなんて恥ずかしいじゃない!」
バンッ!とケツを叩かれた…
け、ケツが!ヒリヒリする!どんだけ強く叩いたんだよ!俺じゃなかったらどうなってたかと思うと恐怖だぞ!

「まぁ、あたしも昔は冒険者をしていてね、Aランクまで上がった所で本当の自分に気付いて今の職についたってわけよ」
え!Aランク!それって最高ランクの1つ下じゃないか!
この瞬間、俺はルイーダさんを怒らせないでおこうと心に刻んだ


ゲイゴルグが2階から俺のところに戻ってきた

「相変わらずじゃな、ダンストン」

「ふふ、お久しぶりです」
ん?2人は知り合いなのか?

「2人はどういった関係で?」

「ふふ、私達はただならぬ関係なのよ」
な!なにーー!嘘だろ!ゲイってあだ名だからってそれは無いと思ってたが、そっち系だったのか!

「やめんか!わしとこやつは冒険者時代に知り合っての、パーティーも組んだことがあるが、そんな関係は無い」
あぁ、安心した
ゲイゴルグも、元冒険者だったんだな

「ちなみに、こやつは結婚しておる、ほれわしを2階に案内してくれたあのお嬢さんとじゃ」

「え、まじすか」
ルイーダの方を見る

「うふふ、そうよ、あの子はあたしのお嫁さん」
まじか、なんでこんなクリ○松村似の人とあんな美人が
美人さんは茶髪のロングヘアーで瞳も茶色い、スタイルも良くモデル体型だ

「ルイーダさん、俺ルイーダさんの事勘違いしてました…」

「あら、あたしは男もいけるわよ?」

「ふぇ?」

「ふふ、だからキョウちゃん安心してね」
なにも安心できない、恐怖しか感じない



俺とゲイゴルグはギルドを後にして、領主宅に戻っていた

「まさか、ルイーダさんがバイだとは、しかもあんな美人さんとくそ!羨ましい!」

「ま、まぁ、ダンストンは特殊じゃからのう、ところでバイとはなんじゃ?」
あんなのが沢山いたら恐ろしくて出歩けないわ!

「知らなくていいことだ…」

「そ、そうか、わかった」

領主宅に着くとゲイゴルグはすぐに領主様のところへ報告をしに行った

俺は待合室でグリン、グランと共に待機だ

「イズミさん、殴られたのに傷1つないなんて凄いですね」
「凄い…」
ゲイゴルグ達には俺の名前を伝えておいた

「あぁ、強力な耐性を持っているからな」

「すげぇ!ぱねぇっす!」
「さすがはイズミさん…」
いつの間にこんなに尊敬されるようになったんだ…


そんな話をしていると
ゲイゴルグが領主との話から戻ってきた

「キョウエイ、話がある」

「あぁ?なんだ?」
なんの話かな?




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