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ユキと千夜 気に食わないけど実力は認めてるケンカップル
一人がもう一人をおんぶするまで出れない部屋
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最悪な気分だ。
前の部屋の指示のせいでユキへの怨みが降り積もっている。
「機嫌直しなよ」
「無理。ユキがあんなことしなけりゃ良かった」
「そうですかい」
その気にしているようなふりだけする様子が腹立たしい。
何か仕返ししてやりたい。
カツカツ歩いていると足先に何かが当たった。
カードだ。
「どれどれ。……おんぶ、か」
いいことを思いついた。
「ユキ。おんぶするよ」
「それがこの部屋のお題?」
「そう。はやくのって」
僕はユキに背を向けてしゃがんだ。
ユキは特にちょっかいをかけてくることもなくおとなしくのった。
……かかったなぁ。
「立つよ」
「うん」
ユキを持ち上げ立ち上がる。
今回だけはユキが軽いことに感謝しようと思う。
「おりゃああああああ」
「え、ちょっと、千夜!」
私はユキを背負ったままその場で回転した。
おんぶした状態ならユキは逃げることができない。
「待って! 怖い! 止まって」
「何言ってるの? 聞こえない」
「ちょっと! ねぇ!」
絶叫系のアトラクションが苦手なユキはずっと悲鳴をあげている。
いい気味だ。
「もっ、止たっ……っい! 舌噛んだ!」
「騒がしいね」
そろそろ僕も目が回ってきた。
ユキもいい感じにボロボロになったことだし十分だろう。
ユキを乱雑に床に落とした。
そして踏みつけた。
「気分はどう?」
「最悪」
「それはよかった」
少しスッキリした。
まだ物足りないけれど。
前の部屋の指示のせいでユキへの怨みが降り積もっている。
「機嫌直しなよ」
「無理。ユキがあんなことしなけりゃ良かった」
「そうですかい」
その気にしているようなふりだけする様子が腹立たしい。
何か仕返ししてやりたい。
カツカツ歩いていると足先に何かが当たった。
カードだ。
「どれどれ。……おんぶ、か」
いいことを思いついた。
「ユキ。おんぶするよ」
「それがこの部屋のお題?」
「そう。はやくのって」
僕はユキに背を向けてしゃがんだ。
ユキは特にちょっかいをかけてくることもなくおとなしくのった。
……かかったなぁ。
「立つよ」
「うん」
ユキを持ち上げ立ち上がる。
今回だけはユキが軽いことに感謝しようと思う。
「おりゃああああああ」
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「待って! 怖い! 止まって」
「何言ってるの? 聞こえない」
「ちょっと! ねぇ!」
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いい気味だ。
「もっ、止たっ……っい! 舌噛んだ!」
「騒がしいね」
そろそろ僕も目が回ってきた。
ユキもいい感じにボロボロになったことだし十分だろう。
ユキを乱雑に床に落とした。
そして踏みつけた。
「気分はどう?」
「最悪」
「それはよかった」
少しスッキリした。
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