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「大きさも変えられるとか聞いてねぇ」
俺の右手には手のひらサイズになった例の物体。ますます豆腐。冷奴食べたい。
「あぁ、そこにあるのか……」
「いきなり消えたので驚きました」
というか、無駄にデカい規模のまま固定だと思ってたんだけどそうじゃなかったらしい。
外観を変更出来るという事にサイズ変更も含まれているって何故か考えてなかった。あのデカさにとらわれたまま何か無いかと思考した時間が勿体ないが、まあいい。
サイズが自由となればアイデアも広がるというか手に負える範囲になるというか、そんな感じなので手のひらサイズになった豆腐を普通の二階建て一軒家二個分連結させたくらいの大きさに変えて家を作る。二階建てで一階LDKと広めにした風呂、二階は俺達の部屋ともう一部屋……
「ライアスはどうする? 別に家建てる?」
「え、本気で言ってたんですか」
「うん。――あ、でもその場合だと普通の造りになっちゃうから住宅設備の魔道具化しないといけないな」
この家(物体)は馬車と同じくそれ自体が俺の魔力喰ってるアシュマルナ製の魔道具だから関係ないけど、普通の建物の場合は違うからなあ。つーか、この物体Xって俺にも造れたりしないのかな?特別製っぽいし無理?
「とりあえず、水回り関係に……冷蔵庫とか他にも色々いるよな……」
快適に暮らせるように色々用意をと考えていたら、当のライアスからストップがかかった。端の方の一部屋もらえるならそれでいいんだって。
「えー……思い付く限りのありとあらゆる文明の利器ぶっ込んで(驚かして)やろうかと思ったのに」
残念。
という事でライアスの希望により一階にライアスの部屋を作り、二階の空き部屋は保留。書斎かなあ?うーん。
++++++
「で、次は何をするんだ?」
「畑~♪」
さて、一応家の事は片付いたので畑を作ろう。有り余る土地を使って自給自足のスローライフでほっこり的な事をがっつりととは思わない。ただどこかに買いに行くとかじゃなくてここで色々手に入る様になれば便利だと思うので。
まずは土作りだけど耕すのも土魔法で簡単なので、とりあえず小さめの畑から始めようと10メートル×5メートルくらいで耕してみた。ここには畑を荒らすような魔物とか居ないから必要ないんだろうけど周りに柵も作ってみたりして。
あとは、なんだろう、畝とかっての作るんだっけ。俺の中の薄っすら知識が多分必要かもしれないと言っているけど、如何せん薄っすら知識だから正式な作り方は判らない。魔法でやっつけ仕事だし見た目それっぽい感じであればいいだろうか。
「ラリアフはそのまま植えるとして、他にはまず何を育てるご予定ですか?」
株ごと採取してきていた苺を魔法を使わず手作業で植えていると手伝ってくれているライアスから今後の栽培計画を訊かれる。
計画と呼べるほどのものはないけど、とりあえず――
「じゃがいもからかな。簡単だろうし」
トマトやピーマンとかは料理した時に種を取っておいて植えようと思うので後回し。
「そうなのか?」
「……いや、知らないけど。芽が出てきたのを埋めたらいいんじゃないの?」
「芽?」
ソヌクロンは知っていても野営の料理(と言っても肉を焼くくらい)以外しないからか二人にはあまりピンと来ないらしくて、放置してたらこういう凹んでる所から芽が出て来るんだと買ったじゃがいもを十個ほど出して説明するが
「それで……出来るんですか?」
「え、……多分?」
「え?」
手に持ったじゃがいもと小首を傾げる俺を交互に見るライアス。その目を見るだけで俺に言いたい事がストレートに伝わってくるぜ……。
「そのまま丸ごと植えるのか? 一つの物から芽はいくつも出そうだが」
「切、り分け……るのかな?」
「リヒト……」
後を続けなかったがソランツェの言いたい事もすごく伝わってくる。判ってる、判ってるよ、俺も気付いてるから。そこからかよ?!って言いたいんだろ。
「なんせ薄っすら知識だし……」
「薄過ぎるでしょう」
「それな。自分でも驚きの薄さだわ」
オブラートかなっていうぐらい薄い気がする。ネット検索使いたい。
「……玉ねぎも芽っぽいのが出たら埋めればいいと思ってたけどどうなんだろう?」
もしかして、違うんじゃないかと感じて来た。あのまま植えても増えそうにないような……あいつも種か、種なのか?種って事は花とか咲かせないといけないのか?あと、にんにくはどうなんだ?!
「つーか、埋めた後成長促進効果っぽい魔法とか使えばなんか良い感じになると思ってたんだけど……」
「その前の段階ですかね」
「だよな~」
俺の力を使うにしてもそもそも適切な植え付けが大前提なんだろうなと思わなくもない。
「色々と最低限の知識はあった方が良さそうだな」
勉強するかなあ……。
俺の右手には手のひらサイズになった例の物体。ますます豆腐。冷奴食べたい。
「あぁ、そこにあるのか……」
「いきなり消えたので驚きました」
というか、無駄にデカい規模のまま固定だと思ってたんだけどそうじゃなかったらしい。
外観を変更出来るという事にサイズ変更も含まれているって何故か考えてなかった。あのデカさにとらわれたまま何か無いかと思考した時間が勿体ないが、まあいい。
サイズが自由となればアイデアも広がるというか手に負える範囲になるというか、そんな感じなので手のひらサイズになった豆腐を普通の二階建て一軒家二個分連結させたくらいの大きさに変えて家を作る。二階建てで一階LDKと広めにした風呂、二階は俺達の部屋ともう一部屋……
「ライアスはどうする? 別に家建てる?」
「え、本気で言ってたんですか」
「うん。――あ、でもその場合だと普通の造りになっちゃうから住宅設備の魔道具化しないといけないな」
この家(物体)は馬車と同じくそれ自体が俺の魔力喰ってるアシュマルナ製の魔道具だから関係ないけど、普通の建物の場合は違うからなあ。つーか、この物体Xって俺にも造れたりしないのかな?特別製っぽいし無理?
「とりあえず、水回り関係に……冷蔵庫とか他にも色々いるよな……」
快適に暮らせるように色々用意をと考えていたら、当のライアスからストップがかかった。端の方の一部屋もらえるならそれでいいんだって。
「えー……思い付く限りのありとあらゆる文明の利器ぶっ込んで(驚かして)やろうかと思ったのに」
残念。
という事でライアスの希望により一階にライアスの部屋を作り、二階の空き部屋は保留。書斎かなあ?うーん。
++++++
「で、次は何をするんだ?」
「畑~♪」
さて、一応家の事は片付いたので畑を作ろう。有り余る土地を使って自給自足のスローライフでほっこり的な事をがっつりととは思わない。ただどこかに買いに行くとかじゃなくてここで色々手に入る様になれば便利だと思うので。
まずは土作りだけど耕すのも土魔法で簡単なので、とりあえず小さめの畑から始めようと10メートル×5メートルくらいで耕してみた。ここには畑を荒らすような魔物とか居ないから必要ないんだろうけど周りに柵も作ってみたりして。
あとは、なんだろう、畝とかっての作るんだっけ。俺の中の薄っすら知識が多分必要かもしれないと言っているけど、如何せん薄っすら知識だから正式な作り方は判らない。魔法でやっつけ仕事だし見た目それっぽい感じであればいいだろうか。
「ラリアフはそのまま植えるとして、他にはまず何を育てるご予定ですか?」
株ごと採取してきていた苺を魔法を使わず手作業で植えていると手伝ってくれているライアスから今後の栽培計画を訊かれる。
計画と呼べるほどのものはないけど、とりあえず――
「じゃがいもからかな。簡単だろうし」
トマトやピーマンとかは料理した時に種を取っておいて植えようと思うので後回し。
「そうなのか?」
「……いや、知らないけど。芽が出てきたのを埋めたらいいんじゃないの?」
「芽?」
ソヌクロンは知っていても野営の料理(と言っても肉を焼くくらい)以外しないからか二人にはあまりピンと来ないらしくて、放置してたらこういう凹んでる所から芽が出て来るんだと買ったじゃがいもを十個ほど出して説明するが
「それで……出来るんですか?」
「え、……多分?」
「え?」
手に持ったじゃがいもと小首を傾げる俺を交互に見るライアス。その目を見るだけで俺に言いたい事がストレートに伝わってくるぜ……。
「そのまま丸ごと植えるのか? 一つの物から芽はいくつも出そうだが」
「切、り分け……るのかな?」
「リヒト……」
後を続けなかったがソランツェの言いたい事もすごく伝わってくる。判ってる、判ってるよ、俺も気付いてるから。そこからかよ?!って言いたいんだろ。
「なんせ薄っすら知識だし……」
「薄過ぎるでしょう」
「それな。自分でも驚きの薄さだわ」
オブラートかなっていうぐらい薄い気がする。ネット検索使いたい。
「……玉ねぎも芽っぽいのが出たら埋めればいいと思ってたけどどうなんだろう?」
もしかして、違うんじゃないかと感じて来た。あのまま植えても増えそうにないような……あいつも種か、種なのか?種って事は花とか咲かせないといけないのか?あと、にんにくはどうなんだ?!
「つーか、埋めた後成長促進効果っぽい魔法とか使えばなんか良い感じになると思ってたんだけど……」
「その前の段階ですかね」
「だよな~」
俺の力を使うにしてもそもそも適切な植え付けが大前提なんだろうなと思わなくもない。
「色々と最低限の知識はあった方が良さそうだな」
勉強するかなあ……。
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