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望とアズサ ゆるふわ可愛い系女子×真面目で賢い美人系女子
☆ 100マス計算を100枚終わらすまで出れない部屋
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「今度は何の部屋?」
「……面倒な部屋だったよ」
アズサが面倒というならば中々な内容なのだろう。アズサの隣にいき、中を見ると椅子と机と紙の山。嫌な予感がしてきた。
おそるおそる看板を見る。
「ひゃ、百枚?」
百マス計算を百枚やれというものすごく面倒なお題が来た。
「なるほど。足し引き掛け割りの四つが25枚ずつある。望、どれやりたい?」
「ん-、どれが簡単?」
私があまりに時間をかけるとアズサに迷惑がかかってしまう。だからといって問題を選べるほどの能もないのでアズサにおまかせする。
「多分足し算と掛け算。一桁どうしの足し算と九九ぐらいはできるでしょ?」
「さすがにそれくらいはできるよ」
馬鹿にされた気がする。アズサじゃなかったら怒っていた。アズサなら何言われても良い。
「じゃあさっさと終わらせてね」
「あ、まって。百マス計算って何なの?」
「知らないの……」
アズサが優しく教えてくれた。
どうやら縦の列と横の列の交差するところの数を足したりかけたりするらしい。
「これ面白いね」
簡単な計算でスラスラと答えが出る快感が関数で疲れ切った私の頭に染み渡る。すごく楽しい。
「それは良かった。残り40枚も頑張ってね」
シャーペンをくるくると回しながらアズサが言う。
「アズサ、計算は?」
「終わった」
「はや!」
やっぱりアズサは賢いんだ。私では到底おいつけない。
「ほら、半分貸して」
アズサは私の山の3分の2くらいを持っていった。そういうところがイケメンだ。
「ありがとうね」
「自分のためだし」
訂正する。イケメンよりも可愛さが強い。
そうしてアズサと手分けしてなんとか100枚の計算を終わらせた。
「やっと終わったー」
「お疲れ様、望」
「アズサもお疲れ様!」
大きく伸びをする。肩や腕が痛み、頑張ったんだな、と思った。
「何やりきったって顔してんのよ。まだまだ次あるよ」
「そうだね。まだまだ頑張らなくっちゃ」
扉を開き部屋を出た。
「……面倒な部屋だったよ」
アズサが面倒というならば中々な内容なのだろう。アズサの隣にいき、中を見ると椅子と机と紙の山。嫌な予感がしてきた。
おそるおそる看板を見る。
「ひゃ、百枚?」
百マス計算を百枚やれというものすごく面倒なお題が来た。
「なるほど。足し引き掛け割りの四つが25枚ずつある。望、どれやりたい?」
「ん-、どれが簡単?」
私があまりに時間をかけるとアズサに迷惑がかかってしまう。だからといって問題を選べるほどの能もないのでアズサにおまかせする。
「多分足し算と掛け算。一桁どうしの足し算と九九ぐらいはできるでしょ?」
「さすがにそれくらいはできるよ」
馬鹿にされた気がする。アズサじゃなかったら怒っていた。アズサなら何言われても良い。
「じゃあさっさと終わらせてね」
「あ、まって。百マス計算って何なの?」
「知らないの……」
アズサが優しく教えてくれた。
どうやら縦の列と横の列の交差するところの数を足したりかけたりするらしい。
「これ面白いね」
簡単な計算でスラスラと答えが出る快感が関数で疲れ切った私の頭に染み渡る。すごく楽しい。
「それは良かった。残り40枚も頑張ってね」
シャーペンをくるくると回しながらアズサが言う。
「アズサ、計算は?」
「終わった」
「はや!」
やっぱりアズサは賢いんだ。私では到底おいつけない。
「ほら、半分貸して」
アズサは私の山の3分の2くらいを持っていった。そういうところがイケメンだ。
「ありがとうね」
「自分のためだし」
訂正する。イケメンよりも可愛さが強い。
そうしてアズサと手分けしてなんとか100枚の計算を終わらせた。
「やっと終わったー」
「お疲れ様、望」
「アズサもお疲れ様!」
大きく伸びをする。肩や腕が痛み、頑張ったんだな、と思った。
「何やりきったって顔してんのよ。まだまだ次あるよ」
「そうだね。まだまだ頑張らなくっちゃ」
扉を開き部屋を出た。
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