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 馬車って、キャンピングカーって何だろう……?と思いつつ使い勝手を重視して内部を一気に2LDKに改造してしまった。
 一部屋は俺とソランツェの部屋でもう一部屋はライアスの部屋。俺達の部屋には防音結界を常時発動させて防音対策したのは勿論、部屋と部屋の間に広めのLDKを挟んで物理的にも距離を取ったので、音漏れについては大丈夫。ごめんな、昨日は変なもん聞かせて!

 大改造によって、もうキャンピングカーの面影は完全になくなってしまったのはやっぱり寂しく思えて、アシュマルナにリビングに飾れる様にキャンピングカーの模型?ミニカー?が欲しいってお願いしたら小さいのを作ってもらえた。ありがとうアシュマルナ。
 アシュマルナが作ったから当たり前だけど精巧な出来だし、パカッと開いて内部も見られる仕様になっているのが嬉しい。




 朝食を食べた後、ソランツェは日課で外へ。いつものメニューに加えビーチランニングもしてくるっぽい。タイヤいる?引っ張る?
 ソランツェのトレーニングが終わるまで俺も食材確保って事で魚介類を獲る為に外へ。俺の亜空間収納は劣化無しからいつまでも新鮮さキープって所が便利で良い。
 で、ライアスは何をするかと言えば、俺の手伝いをしてくれるらしい。全部魔法で処理だし特に手伝いは必要としないと思うから、自由にしてていいよって言ったけど俺を一人にする訳にはいかないと。真面目だな。まあ、ソランツェの日課中は暇だったんで話し相手が出来たって事でいいかもしれない。


 海の中を魔法で探って色んな魚とかをピックアップして直接亜空間収納に放り込んでいく。獲り過ぎないように気を付けてって、そういえば。

「すごい今更だけどさ、昨日の夕食に勝手に魚とか貝獲って食ったりしたし、今もしっかりがっつり獲ってるけど許可っているのかな」
「許可ですか?」

 そもそも魚を捕獲するのに許可が必要とは?といった顔をしている。俺の知ってる範囲+曖昧な知識で(元世界での)漁業権だとかを説明してみたけどライアスは首を傾げていたので、もうここにはそんなものはないと思う事にした。いや、多分本当に無さそうだしな。
 漁船って言ってもまだまだ大型漁船ってのはないっぽくてメインは人力の小型~中型っぽいしで、陸から遠く離れて漁に行ける訳もないだろうし……

「よし、この世界のマグロは今の所俺の物という事だな」
「マグロ?」
「美味いマグロ丼食わせてやるよ」
「?」
 








++++++









 新しく出来たリビングで行き先の会議。プロジェクターで投影するみたいにガルゴドン王国の地図をいつものパネルに表示させてみた。街がある場所は判り易く印付き。

「さてさて、トゥアンニコから出てどこに行こう」
「リヒトの希望としては?」
「魚介類以外でガルゴドン特有の物売ってるお店とか市場に行きたいんだけど、トゥアンニコはまだ避けた方がいいだろうから……でも、行くなら王都以外・大きめの街、が希望かな」

 大きな街なら色んな食材がいっぱい売ってそうだと思うからなんだけど。というか、食材以外の物には不足ないんだよ。なんでも自分で作れちゃうし。で、一番大きな所って言えば王都だろうけどそこには行きたくない。行くって言ってた教会の人には気が向いたら行くねってライアスに伝えてもらう予定。トゥアンニコでの話も聞くだろうし、王都に近付きたくもない理由は判る筈なのでしょうがないと思って欲しい。

「海から離れ内陸の方に行くとユグイトという街があります。この地図でいうとここですね」

 ライアスが指した場所はトゥアンニコから結構離れている、内陸の場所で山が近い場所っぽい。

「そこはトゥアンニコほどではないですが大きな街ですね。すぐ近くにダンジョンがありましてダンジョンありきで発展した街です」
「うえぇ、ダンジョンか~……」
「やっぱり嫌そうだな」
「うーん……」

 嫌そうな顔を隠さない俺にソランツェが笑っているけど、だってさ、ダンジョンには極力近付きたくないんだよ。またファンディオのダンジョンみたいなややこしい事になるかもしれないし。
 余計な事しないでって言えばいいか?いや、言った所でと思わなくもないが。

「ダンジョンに足を踏み入れなければいいんじゃないか?」
「んー……まあ、いいや。とりあえず、行ってみようかな」
「承知いたしました」

 一応、言うだけ言っておこう。

『俺が困っちゃう事しないで、お父様』
『もしお小遣いくれるなら直接現金支給でお願い、お父様』
『頼むよ、お父様』
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