【第一部完結済】〇〇しないと出れない50の部屋に閉じ込められた百合カップル

橘スミレ

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望とアズサ ゆるふわ可愛い系女子×真面目で賢い美人系女子

♡ お互いをイメージした動物を描くまで出れない部屋

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「今度は何の部屋?」
「動物を描くんだって」
「もしかしてお互いをイメージしたシリーズ?」
「そうみたいだよ」

 またあのシリーズがやってきた。
 どれだけお互いのイメージを暴露させたいんだろう。

「とりあえず描こうか」
「そうしよう」

 私は机の上にあるスケッチブックと鉛筆を手に取った。
 アズサをみて考える。アズさんっぽい動物。
 賢くて、しゅっとしてて、かっこよくて、でも可愛い動物。

 色々考えた末に出した答えはキツネだった。
 絵柄によって可愛く見えたりカッコよく見えたりするキツネ。
 うん。アズサっぽい。

 私はさっそく描き始めた。
 だが資料がないので描きにくい。
 想像だけで描いて謎の物体を錬成すること3回。
 途方に暮れているとき、あることを思い出した。

「そういえばキツネって折り紙であったよね」

 スケッチブックを一枚ちぎって、折ってみる。
 結構綺麗にできた。

「あとはこれで大体の形を取って、顔を描いたら、完成!」

 可愛いキツネが出来上がった。ちゃんとアズサっぽい。

「お、望できたの?」
「うん!」
「私ももうちょっとだから少し待ってね」

 アズサよりはやくできるなんて、私すごいかもしれない。

「いっせーのーせ」

 私はキツネのイラストを見せる。

「おー! 可愛い! これはキツネ?」
「そう! 正解! アズサのはタヌキ?」
「そう。のぞタヌキ」

 なんと私とアズサで対になっていた。

「なんかパズルみたいにピッタリはまりそう」
「いや、実際はまってる」
「確かにそうだね」

 私たちはピッタリと手を繋いで部屋を出た。
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