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彼女をデートに誘いたい!
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終業式が終わった。
あの校長の長ったるい話も大量の表彰も終わった。
生活指導の先生のお小言も終わった。
残るは長いようで短い夏休み。
「後悔しない選択を」
起きた時に聞こえた校長の言葉がよみがえってくる。
私ならできる。大丈夫。
彼女をデートに誘える!
私には超絶かわいい彼女がいる。
賢くてかわいい最強の彼女だ。
それこそ、私では釣り合わないくらいに素晴らしい人だ。
その彼女をデートに誘いたいのだ。
デート? 付き合ってるならそれくらい簡単でしょ。
そう思う方もいるかもしれない。
しかーし、私には当てはまらない。
まず付き合っているからこその緊張感がある。
デートと声をかけることによって付き合っていることを再度認識しドキドキしちゃうんですよ。はい。
そして、今まで自分からデートを誘ったことがないわけですよ。これまた緊張するわけだ。
付き合う前は遊びに行こうと誘ったことがあった。同性なため、友達として遊びに行く体で話せた。しかし今は誤魔化せない。ちゃんとデートなわけですよ。緊張しちゃう。
だがしかし。私はどうしても夏休みに彼女と一緒に花火大会に行きたいんです!
まず私からデートを誘うことで私が彼女を愛していることを表現したい。
そして浴衣姿の彼女を見たい。一緒に屋台回りたい。暗いところだから手を繋ぎたい。
花火大会とは青春の夢が詰まったスペシャルイベントだ。
これを逃すわけにはいかない。
放課後、教室でお弁当を食べる彼女にロックオン。今しかない。
「やっほー。突然だけどさ、夏休みにデートいかない?」
シミュレーション通りに、なんでもない提案のように声をかける。
「行く。行きたい。いつあるの?」
よし。了承をもらえた。第一関門クリア。
あとは日付を確認し、浴衣着てくれたら嬉しいアピールをすればミッションコンプリートだ。
「八月の三日」
「その日は予定入ってるな……」
なんと先約が。これは想定外だ。
まずい。どうしよう。
私は焦りに焦って今にも暴れ出しそうになった。
しかし彼女はまた私の想定を超えた発言をする。
「断っとかないと」
「え? いいの?」
「もちろん。だって彼女が珍しく自分から誘ってくれたデート。これより大事な用事なんてないよ」
私との予定が何よりも大事だって。そんなの、嬉しすぎて死んじゃいそう。
「本当にいいの?」
「もちろん。なんだったら指切りでもする?」
「いやいい。ただ嬉しすぎただけ」
「それならよかった」
彼女は箸を手に取る。お弁当から美味しそうな唐揚げを摘み上げ、私の方へ向ける。
「はい、あーん」
「ん。……美味しい」
衣の油と肉の旨みが合わさって幸せな味を生み出している。ほんと美味しい。
「自分からデートに誘えたご褒美。また誘ってね」
この時の彼女の笑顔は今までで一番可愛かった。
あの校長の長ったるい話も大量の表彰も終わった。
生活指導の先生のお小言も終わった。
残るは長いようで短い夏休み。
「後悔しない選択を」
起きた時に聞こえた校長の言葉がよみがえってくる。
私ならできる。大丈夫。
彼女をデートに誘える!
私には超絶かわいい彼女がいる。
賢くてかわいい最強の彼女だ。
それこそ、私では釣り合わないくらいに素晴らしい人だ。
その彼女をデートに誘いたいのだ。
デート? 付き合ってるならそれくらい簡単でしょ。
そう思う方もいるかもしれない。
しかーし、私には当てはまらない。
まず付き合っているからこその緊張感がある。
デートと声をかけることによって付き合っていることを再度認識しドキドキしちゃうんですよ。はい。
そして、今まで自分からデートを誘ったことがないわけですよ。これまた緊張するわけだ。
付き合う前は遊びに行こうと誘ったことがあった。同性なため、友達として遊びに行く体で話せた。しかし今は誤魔化せない。ちゃんとデートなわけですよ。緊張しちゃう。
だがしかし。私はどうしても夏休みに彼女と一緒に花火大会に行きたいんです!
まず私からデートを誘うことで私が彼女を愛していることを表現したい。
そして浴衣姿の彼女を見たい。一緒に屋台回りたい。暗いところだから手を繋ぎたい。
花火大会とは青春の夢が詰まったスペシャルイベントだ。
これを逃すわけにはいかない。
放課後、教室でお弁当を食べる彼女にロックオン。今しかない。
「やっほー。突然だけどさ、夏休みにデートいかない?」
シミュレーション通りに、なんでもない提案のように声をかける。
「行く。行きたい。いつあるの?」
よし。了承をもらえた。第一関門クリア。
あとは日付を確認し、浴衣着てくれたら嬉しいアピールをすればミッションコンプリートだ。
「八月の三日」
「その日は予定入ってるな……」
なんと先約が。これは想定外だ。
まずい。どうしよう。
私は焦りに焦って今にも暴れ出しそうになった。
しかし彼女はまた私の想定を超えた発言をする。
「断っとかないと」
「え? いいの?」
「もちろん。だって彼女が珍しく自分から誘ってくれたデート。これより大事な用事なんてないよ」
私との予定が何よりも大事だって。そんなの、嬉しすぎて死んじゃいそう。
「本当にいいの?」
「もちろん。なんだったら指切りでもする?」
「いやいい。ただ嬉しすぎただけ」
「それならよかった」
彼女は箸を手に取る。お弁当から美味しそうな唐揚げを摘み上げ、私の方へ向ける。
「はい、あーん」
「ん。……美味しい」
衣の油と肉の旨みが合わさって幸せな味を生み出している。ほんと美味しい。
「自分からデートに誘えたご褒美。また誘ってね」
この時の彼女の笑顔は今までで一番可愛かった。
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