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第1章 魔境で生きる

10話 ドラゴン

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「な!なんだ!」

声のする方、上空へ顔をあげるとそこには一軒家ほどありそうなサイズの白いドラゴンがいた

「デカすぎだろ、サイズが違いすぎるだろ…」

ドラゴンと横に並ぶと俺は豆のような大きさだろう

「あなた!こんな所で何をしているの!」

ドラゴンが喋りだした、正確には頭に直接話しかけられている感じだ

「いや、その、たまたまここを見つけて、気になったから入って来ちゃいました」

「あなた?魔人?では無いみたいね、普通の魔人や魔獣は、私達ドラゴンの匂いのするところには寄ってこないのだけど…」

「そうだったんですか」

「えぇ、不思議な事もあるものね…あら?」

「ん?」

パキッ!パキパキッ!

光の中心にいた丸っこいやつにヒビが入っていく

「なんだ?あれ?」

「ふふ、私の卵よ、そろそろ産まれる頃かと思って見に来たの。そしたら、あなたがいたから卵泥棒だと思っちゃったのよ」

「なるほど」

パキパキ!パキンッ!

「キュー!キュー!」

中型犬サイズの白いドラゴンが産まれた

「ほら、こっちにいらっしゃい」

「キューキュキュ!」

産まれたばかりのドラゴンは俺のところにやってきて、頭を擦りつけてくる

「わ!わわ!なんだよ!」

「あら?いきなり懐かれてるじゃない、あなた」

「これは、懐かれているのか?あわわ!」

子ドラゴンは俺のズボンの裾を噛んで引っ張っている

「ふふふ、あなた力試しをさせてもらっても良いかしら?」

「力試し?別に構わないが?」

「ありがとう、それじゃあ、坊ちゃん少し離れてなさいな」

母ドラゴンが子ドラゴンを隅に追いやる

「じゃあ、いくわね」

「あぁ」

ちなみに俺のステータスは半年でこんな感じになっている

ステータス
名前:無し
性別:男
種族:人族
レベル:78
状態:正常
HP880/880  MP2560/2560
攻撃力234  防御力312
俊敏性176  魔力490
《耐性》
炎耐性  土耐性
水耐性  雷耐性
斬撃耐性  刺撃耐性
混乱耐性  恐怖耐性
痛覚耐性
《スキル》
【魔素変換】
【魔力探知】
【無属性魔法(全属性)】
【時空属性魔法】
【アイテムボックス】
【鑑定】
【輪廻転生】
《称号》
無限転生者、時空を操りし者、魔眼を持つ者、全ての属性を操りし者、ラビットハンター
《加護》
無し

普通の中堅冒険者のレベルが30程なので
今の俺はかなり強い方だ

お、始まるな!

母ドラゴンはいきなり大口を開けると燃え盛るブレスを吐いてきた

「おわ!いきなりブレスかよ!」

無属性魔法で、氷の障壁をつくる
ブレスが障壁に当たると5秒程で溶けてしまった、すぐさま横に飛びブレスを避ける

「あなた、水属性なのかしら?それならこれはどうかしら?」

母ドラゴンは腕を掲げ振り下ろした
すると、斬撃のようなものが飛んできている事が魔眼によって見る事ができた

斬撃に反応しまた横へ飛んで避ける

「魔眼が無かったらおだぶつじゃねぇかよ…」

「すごいすごい!あなたやるじゃない!」

「あぁ!今度は俺の番だ!」

半年間の中で覚えたこの技で行こう

ファイヤースピア!
炎の槍が母ドラゴンに向かって飛んでいく

すると母ドラゴンは目を大きく見開くと

「あなた!水属性じゃなかったの!」

母ドラゴンの腹に当たったが少し焼けただけのようだ

「俺は、無属性だよ!」

続けて
エアハンマー!

MPを大量に注ぎ込んで、サイズをでかくする
よし!行ってこい!

あいては見えていないのか、身動き1つしない
そのまま、エアハンマーが母ドラゴンにぶつかると母ドラゴンは後方にある壁に激突した

「イッターー!あなた本当にやるわね、もう結構よありがとう。まさか、無属性なんてね……」

「なんで、こんな事をしたのか聞かせてもらってもいいか?」

そう聞くと母ドラゴンは観念したように答える

「私の可愛いこの子をあなたについて行かせようと思ってね、それで力を試させてもらったのよ。私はこの後、危険なところに行かないとダメなんだけど、そこにこの子は危なっかしくて連れて行けないの…」

「は?なんでついて来させるの前提に話が進んでるんだ?」

「力を試すって言ったらそういうことよ?知らなかったの?」

まじかよ、正直めんどくさい
ヒロキになんて説明しよう……
「それに、この子もあなたのところに行けば、あなたの強さをある程度受けることになるからいい成長になると思ってね」

「へぇ」

「受けてくれるかしら?大きくなったら背中に乗って空を飛べるわよ?」

それは、なかなか魅力的だ。そんな事を言われたら答えは1つしかない

「わかった!俺が預かろう!」

「キュキュー!」

子ドラゴンが嬉しそうに俺のところへ寄ってきて、ズボンの裾に噛み付いた

「おい!やめろ!裾が涎でベトベトになるだろ!」


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