【第一部完結済】〇〇しないと出れない50の部屋に閉じ込められた百合カップル

橘スミレ

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望とアズサ ゆるふわ可愛い系女子×真面目で賢い美人系女子

◻︎ お互いに髪を結いあうまで出れない部屋

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「こんどは何だー?」
「えーと、『お互いに髪を結いあうまで出れない部屋』だね」
「ねえ、結うってなに?」
 きっと賢いアズサなら知っているだろう。
「髪をむすぶってこと。ほら、こっちおいで」
 アズサの元へいくと近くの机にくしやゴム、ヘアピンなどがある。
「どうやってむすぶ?」
「これつけて欲しい!」
 私が彼女に差し出したのはピンク色の大きなリボン。
「ならハーフアップにして、そこにつけるね」
 彼女は私の髪をとかす。
「すごいサラサラだね。リンスなんかいいの使ってるの?」
「いや、使ってないよ」
 私はリンスを使っていない。だって面倒だから。
「え? リンスなしでこのサラサラ髪を」
「うん。そうだよ」
「……望、髪は大事にしたほうがいいと思うよ」
 嘆きを含んだような声で言われた。
「ほら、できたよ」
「おー! ありがとうね。お礼にこれをつけてあげよう」
 私は赤いかんざしを手に取った。
「つけれるの?」
「多分」
「それ、無理なときにする返事よね」
「えへへ」
 正直かんざしなんて触ったこともなかった。でもこの赤のかんざしはアズサの黒髪にきっと合う。
「かんざしはね、こうやって使うの」
 アズサが使って見せてくれる。手先が器用なものだ。
「おお、すごい! さっすがアズサ!」
「ほらほら、望もやってみて。そうしないとこの部屋から出れない」
「わかった」
 見よう見まねでやってみる。だが、うまくいかない。
「できなーい」
「ここを持って、そうそう」
 アズサが手伝ってくれる。
「こう?」
「そうそう。上手」
「ここをこうして、できた!」
「ありがとうね」
 頭を撫でてくれる。同い年だが、お姉さんみたいだ。
「じゃあ、行こっか」
「うん」
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