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第十一話 帰宅
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倉庫までは自転車で20分ほどの距離にある。家にあった古びた赤い自転車に乗っていくことになった。ところどころにひびの入ったアスファルトの上を悲鳴をあげる自転車で駆け抜ける。田と畑ばかりの景色にだんだんと無機質な建物が増えていく。
「その角、を……右、に」
息絶え絶えに話す姉さんのためにもはやく行かなければと思う。少しずつ人通りが増えてきた。通行人にぶつかりそうになった。車に轢かれそうになった。それでも私はブレーキを忘れて駆け抜けた。
「もうすぐ倉庫に着くよ!もうちょっとだから、頑張って、姉さん」
死神ちゃんは眼前に目標をとらえた。自転車を止める場所に目ぼしをつけ、勢いを殺しながら進行方向に対して右向きに駐車する。すぐさま飛び降り、倉庫に入る。
「死神、ちゃん。私、は……やね、屋根裏に、い、るか、ら」
今にも力尽きそうな姉さんの声を聞き死神ちゃんの足に力が籠る。エレベーターを見ると今は30階にいる。目的地は3階。
死神ちゃんは隣にある階段を駆け上がった。
屋根裏を見るとクッションにもたれかかりぐったりとしている姉さんがいた。
「うぅ、しんどい……死神ちゃん、きて、くれたん、だね」
今にも気を失いそうな姉さん。顔色が悪い。
「とりあえず、帰りましょう!何かいるものはあるかしら」
「そこ、の、カバン……だけ、お願い」
力なく指さす先には黒のトートバック。死神ちゃんはそれを肩にかけ姉さんをお姫様抱っこして屋根裏からでる。
「し、死神ちゃん!?」
姉さんを驚かせてしまったが死神ちゃんの心臓も限界が近い。彼女だって大好きな姉さんと0距離にいるのだから仕方ない。
わちゃわちゃしながらも階段を駆け下り、自転車へ向かう。
「私、は自転車、のカゴ……入れ、て運んで……」
「わかったわ」
死神ちゃんは大型のカゴの中に姉さんを優しく寝かせると、自転車に乗り、また元来た道を全力で駆けていった。
「もうすぐだから、大丈夫だよ。姉さん」
ペダルを踏み込み、できる限りはやく姉さんを家に運ばなければと家路を急ぐ。
「もうすぐ着くよ、姉さん」
「……う、ん……」
しだいに建物が減っていく。そして田や畑が増えていく。後ろで姉さんは苦しそうにうめいている。本来は20分かかるはずの道のりを10分で駆け抜けた死神ちゃんは後ろのカゴでうとうとしはじめた姉さんを抱き抱えて家の中へと入っていく。そして中に入り、ソファーへ姉さんを寝かした。運ぶ時におこしてしまったようだ。熱で涙目になりながらこちらを見ている。
「その角、を……右、に」
息絶え絶えに話す姉さんのためにもはやく行かなければと思う。少しずつ人通りが増えてきた。通行人にぶつかりそうになった。車に轢かれそうになった。それでも私はブレーキを忘れて駆け抜けた。
「もうすぐ倉庫に着くよ!もうちょっとだから、頑張って、姉さん」
死神ちゃんは眼前に目標をとらえた。自転車を止める場所に目ぼしをつけ、勢いを殺しながら進行方向に対して右向きに駐車する。すぐさま飛び降り、倉庫に入る。
「死神、ちゃん。私、は……やね、屋根裏に、い、るか、ら」
今にも力尽きそうな姉さんの声を聞き死神ちゃんの足に力が籠る。エレベーターを見ると今は30階にいる。目的地は3階。
死神ちゃんは隣にある階段を駆け上がった。
屋根裏を見るとクッションにもたれかかりぐったりとしている姉さんがいた。
「うぅ、しんどい……死神ちゃん、きて、くれたん、だね」
今にも気を失いそうな姉さん。顔色が悪い。
「とりあえず、帰りましょう!何かいるものはあるかしら」
「そこ、の、カバン……だけ、お願い」
力なく指さす先には黒のトートバック。死神ちゃんはそれを肩にかけ姉さんをお姫様抱っこして屋根裏からでる。
「し、死神ちゃん!?」
姉さんを驚かせてしまったが死神ちゃんの心臓も限界が近い。彼女だって大好きな姉さんと0距離にいるのだから仕方ない。
わちゃわちゃしながらも階段を駆け下り、自転車へ向かう。
「私、は自転車、のカゴ……入れ、て運んで……」
「わかったわ」
死神ちゃんは大型のカゴの中に姉さんを優しく寝かせると、自転車に乗り、また元来た道を全力で駆けていった。
「もうすぐだから、大丈夫だよ。姉さん」
ペダルを踏み込み、できる限りはやく姉さんを家に運ばなければと家路を急ぐ。
「もうすぐ着くよ、姉さん」
「……う、ん……」
しだいに建物が減っていく。そして田や畑が増えていく。後ろで姉さんは苦しそうにうめいている。本来は20分かかるはずの道のりを10分で駆け抜けた死神ちゃんは後ろのカゴでうとうとしはじめた姉さんを抱き抱えて家の中へと入っていく。そして中に入り、ソファーへ姉さんを寝かした。運ぶ時におこしてしまったようだ。熱で涙目になりながらこちらを見ている。
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