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祓徐士編
プロローグ
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以下の情報は過去に起きた不可解な事件のニュースやネットの記事を抜粋したものである。
我々はこの不可解な出来事を「怪異」による仕業と判断、以降も引き続き調査をしていく所存である。
2023年 8月18日。
都内某所にて、とある一件のたこ焼き専門の飲食店が不正の摘発を受ける。
その内容は、"たこ焼きの中身に異物が混入した"というもので、警察側が成分分析に回し詳しく調査したところ、たこに偽装したナニかが混入されていたと判明。
大変興味深いのは、
・その飲食店へ毎月のようにたこを卸していた業者いわく、六月頃からたこの注文が途絶えたとのこと。
・発見された異物はたこに近い筋肉質、外見ながらもDNA鑑定では人間に近いDNA構造、そして加熱調理されているにもかかわらず細胞がほぼ全て生きているとのこと。
店主は遺物の詳細を黙秘、今もなお事情聴取を続けている。
2023年 8月23日
東京都内、下町の一軒家にて高齢者女性の遺体が発見。
女性の名は神田とみ(86)
一人暮らしをしているようで、玄関の郵便受けに新聞が溜まっているところを不審に思った近所の隣人が遺体を発見したとのこと。
隣人いわく、とみさんを最後に目撃したのは2週間前。庭の軒先で一人でお茶をしていた姿らしい。その際に虚ろな目で空を仰ぎ見て、以下の言葉を何度も発言していたという。
"湧いて出る、湧いて出る"
遺体発見時の状況は、押し入れに上体を押し込み、両耳を押さえ口を開き切った異様なものだったと報告されている。
検察側の見解では、認知症も進んでいたため異常な行動を取ってしまいそのまま息を引き取ったのだろう、と孤独死の線で調べているとのこと。
一つ、不可解な点が見受けられる。司法解剖の結果、腐敗も激しくとみさんの死亡推定時期はおよそ七日前と判明。
しかし、玄関先の郵便受けに溜まっている新聞の数は直近の三日分と判明。
では、四日分はいったい何処へ?
とみさんは一人暮らしらしい。
2023年 8月29日
都内某所にある神社にて、無差別殺傷事件が発生。
凶行に及んだ犯人は45歳の男性と判明。職業不詳、近くの交番から駆けつけた警察官二名に現行犯で取り押さえられた模様。犯行に使用された凶器は出刃包丁。
死傷者、怪我人の詳細は未だ正確なものは入ってきてはいないものの、八名ほどが被害を受けたとのこと。
犯人は殺傷事件の際、"イビツガミが来る"と叫び、無差別に参拝者へ危害を加えた模様。
現在も事情聴取は続けられ、精神疾患、薬物の使用なども慎重に取り調べが行われている。
イビツガミについては今もなお不明である。
全国各所の郷土資料、ネットでの検索にて調べたが、該当する情報は見受けられない。おそらく、犯人の妄言だろう。
我々はこの不可解な出来事を「怪異」による仕業と判断、以降も引き続き調査をしていく所存である。
2023年 8月18日。
都内某所にて、とある一件のたこ焼き専門の飲食店が不正の摘発を受ける。
その内容は、"たこ焼きの中身に異物が混入した"というもので、警察側が成分分析に回し詳しく調査したところ、たこに偽装したナニかが混入されていたと判明。
大変興味深いのは、
・その飲食店へ毎月のようにたこを卸していた業者いわく、六月頃からたこの注文が途絶えたとのこと。
・発見された異物はたこに近い筋肉質、外見ながらもDNA鑑定では人間に近いDNA構造、そして加熱調理されているにもかかわらず細胞がほぼ全て生きているとのこと。
店主は遺物の詳細を黙秘、今もなお事情聴取を続けている。
2023年 8月23日
東京都内、下町の一軒家にて高齢者女性の遺体が発見。
女性の名は神田とみ(86)
一人暮らしをしているようで、玄関の郵便受けに新聞が溜まっているところを不審に思った近所の隣人が遺体を発見したとのこと。
隣人いわく、とみさんを最後に目撃したのは2週間前。庭の軒先で一人でお茶をしていた姿らしい。その際に虚ろな目で空を仰ぎ見て、以下の言葉を何度も発言していたという。
"湧いて出る、湧いて出る"
遺体発見時の状況は、押し入れに上体を押し込み、両耳を押さえ口を開き切った異様なものだったと報告されている。
検察側の見解では、認知症も進んでいたため異常な行動を取ってしまいそのまま息を引き取ったのだろう、と孤独死の線で調べているとのこと。
一つ、不可解な点が見受けられる。司法解剖の結果、腐敗も激しくとみさんの死亡推定時期はおよそ七日前と判明。
しかし、玄関先の郵便受けに溜まっている新聞の数は直近の三日分と判明。
では、四日分はいったい何処へ?
とみさんは一人暮らしらしい。
2023年 8月29日
都内某所にある神社にて、無差別殺傷事件が発生。
凶行に及んだ犯人は45歳の男性と判明。職業不詳、近くの交番から駆けつけた警察官二名に現行犯で取り押さえられた模様。犯行に使用された凶器は出刃包丁。
死傷者、怪我人の詳細は未だ正確なものは入ってきてはいないものの、八名ほどが被害を受けたとのこと。
犯人は殺傷事件の際、"イビツガミが来る"と叫び、無差別に参拝者へ危害を加えた模様。
現在も事情聴取は続けられ、精神疾患、薬物の使用なども慎重に取り調べが行われている。
イビツガミについては今もなお不明である。
全国各所の郷土資料、ネットでの検索にて調べたが、該当する情報は見受けられない。おそらく、犯人の妄言だろう。
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