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時間掛かるかなーって感じなので、アレンさん達が淹れてくれたお茶を飲みながら待つ。アレンさん達はまだ詳細は伏せたままではあるが、他の人達に先に今の状況を説明しに戻った。
「調査団みたいなのを組むのかな?今までって新しくダンジョン出来た時はどうしてたんだろ?」
「俺の知る限りでは新しくダンジョンが出来たという話は聞いた事が無いからな……」
「今回のを除いて最新の物っていつくらいに出来てその後”到達済み”ってなったんだろ?」
機密事項なんかじゃなくて、ただ単に昔過ぎてみんな知らなかったってだけな気がしてきたが、そこら辺アシュマルナに聞けばよかったなと思う。でも、時間の感覚が違うから参考にならない気もするし、興味無いから覚えてないとか言いそうだ。
「ギルド本部やダンジョンを管理する各国にはそういった記録があるんじゃないか?」
「普通に考えればそうだよな」
++++++
しばらく待っていれば、ウーリュオさんが出てきてどうなったのか教えてくれた。
転移陣の色云々については機密事項でもなんでもなくやっぱり昔過ぎたってだけらしい。
「本部が所持している記録によると、百年ほど前に大陸から離れた南の島国であるトリルニに出来た物が今までの最新だそうです」
「最新で百年前?!」
「しかも島国か」
「大陸じゃそれより前って事なら、そりゃ人の記憶に残んないよなあ」
さて、今からの事だけど冒険者ギルド本部から国へ伝わりそちら側からダンジョンを実際に管理している領主へと指示が行くそうだが、実はダンジョンが出来た際の各国とギルドとの取り決めという物が記録に残っているんだって。最終階層に一点物SSアイテムがあるって事から出来た物のようだ。
まずは、新ダンジョン出現の報は国・ギルド双方から世界全体に出されるらしい。その後、ダンジョンが出現した国が調査隊という名でダンジョンを封鎖し一番に攻略に挑戦するらしく、そこで最終階層まで行く事が出来た場合、宝箱の中身(SS物)は勿論国の物となる。
しかし、国の編成した調査隊には難易度が高かったり予算の関係で攻略を諦めた場合、冒険者ギルドに挑戦権が移り、冒険者ギルドがダンジョンを封鎖し冒険ギルドが選んだメンバー編成の攻略隊が行く。攻略隊が最終階層到達を遂げた場合のSS宝箱は冒険者ギルドの物となり、即オークションが開かれ売却金額の七割は攻略隊のメンバーの物になるそう。指名依頼って事にもなるから、報酬も別に出るし実績にもカウントされるみたい。
そして、冒険者ギルドの攻略隊でも駄目な場合、そこでようやく封鎖が解かれ全体に挑戦権が与えられSS宝箱は早い者勝ちになる。けど……ねえ?ギルド選抜でも駄目って、もう、アレだけど一攫千金だもんなあ。
「そうなったら、ここって人がめちゃくちゃ増えるだろうね」
「そうだな」
「そうならなくても、新しい所だってだけでも増えるだろうしテッドさん達大忙しになるな」
「随分気が早いな」
「あはは」
ソランツェは知らないが、そうなる事は確実だなって俺は知ってるんだよなあ。俺以外辿り着けない難易度って言ってたから。やっぱり仕送りシステムだって事は言っておいた方がいい?
++++++
現在、俺達はギルドを出て道を挟んだファンディオの教会へ『今ちょっと用事でここにいるよ』とライアスへの伝言を頼みに向かっている最中。一応、約束だしな。あとは、テッドさんの所に顔を出す予定。
ファンディオ支部にいる冒険者達にはいち早く情報は伝えられた。
みんなが戸惑っていた封鎖に関しては、既存部分は封鎖しない事となるだろうとの事。採取依頼だったりでダンジョンに入らないといけない事もあるから。
新しく出来た階層から封鎖するらしいけど、どうやって封鎖するんだろう?人をずっと立たせておくの?魔物出るのに?と疑問に思っていたら、ソランツェから今までの最終階層だった地点は”安全地帯”らしく魔物は出ない所らしいので、それが変わっていなければそこに兵士などが常駐するんじゃないか?と言われた。
「それならいいけど、それでもずっとってキツいよな。陽が差さない所はなあ……」
「この国は力がある訳ではない。自軍の精鋭を集めた調査隊と言っても期待は出来ないから駄目ならすぐ撤退するだろう。そこに割ける予算もこの国はあまりないだろうしな」
「あー……そうなんだ……」
予算がないとかそんな話聞いたら、実はあれって俺の為の甘やかし仕送りシステムなんだよな~ってなんかますます言い辛くなったぞ……。
「調査団みたいなのを組むのかな?今までって新しくダンジョン出来た時はどうしてたんだろ?」
「俺の知る限りでは新しくダンジョンが出来たという話は聞いた事が無いからな……」
「今回のを除いて最新の物っていつくらいに出来てその後”到達済み”ってなったんだろ?」
機密事項なんかじゃなくて、ただ単に昔過ぎてみんな知らなかったってだけな気がしてきたが、そこら辺アシュマルナに聞けばよかったなと思う。でも、時間の感覚が違うから参考にならない気もするし、興味無いから覚えてないとか言いそうだ。
「ギルド本部やダンジョンを管理する各国にはそういった記録があるんじゃないか?」
「普通に考えればそうだよな」
++++++
しばらく待っていれば、ウーリュオさんが出てきてどうなったのか教えてくれた。
転移陣の色云々については機密事項でもなんでもなくやっぱり昔過ぎたってだけらしい。
「本部が所持している記録によると、百年ほど前に大陸から離れた南の島国であるトリルニに出来た物が今までの最新だそうです」
「最新で百年前?!」
「しかも島国か」
「大陸じゃそれより前って事なら、そりゃ人の記憶に残んないよなあ」
さて、今からの事だけど冒険者ギルド本部から国へ伝わりそちら側からダンジョンを実際に管理している領主へと指示が行くそうだが、実はダンジョンが出来た際の各国とギルドとの取り決めという物が記録に残っているんだって。最終階層に一点物SSアイテムがあるって事から出来た物のようだ。
まずは、新ダンジョン出現の報は国・ギルド双方から世界全体に出されるらしい。その後、ダンジョンが出現した国が調査隊という名でダンジョンを封鎖し一番に攻略に挑戦するらしく、そこで最終階層まで行く事が出来た場合、宝箱の中身(SS物)は勿論国の物となる。
しかし、国の編成した調査隊には難易度が高かったり予算の関係で攻略を諦めた場合、冒険者ギルドに挑戦権が移り、冒険者ギルドがダンジョンを封鎖し冒険ギルドが選んだメンバー編成の攻略隊が行く。攻略隊が最終階層到達を遂げた場合のSS宝箱は冒険者ギルドの物となり、即オークションが開かれ売却金額の七割は攻略隊のメンバーの物になるそう。指名依頼って事にもなるから、報酬も別に出るし実績にもカウントされるみたい。
そして、冒険者ギルドの攻略隊でも駄目な場合、そこでようやく封鎖が解かれ全体に挑戦権が与えられSS宝箱は早い者勝ちになる。けど……ねえ?ギルド選抜でも駄目って、もう、アレだけど一攫千金だもんなあ。
「そうなったら、ここって人がめちゃくちゃ増えるだろうね」
「そうだな」
「そうならなくても、新しい所だってだけでも増えるだろうしテッドさん達大忙しになるな」
「随分気が早いな」
「あはは」
ソランツェは知らないが、そうなる事は確実だなって俺は知ってるんだよなあ。俺以外辿り着けない難易度って言ってたから。やっぱり仕送りシステムだって事は言っておいた方がいい?
++++++
現在、俺達はギルドを出て道を挟んだファンディオの教会へ『今ちょっと用事でここにいるよ』とライアスへの伝言を頼みに向かっている最中。一応、約束だしな。あとは、テッドさんの所に顔を出す予定。
ファンディオ支部にいる冒険者達にはいち早く情報は伝えられた。
みんなが戸惑っていた封鎖に関しては、既存部分は封鎖しない事となるだろうとの事。採取依頼だったりでダンジョンに入らないといけない事もあるから。
新しく出来た階層から封鎖するらしいけど、どうやって封鎖するんだろう?人をずっと立たせておくの?魔物出るのに?と疑問に思っていたら、ソランツェから今までの最終階層だった地点は”安全地帯”らしく魔物は出ない所らしいので、それが変わっていなければそこに兵士などが常駐するんじゃないか?と言われた。
「それならいいけど、それでもずっとってキツいよな。陽が差さない所はなあ……」
「この国は力がある訳ではない。自軍の精鋭を集めた調査隊と言っても期待は出来ないから駄目ならすぐ撤退するだろう。そこに割ける予算もこの国はあまりないだろうしな」
「あー……そうなんだ……」
予算がないとかそんな話聞いたら、実はあれって俺の為の甘やかし仕送りシステムなんだよな~ってなんかますます言い辛くなったぞ……。
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