のんびり異世界旅行~キャンピングカーごと死んだので特典てんこ盛りで転移しました~

みりん/鷹山リン

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 ハッと目を開けると俺はあの豪華絢爛な部屋のベッドに横たわっていた。

「返事くらいしてから行動してくれればいいのに……」

 ベッドの天蓋を見つめ小さく呟く。元々静かな場所だけれど、別物の静けさが部屋に広がっている様で小さな呟きなのに大きく部屋に響いた気がした。

「ソランツェは……」

 横を向くと人一人分のスペースを挟んだ場所で俺と同じ様に、ソランツェは寝かせられている。

 何か変わったのかな……?
 時間が飛んでるって事は何かしらアシュマルナがやったんだろうけど、見た目には変化はない。俺も転移したばかりの時は、今の見た目じゃなかったし、何か見た目に変化がある訳じゃないか。

「ソランツェ、起きろよ」

 揺すってみても眠りが深いのか反応はなく規則正しい寝息も乱れない。元々気配に敏感なソランツェは寝ていても小さい物音ですぐに起きられるらしいので、これで起きないって珍しい事だ。

「おーい?」

 顔を近付けて耳元で声を掛けてみても頬を抓ってみても反応がないので、どうしたものかと思う。

「んー……?」

 あいつら何か仕掛けでもしてるんだろうか。これで息してないとかだったら大慌てだけど、とりあえず息はしてるから……。えーっと、眠りから覚ます方法ねえ?魔法?……いや、

「定番はコレだよなあ」

 眠るソランツェの唇に軽くキスを落とすと、パアッとソランツェの体が光り出した。ほら、やっぱりな、としばらく見守っていると次第に光が消えていく。

「ソランツェ」

 声を掛けるとすぐに目が開かれる。覗き込む様にして顔を近付けると、ふにゃっとした様な柔らかい笑顔を見せてくれた。

「よかった」
「ああ。声は聞こえていたが体を動かせなかった」
「ええ?」

 何か普通に目覚めさせたら面白くないなと、されたらしい。

「アシュマルナ?」
「トリラウーユ様だ」
「いや、誰だよっ!……って、多分判るけど」

 一応、ツッコミ入れておこうかと……。アシュマルナの伴侶だろ?と訊くと肯定された。なんか、二人と色々お話してきたらしいよ。へえ。
 「我が子の取り扱いについて」みたいに俺の事について全て聞いてきたらしい。ああ、そう……いや、説明が省けていいけど何をどう聞いて来たんだか気になるところ。つーか、話してきたって言っても多分、色々と嘘、というか都合が悪い事はボカされて話されている様な気はするが……まあいいや。
 俺の事についてソランツェに話そうと思っていたけど、よくよく考えれば上位世界の事をどこまで言っていいのか俺には判断出来ないからアシュマルナ達が説明したもので納得しているならその方が良さそうだし。


「じゃあ、俺が戻って来た時のあれ、アシュマルナじゃなかったって確定だな」

 口出しはしてただろうけど。

「なんでそうなったのか言ってた?」
「いや?リヒトにはただ二人で見守って行くことにしたと伝えればいいと」
「え?……ああ、そう」

 アシュマルナの監視かな。ざまあ~!と思うが、少々引っ掛かる……あとで聞こうかな。









++++++








「何か変化してる事あるのかな?」
「そうだな」

 確認してみようかと、ソランツェがステータスを開いてみれば前と少し変わっていた。


======
■ソランツェ・ルーダル
性別:男 種族:獣人(1/4) 年齢:―(24)
職業:護衛騎士 体力:∞ 魔力:∞
出身:ビスラトイルム帝国
剣術:SS 双剣術:SS 弓術:SS 索敵:SS
火属性魔法適性:MAX 風属性魔法適性:MAX
ギルドランク:B+

□神の子の護衛騎士
>能力値補正
□神の子の伴侶
>能力値・魔力共有
□神アシュマルナの加護
>対物無効・対魔無効・状態異常無効
======


「アシュマルナ様の加護……?」
「今になって判った事だけどここら辺は生身じゃない特殊な人形って事の証明だなあ」

 加護って事にして反映してんのか。

「それに使える属性は変わらないが魔法適性ランクが上がって体力や魔力が∞になっているな」
「俺と繋がってるからって事?」

 俺の能力自体加護によるもので下駄履かせてる状態なのにそれ反映されるのか?つーか、俺体力∞だっけ?と不思議に思ったので自分のステータスを表示してみる。


======
■リヒト・ソメヤ
性別:男 種族:人 年齢:―(30)
職業:無 体力:∞ 魔力:∞
全属性魔法適性・無属性魔法適性:MAX

□神トリラウーユ・神アシュマルナの愛し子
□神アシュマルナの加護
>対物無効・対魔無効・状態異常無効
======


「あ、微妙に違うっぽい」
「本当だな」

 どうやらこれが真のステータスって事っぽいな。加護の内容から魔法適性が飛び出している事からして、魔法適性ランクの高さはの元々の能力だったのを加護の中に入れて今まで偽装してたって事か。下駄じゃなかったって事ね。だから、ソランツェにも反映されると。


「改めて見ると、本当に恵まれた能力値だね」
「ああ」
「ホントこれは使ってこそ、だなって思う」

 時間は俺が飽きてもどうにも出来ない程あるんだし、開き直って色々やってみようかな。



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