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「ガルゴドンにはいつ行くんだ?ここは明日発つのか?」
「明後日くらいかな?大神殿とかちゃんと見てみたいし」
ジェロイスさんとの話が終わった後、出来れば夕食を共にと言われ、軽い気持ちでいいよって答えたら各地域トップの神官さん達がいっぱい待機してるシャンデリアとかが凄い豪華な食堂に連れて行かれ、俺そういう意味でいいよって言ってないって泣きそうになるという事がありました。めちゃくちゃ人に見られながら飯食うって苦行にカウントしていいと思う。味を何も感じないって思うくらいのやつだもん。挨拶されてる最中とか横にソランツェが居てくれなかったら泣いてたね俺は。
さて、ガルゴドン王国ってのは、綺麗な海に面している国らしい。ヴァルオム総教国東側の隣にある国。泣きそうな気持ちを頑張って切り替えて、色んな地域の人がいるならと、海が有名で魚介類が美味しい国は何処かを訊いてみたんだよな。
で、島国も含めておすすめされた中にあったのがそこ。島国じゃなくて陸続きなら一番近いし、まずはそこに行こうかなという話になった。ガルゴドン王国の教会の代表(王都)の人は大層喜んでくれました。判ってるよ、行くよ、顔出すよ……。王都自体が海に面しているそうだしさ。
あと、どうやらファンディオの物より大きいダンジョンがあるらしい。ガルゴドン王国は豊かな国に入るそうなのでソランツェはまだ行った事が無いそう。基本的に冒険者の少ない貧しい国の魔物討伐をメインに活動していたから……って俺に付き合わせてたらそこら辺が疎かになるよな……それは駄目だ。そっちもやろう。あと、忘れてたけど
「ファンディオのダンジョンの調査?数量調整?行ってない」
「ああ、そうだったな」
「ガルゴドン行く前に先にそっち終わらせようか。おそらく数分で済むだろうし……」
わざわざ潜る必要もないんだよな、多分。
「ガルゴドン行った後はセラスに行ってみようかなって思う」
「そうか。いいと思うぞ」
貧しいって言われるけど、どんな感じなのか行ってみようかと思う。
++++++
「デカい……」
「俺も初めて見たが凄いな」
現在俺達は大神殿前にいます。見に行くって言ったらライアスと、もう一人文官っぽいが来て案内してくれる事になった。文官っぽい人はつい先日大神官補佐次席になったばかりという二十代半ばくらいの若めの方。わー……。どうも、この度の貴方の出世の遠因となった人物ですお世話になりますって言ったら怒られるかな。
お名前は、ルイス・ギャベラートさん。黒に近い茶髪の七三分けオールバックに青っぽいグレーの目の痩せ型の人物。ララタス副ギルマスのジルオラさんに似た雰囲気だなって思う。
大神殿は真後ろにシシュヴァルト山があると言うか一体化してる感じ?麓に洞窟みたいなのがあってその奥に神託が表示される例の石碑があるらしいが、その洞窟の入口前に、ローマのパンテオン神殿の手前部分みたいな外観のめちゃくちゃデカい建物が鎮座している。柱、太すぎ……。
その建物に入ると大きな祭壇が設置されていて、その奥には大きな扉がある。そこを開けて進むと洞窟内部の石碑の元へ行けるらしい。
ちゃんと見てみたいと思ったが思い入れがある訳ではない俺は、やっぱり「へぇ~天井の模様すげーなー」くらいのもの。俺以外の前では耳やら尻尾は微動だにしないので判り難いけど、ソランツェが喜んでるっぽいのを見れたのがよかったなって思う。
「見て行かれますか?」
ルイスさんから聞かれたので、行ける時に行っておこうと思い頷く。いや、行こうと思えば勝手に転移で行けるだろうけど。
進むと洞窟の入口前に警備の為左右二名ずつ四名の聖騎士がいて、深々と頭を下げられ通された。中に入る前から岩の中にポツンと佇む大きな石碑が丸見えなので、何がある訳でもないし近くに行かなくてもいいかと思える。けども、一応行っておこうと俺が足を一歩入口から中に踏み入れた瞬間、その足元の岩が草原へブワーッと変わっていき花が咲き乱れ、色とりどりの光が舞い出した。
「うわ! 何だこれ」
いきなりの事に俺以外は驚き戸惑うというか畏れ入って?中に入らずその場に平伏してしまい動かないので、一人で石碑に近付いて確認したが石碑に何かメッセージが現れるとかそういう事はなく、何がしたいんだアイツとしか感想が出ない。違うと言えば殺風景の中ポツンと建っていた石碑が花で無駄に飾り立てられたみたいになっているので、元々なんか派手にしたいなーと思ってた時に俺が来たからいいタイミングだと思ってやったみたいな感じなんだろうか。
まさかそんな訳はないだろうけどアイツならやりそうだなと石碑に手を触れてみたその瞬間、体が石碑に吸い込まれ出す。
「え?! ええ?!! ちょっと何!!」
「リヒト!!」
「リヒト様!!」
「ソランツェ! ライアス!」
二人の方に手を伸ばすも吸い込まれる速度はかなり早く、ソランツェもライアスも平伏していた事によって初動が遅れてしまった為に彼らが石碑に辿り着く前に俺の視界は黒に染まってしまった。
「明後日くらいかな?大神殿とかちゃんと見てみたいし」
ジェロイスさんとの話が終わった後、出来れば夕食を共にと言われ、軽い気持ちでいいよって答えたら各地域トップの神官さん達がいっぱい待機してるシャンデリアとかが凄い豪華な食堂に連れて行かれ、俺そういう意味でいいよって言ってないって泣きそうになるという事がありました。めちゃくちゃ人に見られながら飯食うって苦行にカウントしていいと思う。味を何も感じないって思うくらいのやつだもん。挨拶されてる最中とか横にソランツェが居てくれなかったら泣いてたね俺は。
さて、ガルゴドン王国ってのは、綺麗な海に面している国らしい。ヴァルオム総教国東側の隣にある国。泣きそうな気持ちを頑張って切り替えて、色んな地域の人がいるならと、海が有名で魚介類が美味しい国は何処かを訊いてみたんだよな。
で、島国も含めておすすめされた中にあったのがそこ。島国じゃなくて陸続きなら一番近いし、まずはそこに行こうかなという話になった。ガルゴドン王国の教会の代表(王都)の人は大層喜んでくれました。判ってるよ、行くよ、顔出すよ……。王都自体が海に面しているそうだしさ。
あと、どうやらファンディオの物より大きいダンジョンがあるらしい。ガルゴドン王国は豊かな国に入るそうなのでソランツェはまだ行った事が無いそう。基本的に冒険者の少ない貧しい国の魔物討伐をメインに活動していたから……って俺に付き合わせてたらそこら辺が疎かになるよな……それは駄目だ。そっちもやろう。あと、忘れてたけど
「ファンディオのダンジョンの調査?数量調整?行ってない」
「ああ、そうだったな」
「ガルゴドン行く前に先にそっち終わらせようか。おそらく数分で済むだろうし……」
わざわざ潜る必要もないんだよな、多分。
「ガルゴドン行った後はセラスに行ってみようかなって思う」
「そうか。いいと思うぞ」
貧しいって言われるけど、どんな感じなのか行ってみようかと思う。
++++++
「デカい……」
「俺も初めて見たが凄いな」
現在俺達は大神殿前にいます。見に行くって言ったらライアスと、もう一人文官っぽいが来て案内してくれる事になった。文官っぽい人はつい先日大神官補佐次席になったばかりという二十代半ばくらいの若めの方。わー……。どうも、この度の貴方の出世の遠因となった人物ですお世話になりますって言ったら怒られるかな。
お名前は、ルイス・ギャベラートさん。黒に近い茶髪の七三分けオールバックに青っぽいグレーの目の痩せ型の人物。ララタス副ギルマスのジルオラさんに似た雰囲気だなって思う。
大神殿は真後ろにシシュヴァルト山があると言うか一体化してる感じ?麓に洞窟みたいなのがあってその奥に神託が表示される例の石碑があるらしいが、その洞窟の入口前に、ローマのパンテオン神殿の手前部分みたいな外観のめちゃくちゃデカい建物が鎮座している。柱、太すぎ……。
その建物に入ると大きな祭壇が設置されていて、その奥には大きな扉がある。そこを開けて進むと洞窟内部の石碑の元へ行けるらしい。
ちゃんと見てみたいと思ったが思い入れがある訳ではない俺は、やっぱり「へぇ~天井の模様すげーなー」くらいのもの。俺以外の前では耳やら尻尾は微動だにしないので判り難いけど、ソランツェが喜んでるっぽいのを見れたのがよかったなって思う。
「見て行かれますか?」
ルイスさんから聞かれたので、行ける時に行っておこうと思い頷く。いや、行こうと思えば勝手に転移で行けるだろうけど。
進むと洞窟の入口前に警備の為左右二名ずつ四名の聖騎士がいて、深々と頭を下げられ通された。中に入る前から岩の中にポツンと佇む大きな石碑が丸見えなので、何がある訳でもないし近くに行かなくてもいいかと思える。けども、一応行っておこうと俺が足を一歩入口から中に踏み入れた瞬間、その足元の岩が草原へブワーッと変わっていき花が咲き乱れ、色とりどりの光が舞い出した。
「うわ! 何だこれ」
いきなりの事に俺以外は驚き戸惑うというか畏れ入って?中に入らずその場に平伏してしまい動かないので、一人で石碑に近付いて確認したが石碑に何かメッセージが現れるとかそういう事はなく、何がしたいんだアイツとしか感想が出ない。違うと言えば殺風景の中ポツンと建っていた石碑が花で無駄に飾り立てられたみたいになっているので、元々なんか派手にしたいなーと思ってた時に俺が来たからいいタイミングだと思ってやったみたいな感じなんだろうか。
まさかそんな訳はないだろうけどアイツならやりそうだなと石碑に手を触れてみたその瞬間、体が石碑に吸い込まれ出す。
「え?! ええ?!! ちょっと何!!」
「リヒト!!」
「リヒト様!!」
「ソランツェ! ライアス!」
二人の方に手を伸ばすも吸い込まれる速度はかなり早く、ソランツェもライアスも平伏していた事によって初動が遅れてしまった為に彼らが石碑に辿り着く前に俺の視界は黒に染まってしまった。
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