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聞こえの良い様にってどう言えばいいかなと頭をフル回転させて考える。
ダンジョンや魔物だとか、それが俺専用って言っても出来るだけ不自然じゃない理由って何だろう……俺専用……専用……指定……指名……し……し?
「あー……えー……、詳しくは言えないんだけど……」
「はい。言える範囲の事のみで問題御座いません」
「なんていうか、あの、神から課された俺への試練……修行みたいに? えー、その、受け取ってもらえれば?」
「神からの試練、修行、ですか?」
ライアスは『何だそれ?』みたいな微妙な表情をしているが、短い考慮時間で頭に思い浮かんだそれっぽい言葉はこれ以外無いからもうこれを押し通そう……。
「そうそう。アシュマルナとは別の神からって言えばいいのかな……」
「別の神?」
「うん。アシュマルナの他にもう一人いる俺の親によるものって思ってくれれば……」
「親……」
あ、駄目だ。新たなワードに引っ掛かってるっぽい。どうしようかなとソランツェをチラッと窺うと
「ライアス。とにかくそういう事と思え」
言える範囲はそこまでだ、とソランツェが遮る。助け舟、ありがとう……。ソランツェからの”後で俺にはちゃんと説明する様に”っていう視線が痛いけど。
ソランツェの声にライアスは一瞬だけ眉がピクリと上がったが、承知いたしましたと受け入れた様子。
いや、受け入れたっていうか、俺、それ知ってるわ……たとえ白いものでも俺が黒って言えばそれをそのまま受け入れるやつじゃね?うおぉ……。
「では、話を戻すが懸念事項は何だ?」
微妙にドギマギしている俺を流すようにソランツェが話を進める。ああ、そうだった……ありがとう……。
「あー、魔物は俺以外討伐出来ないから俺がやるしかないんだけどさ、俺は冒険者成り立てのランク低い奴でしょ?」
「そうだな」
「だから、どうやって出張っていけばいいのかというか、倒した後とか――」
おそらく現場周辺は立入禁止区域にしてそうだから勝手には入れないかもしれない。だから、ソランツェが緊急討伐依頼を受注した後、その随伴として入り込むというのがいいだろうけど、そこでソランツェが何もせず低ランクの俺が出るってのも問題が起きそうだし、倒したら倒したで何か問題が起きそう。
「討伐前と後、煩くなりそうな奴らを黙らせる為に」
「我々聖騎士団が居た方が、という事ですか」
「まあ、早く言えばそうなんだけど……。ガルゴドン王国の偉い人達は”愛し子・リヒト”とその伴侶になった”ドラゴンスレイヤー・ソランツェ”の存在は知ってるでしょ?」
教会とは別に各国首脳に報せが行ってるんだから知ってるはずだよな。今まで空いていた玉座に座る愛し子っていう意味の強~い絵姿と共に。
「だから、先にそっちに討伐するねって連絡入れてから総教国の聖騎士団引き連れて行けば良さそうかなって」
お忍びでたまたま近くに遊びに行ったら得体のしれない魔物が出てるって言うんで俺達も討伐に参加してもいいかな?って言えば良いのではと。
「先触れを出せば、一応は大丈夫だろうが……」
「野良状態で行くより良いかなあって思うんだ」
「あの、私が大丈夫なら、というのは……?」
「あー……俺も得体の知れない存在ってはっきり判っただろっていうか、いやまあ、護衛も上からの命令だから、以前にも増して気味が悪かろうが何だろうが辞められないと思うけど……気持ち的に……」
「とんでもない!」
その様な考えを持つはずもない!とライアスに強く否定される。俺の手をしっかりと握って俺の目を見つめて来たそれに嘘は無いんだなとちゃんと判った。
嬉しいなあ、ありがとう、やっぱ人外なんでね、と切なく思うが……盲目過ぎじゃないかとの意味で大丈夫かライアス……。
++++++
「では、後ほどトゥアンニコ中央教会で合流いたしましょう」
「うん。よろしくお願いな」
「はい」
あの後、ライアスに昼食を振る舞いドイドラへと一旦戻った。そして、ドイドラの教会へ行きトゥアンニコの現在の状況を聞いた上で、ライアスは『先触れ』の処理をしに総教国へ一度戻る。
今の所、魔物は何も動いていないし依頼を受けたとみられるAランク冒険者も現れていないそうだし、王国軍の到着はまだまだかかるらしい。よし、無駄な被害が出る前にさっさと終わらせたいから好都合だ。
どんな奴らか判んないけどやってやろう!と珍しく気合を入れているとソランツェから肩をポンと叩かれる。
「よし。一旦馬車に戻って話をしようか?」
わぁ……いい笑顔~……。
ダンジョンや魔物だとか、それが俺専用って言っても出来るだけ不自然じゃない理由って何だろう……俺専用……専用……指定……指名……し……し?
「あー……えー……、詳しくは言えないんだけど……」
「はい。言える範囲の事のみで問題御座いません」
「なんていうか、あの、神から課された俺への試練……修行みたいに? えー、その、受け取ってもらえれば?」
「神からの試練、修行、ですか?」
ライアスは『何だそれ?』みたいな微妙な表情をしているが、短い考慮時間で頭に思い浮かんだそれっぽい言葉はこれ以外無いからもうこれを押し通そう……。
「そうそう。アシュマルナとは別の神からって言えばいいのかな……」
「別の神?」
「うん。アシュマルナの他にもう一人いる俺の親によるものって思ってくれれば……」
「親……」
あ、駄目だ。新たなワードに引っ掛かってるっぽい。どうしようかなとソランツェをチラッと窺うと
「ライアス。とにかくそういう事と思え」
言える範囲はそこまでだ、とソランツェが遮る。助け舟、ありがとう……。ソランツェからの”後で俺にはちゃんと説明する様に”っていう視線が痛いけど。
ソランツェの声にライアスは一瞬だけ眉がピクリと上がったが、承知いたしましたと受け入れた様子。
いや、受け入れたっていうか、俺、それ知ってるわ……たとえ白いものでも俺が黒って言えばそれをそのまま受け入れるやつじゃね?うおぉ……。
「では、話を戻すが懸念事項は何だ?」
微妙にドギマギしている俺を流すようにソランツェが話を進める。ああ、そうだった……ありがとう……。
「あー、魔物は俺以外討伐出来ないから俺がやるしかないんだけどさ、俺は冒険者成り立てのランク低い奴でしょ?」
「そうだな」
「だから、どうやって出張っていけばいいのかというか、倒した後とか――」
おそらく現場周辺は立入禁止区域にしてそうだから勝手には入れないかもしれない。だから、ソランツェが緊急討伐依頼を受注した後、その随伴として入り込むというのがいいだろうけど、そこでソランツェが何もせず低ランクの俺が出るってのも問題が起きそうだし、倒したら倒したで何か問題が起きそう。
「討伐前と後、煩くなりそうな奴らを黙らせる為に」
「我々聖騎士団が居た方が、という事ですか」
「まあ、早く言えばそうなんだけど……。ガルゴドン王国の偉い人達は”愛し子・リヒト”とその伴侶になった”ドラゴンスレイヤー・ソランツェ”の存在は知ってるでしょ?」
教会とは別に各国首脳に報せが行ってるんだから知ってるはずだよな。今まで空いていた玉座に座る愛し子っていう意味の強~い絵姿と共に。
「だから、先にそっちに討伐するねって連絡入れてから総教国の聖騎士団引き連れて行けば良さそうかなって」
お忍びでたまたま近くに遊びに行ったら得体のしれない魔物が出てるって言うんで俺達も討伐に参加してもいいかな?って言えば良いのではと。
「先触れを出せば、一応は大丈夫だろうが……」
「野良状態で行くより良いかなあって思うんだ」
「あの、私が大丈夫なら、というのは……?」
「あー……俺も得体の知れない存在ってはっきり判っただろっていうか、いやまあ、護衛も上からの命令だから、以前にも増して気味が悪かろうが何だろうが辞められないと思うけど……気持ち的に……」
「とんでもない!」
その様な考えを持つはずもない!とライアスに強く否定される。俺の手をしっかりと握って俺の目を見つめて来たそれに嘘は無いんだなとちゃんと判った。
嬉しいなあ、ありがとう、やっぱ人外なんでね、と切なく思うが……盲目過ぎじゃないかとの意味で大丈夫かライアス……。
++++++
「では、後ほどトゥアンニコ中央教会で合流いたしましょう」
「うん。よろしくお願いな」
「はい」
あの後、ライアスに昼食を振る舞いドイドラへと一旦戻った。そして、ドイドラの教会へ行きトゥアンニコの現在の状況を聞いた上で、ライアスは『先触れ』の処理をしに総教国へ一度戻る。
今の所、魔物は何も動いていないし依頼を受けたとみられるAランク冒険者も現れていないそうだし、王国軍の到着はまだまだかかるらしい。よし、無駄な被害が出る前にさっさと終わらせたいから好都合だ。
どんな奴らか判んないけどやってやろう!と珍しく気合を入れているとソランツェから肩をポンと叩かれる。
「よし。一旦馬車に戻って話をしようか?」
わぁ……いい笑顔~……。
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