【第一部完結済】〇〇しないと出れない50の部屋に閉じ込められた百合カップル

橘スミレ

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望とアズサ ゆるふわ可愛い系女子×真面目で賢い美人系女子

◻︎ お互いにネクタイをネクタイを締めないと出れない部屋

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 ──前の部屋のあらすじ──
 男装しないと出れない部屋。
 スーツに着替えたけどネクタイだけない!



「なるほど」
「そういうことか」
 それがお題を見て最初の感想だった。
 ネクタイがなかったのはこれをさせるためか。
「ちなみにだけど、望。ネクタイの結び方わかる?」
「わからない」
「やっぱりね」
 呆れられた気がする。
「まずは私がやってあげる」
 アズサがネクタイを一本選んでこちらにくる。
「ここを持って、こうすると結べる」
 アズサが簡単に教えてくれる。だが半分も頭に入らない。だって。
「なんか……新婚の夫婦みたいだね」
「……馬鹿じゃないの?」
 照れている。可愛い。
「想像したの? 結婚して一緒の家に住んでいる私たちのことを想像したの?」
「ちょっと。でも、できないでしょ」
「海外に行けば」
「望、英語のテストの点数言える?」
「頑張ります」
 なかなか厳しいことを言ってくる。でもアズサとの結婚のためなら英語も頑張れる気がする。
 ここから出たら頑張ろうと思う。たぶん。
「ほらほら、私のも結んでよ」
 アズサにネクタイを渡される。
 一応頑張ってみるが、なかなかうまくいかない。
「難しい」
 どう頑張っても結び目ができない。蝶々結びもできない人間には難しすぎると思うんだ。
「どうしたものかね。あ、こんなのあったよ」
 アズサが見つけてきたのはループタイだった。これなら結ぶ必要もない。
 アズサの首にかけ、締める。
「やっぱりアズサはなんでも似合うね」
「望もね」
 私たちはなんとか部屋を出た。
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