魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ

文字の大きさ
上 下
16 / 91
第1章 魔境で生きる

14話 妖精

しおりを挟む
さらに半年が過ぎて、俺は8歳になっていた
誕生日はヒロキによって盛大に祝われた、兎の肉と鳥の肉を使って、豪華な食事だ

ヒロキはどこか遠い目をしていたが気にしないでおこう

鳥の肉はテツのおかげで手に入れられるようになった

ん?ヒロキの誕生日は?って?
もちろん祝ったよ
ヒロキを担いで空を飛んでみたりした

「おぉ~!!すげー!俺飛んでるぞ!なぁなぁ!」

「お、おい、そんなに騒ぐと……あ!」

ツルッ……ズドーン!

あまりに興奮するから、手が滑って
落っことしてしまった、腰まで地面に埋まっていたが、身体は無傷だ

「おい、抜けれない…引っ張ってくれ」

「あはは、あぁ、任せとけ…そら!」

ヒロキの手を持って引き上げる

ズボッ!

ズボンが埋まったままで、ヒロキはパンイチになった!

「ははは!ひ~!あんまり笑わせるなよ!」

「お、おい、取るの手伝ってくれよ」

慌ててズボンを引き抜こうとしている姿がさらに笑える
そんなわけでヒロキの誕生日も楽しく祝わせてもらった

今日もいつも通り、薬草、果実、魔獣なんかを狩って、家に帰ってきた
休憩のため、いつも薪を割るのに使っている丸太の上に腰掛ける

「う~!潰れる!潰れるってば~!」

お尻の下で何かが聞こえてくる
丸太からどいてみると…手のひらサイズの人間がそこにいた、背中に羽まで生えている

「も~、お昼寝してたら、ひどい目にあったよ~」

な、なんだ!こいつは?

「お、お前?なんなんだ?」

「も~!いきなり失礼な奴だな~…私は妖精のリカエラだよ~」

妖精…この世界は妖精までいるのか…

「それにしても、あたしの事見えるの?普通の人は声しか聞こえないはずなんだけどな~?」

ん?確かに少しボヤけてるな……
そうか!魔眼か!右眼を瞑って左眼だけで見てみる

うん、はっきり見える

「あぁ、はっきり見えるぞ」

「へぇ~すごいね~、じゃあさ、じゃあさ他の妖精達も見えるのかな?」

「ん~多分見えると思うぞ?」

「ほんとほんと!じゃあ、ちょっとついて来てよ!」

そう言ってリカエラは羽を使って飛ぶと、こっちに来いと手招きしてくる

「ちょうど休憩していたところだし問題ないな」

テツはお昼寝中なので置いていくことにしてリカエラの後をついて行く

「こっちこっち!早く~」
リカエラが急かしてくる

「わかったから、そんなに急かすな」

家を離れて10分ほどするとリカエラが
ここだよ~と言ってきた、次の瞬間リカエラの姿が消えた

!?何が起きたんだ?

「お、おい?どこに行ったんだ?」

すると、ひょこっとまたリカエラが現れた

「ごめん、ごめん、ここにある木と木の間を通って」

「わかった」
指定された木と木の間を通り抜ける
すると、大きな湖が目の前に現れた

その湖の上を妖精達が飛び回っている
空中で踊っているもの、昼寝をしているもの、様々な妖精が自由気ままに生活している

「どうどう?良いところでしょ~」

「そうだな、楽しそうなところだ」

リカエラはそうでしょ~と自慢気だ
他の妖精達も俺の事に気付き、なになに~?わ~!人間だ~と俺の周りにわらわらと寄ってくる

どこから来たの?何しに来たの?どうして左のお目目が赤いの?など一斉に質問がとんでくる

「な、お、おい!一斉に喋りかけてくるな」
と慌てふためいていると

「うふふ、珍しいお客さんだこと」

綺麗な声が俺の耳にとどいた、声のする方に顔を向けると、白く透き通るような肌に青い髪、顔を見るとまるで人形のように整った顔立ちの女性がそこにいた



============================


24hランキング6位!
絶賛場違い中です!
それでも、更新し続けます(笑)


しおりを挟む
感想 123

あなたにおすすめの小説

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。

木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。 彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。 こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。 だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。 そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。 そんな私に、解放される日がやって来た。 それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。 全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。 私は、自由を得たのである。 その自由を謳歌しながら、私は思っていた。 悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。

『伯爵令嬢 爆死する』

三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。 その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。 カクヨムでも公開しています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

処理中です...