Scapegoat Super Nova

02.大麻と音楽

　２０代前半の頃、よく遊んでいた男の子たちがいた。
 鍋パーティーをしてお酒を飲んだり、好きなレコードをかけたり、今思うととても充実した遊び方をしていた。
  まぁここまではよくある話だ。

けど私ってやつは何故だかわからないが大麻が好きな人間を引き寄せる素質がある。
自分の持つ特有のダウナーなオーラが気に入られるのだろうか。
  一緒に遊ぶときはほぼほぼ大麻を吸いながらだった。
水を入れるタイプのボングで回して吸っていた。
そこで大麻を吸うのは初めてではなかったので、ボングの使い方などは見よう見真似で吸った。

吸ったらライターでフタをして次の人に回す。そんな感じだ。
いい感じにキマってソファーにどこまでも沈み込んでいく感覚を持った。  

  その日、一昔前のノイズのVHSを持ってきた子がいた。
なんのバンドかは覚えてないが、そのとき聴いた曲は凄まじかった。

先ほどまでは上から下に圧がかかるようにソファに座っていたが、今度はテレビの方向に吸引されるように頭が持ってかれるので、私はソファに横たわって「これすげ～！もってかれる～！」
と言っていたら、大麻どころではない一番ジャンキーな子が笑いながら「いい感覚持ってるね」と褒めてくれた。  

　元々ノイズミュージックは大好きだったが、大麻をキメて聴くと素晴らしいところが大々的に現れる気がした。