魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ

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第1章 魔境で生きる

29話 異常発生

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騒がしい奴らが消えて、3ヶ月が過ぎた

なんだか、最近、魔境内の魔素濃度が高くなってきている気がする
魔素の濃度が高くなるにつれて、魔境内にいる魔獣達も強くなっていっている


「なぁ…ヒロキ、最近ここ変だよな?」

「んぁ?確かに、魔獣達の気性が荒くなってる気がするな」

俺達は魔獣を倒しまくっているので、魔獣達はあまり近付かなくなっていたんだが、最近は目を血走らせて襲ってくる

「それに、統率がとれてる気がするんだよなぁ……」

「気になるか?」

「そりゃあ、俺たちの暮らしてる場所だしな」

「じゃあ、調べに行ってみるか?」

「そうだな、やる事もないし…行くか!」



今、俺とヒロキで魔境内を探索中だ
テツとリカは俺が鬼ごっこと言う遊びを教えてやったらここ最近そればかりしている、テツの身体がまた大きくなったので危ない気もするが…まぁ、大丈夫だろう

「お、いたいた」
早速、狼型の魔獣を発見した

「うーん、やっぱりおかしくないか?」
ヒロキが俺に聞いてきた

「何がだ?」

「ネグロウルフ達はいつも3,4匹のグループで動くだろ?だが、目の前の奴らは10匹はいるぞ?」

ふむ、言われてみれば、かなりおかしい気がする
それに、いつもなら獲物を探してウロウロと動くはずなんだが、今のこいつらはある場所に向かってるようなそんな気がする

「そうだな…ここは、こいつらの様子を見ながら後をつけてみないか?」

「あぁ、その方が良さそうだな」

俺とヒロキは木の上を移動しながら、ネグロウルフの後をつけた

「ん?あれは…」
少し離れた場所にまたもネグロウルフのグループが現れた

「今度のは20匹はいそうだな…少し離れよう」
ヒロキの指示に従い距離をとる

ネグロウルフ達のグループがもう1つ現れ、戦闘になるかと思いきや合流して同じ方向に向かいだした

「これは、いよいよきな臭くなってきたな、」

さらに、後を追っているとネグロウルフ達の規模は100匹を超えていった


前方の魔素濃度が高くなってきた、そろそろ到着か?

視界いっぱいに黒い何かが蠢いていた、この魔境に存在する魔獣達だった

俺は空を飛んで全体を見てみた

「おわ!これは、異常事態だろ!」

空から見降ろしてみると、魔境の中に穴が空いたようになっている魔獣達がいる所だけ木々が無くなっていた
よく見ると、狼型だけじゃなく、熊型に猿型もいる

範囲にして10キロはあるだろうか…


「ヒロキ……これは、かなりまずい事になった…」
空からヒロキの所に戻る

「あぁ、ここからでもわかったよ…」

「今日のところは帰って作戦会議にしよう」

「わかった」


一馬を呼んで、いち早く家に帰った

「俺たちが突っ込んでいっても数に押されて潰されるだろうな…」

「あぁ、そうなるだろうな、あの規模だとジェネラル…いやキングもいるはずだ」

ジェネラル?キング?初めて聞くな?

「ジェネラル?キング?なんだそれ?」

「キングってのは、その名の通りあいつらを束ねている王様だ尋常じゃない強さだろうな…ジェネラルはキングの部下みたいなもんだな戦う時はジェネラルが前線に出てくるだろうな」

「もろ軍隊だな…」

「あぁ、戦争を起こせる規模だ」

もう嫌だ…考えたくない

「とりあえず、明日から動き出すとしよう」
外側から少しずつ戦力を削る事になった




「はぁ、憂鬱だ…あの数をなんとかするとなると何ヶ月かかることやら」

俺たちは朝一から早速、昨日の場所に向かっている、テツ達もしっかり一緒だ戦力は多い方がいい

魔境の中をうなだれながら歩いていると人の気配を感知した、かなりの規模だ

魔獣に引き続き、今度は人かよどうなってんだ!

「ん?…ま、魔人だぁあぁぁ!」
鎧を着た軍人的な奴が出てきた

あ~はいはい、お約束

声を聞きつけてか、わらわらと人が出てくる、あっと言う間に俺たちは囲まれてしまった

「どけ!!わしが出る!」

なんか、隊長的な奴が出てきた

「あの~、俺たちは魔人じゃないんだが?」

「問答無用!」

は!?待て待て!

隊長さんは剣を抜くと俺に斬りかかってきた

「ちょっ!やめろって!」

「うるさいぞ!魔人が!」
聞く耳持たぬとはまさにこれだな…

俺は水魔法を隊長さんにぶっかける

バシャーーン!!

「な!魔法が使えるのか!珍しいな!」

頭を冷やして欲しくてぶっかけてみたが、効果なしだな…

「死ね!」

「イッテ!」
隊長さんの剣撃が俺を斬り……さかない…斬撃耐性あったんだった

「あの…隊長…言葉も魔法も使えますし、魔人ではないのでは?」
おぉ!常識人がこんな所にいたんだな!

「む?確かに、その通りだな?では貴様は何者だ!」

やっと話を聞く気になったか…こんなのが隊長で大丈夫なんだろうか?

「俺たちはここに住んでる人間だ!最近魔境内の様子がおかしいから探索していたんだ!」

「ふむ、魔境に住んでるとはしんじかたい 事実じゃな…」

「それでも、事実なんだからしょうがない、ところでお前らはこんな所で何をしてるんだ?」
気になっていたことを聞いてみる

「ん?わし達か?魔獣が異常発生していると聞いてな、討伐しに来たのじゃ」

討伐か、ここにいる奴らはだいたい、1000人ほどだろうか?

「お前ら、魔獣の規模分かってるのか?」

「いや、分かっておらん、だがこれだけいれば大丈夫だろう?」

あ~まぁ、普通ならそう思うよな?

「言っとくが全然足りないぞ?先日魔獣どもを見てみたんだが、1万はいる」

「はぁ?おぬしは何を言っとるんじゃ?本当にその規模ならキングが2体はいるぞ?」

「まぁ、疑うなら先に進むといい、全滅するだろうがな」

「うーむ、ではいったん領主様に報告に戻るとする!おぬし達もついてきてくれぬか!」

ついてきてくれか…ヒロキはここから出ることが出来ないらしいからな、ヒロキと一馬は置いていくことにした

「分かった、俺とテツが付いていく」
リカも連れて行くが説明しなくていいだろ、どうせ見えないし

「きゅ~(いく~)」

「なに!ドラゴンではないか!皆の者剣を抜け!」
出たお約束

「おい!やめろ!俺の仲間だぞ!」

「何を言っておる!ドラゴンじゃぞ!」

「あぁ、そうだ…」

「おぬしら、ぶっ飛んでおるにも程があるじゃろ」
自分でもそう思う



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感想、お気に入りありがとうございます!
そろそろ人里に行きたいと思います!


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