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ユキと千夜 気に食わないけど実力は認めてるケンカップル
腕相撲で勝負がつくまで出れない部屋
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「ねえ、千夜! 聞いてる?」
背後でユキがわめいているが気にしない。
今重要なのはこの部屋のお題だ。
僕にカードを見せずに壁ドンしたり床ドンしたりするヘンタイに構っている暇はない。
目も合わせたくない。そんなことしたらおかしくなってしまいそうだ。
思考がぼやけて、まともに言い合えない。
床を落ち着いてゆっくり見渡せばカードはすぐに見つかった。
さっきもこんなふうにしていればすぐにカードが見つかったのだろうか。
いや、過ぎたことは忘れよう。考えたって仕方がない。
それよりも未来《仕返し》のことを考えよう。
「ねえ無視しないでさ!」
嫌だね。無視するよ。
カードを拾い上げお題を見る。
なんだ。今度は股ドンでも来るかと思ったが違った。
お題はガラッと変わって腕相撲。一人の意思ではクリアできない。
「やっとこっちを見てくれた。部屋を出るためにやってることなんだから一々余計なこと言わないでくれる?」
「ユキが足りなさすぎるだけだよ。ほらここ座って」
部屋の中央には白の椅子が二つとテーブルがあった。
面白みのない白色をしている。
ユキが向かって右側に、僕はその反対に座って向き合う。
「手を出して」
「ねえ何するの?」
そう問いつつも大人しく手を出してくれる。
完全に油断している。愚かなことだ。
「よーい、スタート」
ユキの手を握っていない方の手で試合を仕切り、手に力を込めてユキの腕を倒す。
ドンとにぶい音を立ててユキの腕が机にぶつかった。
「いた!」
「ユキは説明が足りないのがよくわかったでしょう?」
そこで大人しく反省してればいい。
僕はユキを置いて部屋を出た。
背後でユキがわめいているが気にしない。
今重要なのはこの部屋のお題だ。
僕にカードを見せずに壁ドンしたり床ドンしたりするヘンタイに構っている暇はない。
目も合わせたくない。そんなことしたらおかしくなってしまいそうだ。
思考がぼやけて、まともに言い合えない。
床を落ち着いてゆっくり見渡せばカードはすぐに見つかった。
さっきもこんなふうにしていればすぐにカードが見つかったのだろうか。
いや、過ぎたことは忘れよう。考えたって仕方がない。
それよりも未来《仕返し》のことを考えよう。
「ねえ無視しないでさ!」
嫌だね。無視するよ。
カードを拾い上げお題を見る。
なんだ。今度は股ドンでも来るかと思ったが違った。
お題はガラッと変わって腕相撲。一人の意思ではクリアできない。
「やっとこっちを見てくれた。部屋を出るためにやってることなんだから一々余計なこと言わないでくれる?」
「ユキが足りなさすぎるだけだよ。ほらここ座って」
部屋の中央には白の椅子が二つとテーブルがあった。
面白みのない白色をしている。
ユキが向かって右側に、僕はその反対に座って向き合う。
「手を出して」
「ねえ何するの?」
そう問いつつも大人しく手を出してくれる。
完全に油断している。愚かなことだ。
「よーい、スタート」
ユキの手を握っていない方の手で試合を仕切り、手に力を込めてユキの腕を倒す。
ドンとにぶい音を立ててユキの腕が机にぶつかった。
「いた!」
「ユキは説明が足りないのがよくわかったでしょう?」
そこで大人しく反省してればいい。
僕はユキを置いて部屋を出た。
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