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地図の情報によるとトゥアンニコからユグイトまで約330キロらしく馬車で行くと半日くらい。ユグイトまでの間には小さな村が一つあるみたいだけどルートからは外れる位置なのでスルー予定。
「途中で一泊かな」
「そうだな」
リビングのソファに座ってまったりコーヒーを飲みつつ、自動運転の設定。中間地点周辺の森で停止してそこで一泊する事にした。なんで森かというと、ガルゴドン王国は初なのでどんな魔物がいるのか探りたいらしいよ、ソランツェは。
俺も一緒に連れ回される可能性をどうやって潰そうかと考えていると、
「あの、この馬車でこのまま移動されるのですか?」
『こんなに目立つ大きなやつで?』って顔でライアスが訊いてきた。まあ、そう思うのも仕方ないだろうな。目立つもんね、大きいし真っ白だし。
「うん」
「立派な馬車ですし、少々目立ち過ぎかと思うのですが」
「大丈夫だよ、馬車を覆う不可視結界を発動出来るから」
人にも魔物にも気付かれないよ、と教えていてある事に気付く。
移動中やソランツェの日課中は暇な俺の話し相手になってもらおうと思うので、俺の事や他にもまだまだ気になる事があるだろうから色々訊いていいぞと言っておいたのだけど、
「……はぁ……そうですか……」
「……うん」
俺もライアスも殆どの答えは結局『神力だから』『神の子だから』ばかりに行き着くという可能性に気付いてしまったぞ……。か、会話が……。
という事で、もう色々呑み込みが終わったライアスにその呑み込みの良さって何なの?と訊いてみれば、しばし考えた後ぶっちゃけた答えが返って来た。
「基本的に上からの命令に対する疑問は一切持たない様に、という教育の賜物ですかね」
「おおぅ」
「命令内容も詳しくは説明されない事も多いですけど」
疑問を一切持たないなんてのは無理、でもまあ呑み込むしかないと。ソランツェが辞めたのもそこら辺の事が関係しているらしい。祖国の方は悪かったって言ってたもんな。
「あ。じゃあ、もしかしてあの腕輪の事も詳細知らない?」
そんな事があった事すらすっかり忘れていたが、思い出してみれば俺に渡して来た例の盗聴機能付き腕輪。当時は知ってて渡して来たんだろうなって思ってたけど……。
「腕輪? あの、ファンディオに入る前にお渡しした物ですか?」
「あれ、俺達の会話を盗み聞き出来る物だったんだよ」
「え?!」
「うわ、やっぱり知らなかったのか」
説明すると、ライアスの頭の中で何やら答え合わせが行われた様で一人頷いていた。その様子に何も説明せずに持って行けって命令したの補佐の人だったんだろうなあと俺もうんうんと頷く。
ちなみに、命令じゃないけど俺の事についても『愛し子』であるとの当初の説明から例の降臨イベ後も説明の更新はなされず、『我が子』とは?と実はずっともやもやしたまま過ごしていたらしい。どういう事かルイスさんやジェロイスさんに訊いてみたかったが、訊ける様な雰囲気じゃなかったそうで……。ルイスさんお元気かどうかライアスに訊いていいかな?止めておいた方がいいかな?
++++++
移動中、ライアスは総教国へ一度連絡してくると言って自室へ引っ込んでいった。簡単な連絡用に短い文章のやり取りが出来る通信用の魔道具を持たされていたらしく、俺達にこのまま同行する事を知らせてくるそうだ。
後学の為に見せてもらったらA5サイズくらいの板に小さな魔石が二つ嵌め込んである物だった。どういう物か訊けばそれに伝えたい文字を書けば書いた文字が対となっている受け手側に表示されるという仕組みらしい。その逆もあり。うん、メールっぽい。
腕輪の話をした後っていうのもあって念の為にしれっと鑑定させてもらったけど盗聴機能はなかった。よし。
さて、内部を改造したので運転席は無くなり外の様子はリビングのモニターで確認出来る様にしたのでソランツェもリビングで一緒に過ごす事が出来る様になった。なので、とりあえず横に座ってみたけれどソランツェの意識は主に外(モニター)……。まあ、予想の範囲内だけども。も!
一応一緒に見ていれば、思い出した様にたまに手を握ってくれたりしてくれるけど……基本暇……。
何かする事ないかなと思いながら何となくスマホを取り出す。とりあえず、スマホ。といっても、ネット接続出来る訳もないんだけど、つい。現代病だな。
で、収納の中身を見てみたり撮った写真を見てみたりするけど、やっぱり暇で暇で……。
「あ~眠……」
「途中で一泊かな」
「そうだな」
リビングのソファに座ってまったりコーヒーを飲みつつ、自動運転の設定。中間地点周辺の森で停止してそこで一泊する事にした。なんで森かというと、ガルゴドン王国は初なのでどんな魔物がいるのか探りたいらしいよ、ソランツェは。
俺も一緒に連れ回される可能性をどうやって潰そうかと考えていると、
「あの、この馬車でこのまま移動されるのですか?」
『こんなに目立つ大きなやつで?』って顔でライアスが訊いてきた。まあ、そう思うのも仕方ないだろうな。目立つもんね、大きいし真っ白だし。
「うん」
「立派な馬車ですし、少々目立ち過ぎかと思うのですが」
「大丈夫だよ、馬車を覆う不可視結界を発動出来るから」
人にも魔物にも気付かれないよ、と教えていてある事に気付く。
移動中やソランツェの日課中は暇な俺の話し相手になってもらおうと思うので、俺の事や他にもまだまだ気になる事があるだろうから色々訊いていいぞと言っておいたのだけど、
「……はぁ……そうですか……」
「……うん」
俺もライアスも殆どの答えは結局『神力だから』『神の子だから』ばかりに行き着くという可能性に気付いてしまったぞ……。か、会話が……。
という事で、もう色々呑み込みが終わったライアスにその呑み込みの良さって何なの?と訊いてみれば、しばし考えた後ぶっちゃけた答えが返って来た。
「基本的に上からの命令に対する疑問は一切持たない様に、という教育の賜物ですかね」
「おおぅ」
「命令内容も詳しくは説明されない事も多いですけど」
疑問を一切持たないなんてのは無理、でもまあ呑み込むしかないと。ソランツェが辞めたのもそこら辺の事が関係しているらしい。祖国の方は悪かったって言ってたもんな。
「あ。じゃあ、もしかしてあの腕輪の事も詳細知らない?」
そんな事があった事すらすっかり忘れていたが、思い出してみれば俺に渡して来た例の盗聴機能付き腕輪。当時は知ってて渡して来たんだろうなって思ってたけど……。
「腕輪? あの、ファンディオに入る前にお渡しした物ですか?」
「あれ、俺達の会話を盗み聞き出来る物だったんだよ」
「え?!」
「うわ、やっぱり知らなかったのか」
説明すると、ライアスの頭の中で何やら答え合わせが行われた様で一人頷いていた。その様子に何も説明せずに持って行けって命令したの補佐の人だったんだろうなあと俺もうんうんと頷く。
ちなみに、命令じゃないけど俺の事についても『愛し子』であるとの当初の説明から例の降臨イベ後も説明の更新はなされず、『我が子』とは?と実はずっともやもやしたまま過ごしていたらしい。どういう事かルイスさんやジェロイスさんに訊いてみたかったが、訊ける様な雰囲気じゃなかったそうで……。ルイスさんお元気かどうかライアスに訊いていいかな?止めておいた方がいいかな?
++++++
移動中、ライアスは総教国へ一度連絡してくると言って自室へ引っ込んでいった。簡単な連絡用に短い文章のやり取りが出来る通信用の魔道具を持たされていたらしく、俺達にこのまま同行する事を知らせてくるそうだ。
後学の為に見せてもらったらA5サイズくらいの板に小さな魔石が二つ嵌め込んである物だった。どういう物か訊けばそれに伝えたい文字を書けば書いた文字が対となっている受け手側に表示されるという仕組みらしい。その逆もあり。うん、メールっぽい。
腕輪の話をした後っていうのもあって念の為にしれっと鑑定させてもらったけど盗聴機能はなかった。よし。
さて、内部を改造したので運転席は無くなり外の様子はリビングのモニターで確認出来る様にしたのでソランツェもリビングで一緒に過ごす事が出来る様になった。なので、とりあえず横に座ってみたけれどソランツェの意識は主に外(モニター)……。まあ、予想の範囲内だけども。も!
一応一緒に見ていれば、思い出した様にたまに手を握ってくれたりしてくれるけど……基本暇……。
何かする事ないかなと思いながら何となくスマホを取り出す。とりあえず、スマホ。といっても、ネット接続出来る訳もないんだけど、つい。現代病だな。
で、収納の中身を見てみたり撮った写真を見てみたりするけど、やっぱり暇で暇で……。
「あ~眠……」
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