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出発しよう!と思ったけど、目的地をまだ決めてなかったという事で引き続き結界は張ったままソランツェとも話し合い。
それで決まったのはペダソクと港町方面は当然ながら回避するという事。
「どうするんだ?」
あとは、道中勝手に付いて来そうな人達をどうするのかという問題があるんだけど、俺は思い付いたのですよ。
「転移門があるって事は、転移魔法ってのがあるんだろ?」
「あるぞ。適性があれば使えるが、使える者は少数で転移門はその転移魔法を付与した魔道具だ。とても高額だと聞く。制限もあるみたいだが詳しくは知らないな」
「付与?」
「魔法の効果を人や物に与える事だな。俺はたまに剣や矢に炎を纏わせて攻撃に使う事もあるが」
「そういうのって誰でも出来るもの?」
「いや、魔法によって使えなかったりもするし、使えても自分の使える属性の適性度が高くないと無理だな」
ずっと気になってたけど適性度ってなんだろうと思ったので説明してもらった。
例えば、火球の大きさは火属性魔法適性D(最低)ランクの人はどんなに魔力量が多くても、デカい火球を想像しても出せず指先に小さい火を付ける程度までしか使えないが、Aランクの人は使える魔力があるなら大きめの火球が打てるそう。でも、俺が角ウサギに打ち込んだ(直径2.5メートルくらい)のより少し小さめがAランクが打てる最大らしい。あれも俺にとって大きめとは思えどもっともっと大きいのは打てるし、軽~く火山でも噴火させられそうな感じなのでランクの違いとはそんなものだと。想像したものを具現化できる能力のランクみたい。付与が使えるのは攻撃系はAランクからだそうです。
亜空間収納魔法は少し変わっていて適性度は無く魔力量が全てで他への付与が出来ないらしい。他にもいくつかそういう魔法があるみたい。まあ、俺には全部関係ないんだけども。
あと、水属性の場合はDでコップ一杯分くらいしか出せなくても連れて行かれるんだって。ひえぇぇ。あ、でも、愛し子ってバレてるんなら使っても大丈夫なんじゃない?ダメかな?
「ソランツェって俺の護衛騎士になる前との違いは?」
「火属性はS、風属性・弓術・索敵がAだったな」
「ちなみにだけど、普通の人達って平均してどんなもの?」
「魔法などDが一番多いだろう。Bもあれば喜んで冒険者になるだろうな」
「へ、へぇ~……」
ソランツェって元々かなり規格外なんだね……。剣術:SSとかってのはスキルで習熟度みたいなものを示しているらしいが、ソランツェは上がっていくのが人よりもすごく早かったらしい。
自分は力を与えられているのだからとソランツェが言う理由が判るけど……、うーん?ここまで来ると、なんか、ちょっと気になる様な……。
「で、転移魔法をどうする?使ってみるのか?」
「ああ、うん。多分、俺の知ってる所しか行けそうにないけど」
「どこに行くんだ?」
「一番初めに居た平原になら行ける気がする」
「それならば、そこへ行った後ファンディオを目指すか」
「ソランツェが元々行く予定だったんだし、丁度いいよな」
言い方は悪いけど、群衆を振り切るにはこれが一番。
練習として室内でソファの上からベッド、ベッドから浴室とかってやってみると問題無しなので大丈夫そう。ついでに椅子を寝室へとか物体の転移も可能な様でした。
++++++
ドアの外に出れば待機していたらしい神官さんにもう出発すると告げる。すると、警備隊の人達とかは早い内から外に待機していたって教えてくれた……。えー……出来れば早めに言って欲しかったな、それ……。いや、判るけどさ言えないのも……。
それなら、一応挨拶してから行きましょうかという事で、外に出れば整列して待っている警備隊の人達と聖騎士の人達、それを一定の距離を取って囲む人の山……。何回見てもドン引き出来る。いや、有難いけど、俺元々普通の人だったんで……傅かれるのは慣れないですって。
ドン引いていると聖騎士の人の中のリーダーっぽい人とその後ろに警備隊の隊長さんと副隊長・カクラードさん達がやって来て跪くと警備隊の人達もその場で跪く。
内心ため息でソランツェに目で訊くと頷かれるので諦める。
「皆さんおはようございます。立って楽にしてくださいね」
みんな一斉に動くと動作音がすごいななんて軽く現実逃避してみる。
「朝早くから集まってくれていたみたいですけど、俺達はもう出発しようと思いますんで解散して大丈夫です。ララタスの人達を俺の事で振り回してしまってごめんなさい。皆さん本当にありがとうございました」
ペコッと頭を軽く下げると、集まった人たちから出発を惜しんでくれる声ばかり聞こえるが、精神衛生上これ以上はこの状態が続くのは良くはないのでそれは曲げません。昨日よりかなりの人数に膨れ上がっているし、顔には出さず笑顔でいますけど結構限界です。
「愛し子様、発言をお許し頂けますか」
「ん? いいですよ」
聖騎士のリーダーさんが話し掛けて来たので、どうぞと促せば、ここを出発してどこへ向かうのかと質問される。
お?これは、表面上警護の為と残された彼らに出された本当の命令だな。絶対聞き出せって言われてるんだろうなあ……。
でも、残念。他のみんなも耳を澄ましちゃってるからな、教えられないんだよね。
「ごめんね、教えられないよ」
言うと同時にパチンと指を鳴らして空に特大の花火玉に見立てたボールを数発打ち上げドーン!ドーン!と破裂させる。
破裂したものから降ってくるのは虹をイメージした7色の花びらと光。我ながら中々綺麗に出来たと思う。感謝の気持ち兼目くらまし。
目立たずにいたいと言った割には派手な事してるけど、目くらましにはインパクトが大事だから仕方がないんだよね。まあ、バレてるララタスだし、もういいかなって。
俺の目論見通り、突然の事にみんなめちゃくちゃ驚いていて俺達の方から目線が外れている。
その隙にさっさと出発してしまいますね、皆さんごめんなさい。
「改めて皆さん、ありがとうございましたー!!さようなら~!!!」
++++++
最初の平原に転移成功です。やった~!
「成功したな」
「あれで失敗したら大笑いだったな」
「確かに。それにしても派手な演出だった。あんなのは見た事がない」
「あれな、コンサートの定番・銀テープと悩んだわ」
当然の事ながらソランツェには判らないので首を傾げていた。
そんな事より、転移する為に握っていた手、そろそろ離してくれませんかね?
それ、恋人繋ぎですよと手を見つめていたら俯く頬に軽くキスされた。
も~~~~……
それで決まったのはペダソクと港町方面は当然ながら回避するという事。
「どうするんだ?」
あとは、道中勝手に付いて来そうな人達をどうするのかという問題があるんだけど、俺は思い付いたのですよ。
「転移門があるって事は、転移魔法ってのがあるんだろ?」
「あるぞ。適性があれば使えるが、使える者は少数で転移門はその転移魔法を付与した魔道具だ。とても高額だと聞く。制限もあるみたいだが詳しくは知らないな」
「付与?」
「魔法の効果を人や物に与える事だな。俺はたまに剣や矢に炎を纏わせて攻撃に使う事もあるが」
「そういうのって誰でも出来るもの?」
「いや、魔法によって使えなかったりもするし、使えても自分の使える属性の適性度が高くないと無理だな」
ずっと気になってたけど適性度ってなんだろうと思ったので説明してもらった。
例えば、火球の大きさは火属性魔法適性D(最低)ランクの人はどんなに魔力量が多くても、デカい火球を想像しても出せず指先に小さい火を付ける程度までしか使えないが、Aランクの人は使える魔力があるなら大きめの火球が打てるそう。でも、俺が角ウサギに打ち込んだ(直径2.5メートルくらい)のより少し小さめがAランクが打てる最大らしい。あれも俺にとって大きめとは思えどもっともっと大きいのは打てるし、軽~く火山でも噴火させられそうな感じなのでランクの違いとはそんなものだと。想像したものを具現化できる能力のランクみたい。付与が使えるのは攻撃系はAランクからだそうです。
亜空間収納魔法は少し変わっていて適性度は無く魔力量が全てで他への付与が出来ないらしい。他にもいくつかそういう魔法があるみたい。まあ、俺には全部関係ないんだけども。
あと、水属性の場合はDでコップ一杯分くらいしか出せなくても連れて行かれるんだって。ひえぇぇ。あ、でも、愛し子ってバレてるんなら使っても大丈夫なんじゃない?ダメかな?
「ソランツェって俺の護衛騎士になる前との違いは?」
「火属性はS、風属性・弓術・索敵がAだったな」
「ちなみにだけど、普通の人達って平均してどんなもの?」
「魔法などDが一番多いだろう。Bもあれば喜んで冒険者になるだろうな」
「へ、へぇ~……」
ソランツェって元々かなり規格外なんだね……。剣術:SSとかってのはスキルで習熟度みたいなものを示しているらしいが、ソランツェは上がっていくのが人よりもすごく早かったらしい。
自分は力を与えられているのだからとソランツェが言う理由が判るけど……、うーん?ここまで来ると、なんか、ちょっと気になる様な……。
「で、転移魔法をどうする?使ってみるのか?」
「ああ、うん。多分、俺の知ってる所しか行けそうにないけど」
「どこに行くんだ?」
「一番初めに居た平原になら行ける気がする」
「それならば、そこへ行った後ファンディオを目指すか」
「ソランツェが元々行く予定だったんだし、丁度いいよな」
言い方は悪いけど、群衆を振り切るにはこれが一番。
練習として室内でソファの上からベッド、ベッドから浴室とかってやってみると問題無しなので大丈夫そう。ついでに椅子を寝室へとか物体の転移も可能な様でした。
++++++
ドアの外に出れば待機していたらしい神官さんにもう出発すると告げる。すると、警備隊の人達とかは早い内から外に待機していたって教えてくれた……。えー……出来れば早めに言って欲しかったな、それ……。いや、判るけどさ言えないのも……。
それなら、一応挨拶してから行きましょうかという事で、外に出れば整列して待っている警備隊の人達と聖騎士の人達、それを一定の距離を取って囲む人の山……。何回見てもドン引き出来る。いや、有難いけど、俺元々普通の人だったんで……傅かれるのは慣れないですって。
ドン引いていると聖騎士の人の中のリーダーっぽい人とその後ろに警備隊の隊長さんと副隊長・カクラードさん達がやって来て跪くと警備隊の人達もその場で跪く。
内心ため息でソランツェに目で訊くと頷かれるので諦める。
「皆さんおはようございます。立って楽にしてくださいね」
みんな一斉に動くと動作音がすごいななんて軽く現実逃避してみる。
「朝早くから集まってくれていたみたいですけど、俺達はもう出発しようと思いますんで解散して大丈夫です。ララタスの人達を俺の事で振り回してしまってごめんなさい。皆さん本当にありがとうございました」
ペコッと頭を軽く下げると、集まった人たちから出発を惜しんでくれる声ばかり聞こえるが、精神衛生上これ以上はこの状態が続くのは良くはないのでそれは曲げません。昨日よりかなりの人数に膨れ上がっているし、顔には出さず笑顔でいますけど結構限界です。
「愛し子様、発言をお許し頂けますか」
「ん? いいですよ」
聖騎士のリーダーさんが話し掛けて来たので、どうぞと促せば、ここを出発してどこへ向かうのかと質問される。
お?これは、表面上警護の為と残された彼らに出された本当の命令だな。絶対聞き出せって言われてるんだろうなあ……。
でも、残念。他のみんなも耳を澄ましちゃってるからな、教えられないんだよね。
「ごめんね、教えられないよ」
言うと同時にパチンと指を鳴らして空に特大の花火玉に見立てたボールを数発打ち上げドーン!ドーン!と破裂させる。
破裂したものから降ってくるのは虹をイメージした7色の花びらと光。我ながら中々綺麗に出来たと思う。感謝の気持ち兼目くらまし。
目立たずにいたいと言った割には派手な事してるけど、目くらましにはインパクトが大事だから仕方がないんだよね。まあ、バレてるララタスだし、もういいかなって。
俺の目論見通り、突然の事にみんなめちゃくちゃ驚いていて俺達の方から目線が外れている。
その隙にさっさと出発してしまいますね、皆さんごめんなさい。
「改めて皆さん、ありがとうございましたー!!さようなら~!!!」
++++++
最初の平原に転移成功です。やった~!
「成功したな」
「あれで失敗したら大笑いだったな」
「確かに。それにしても派手な演出だった。あんなのは見た事がない」
「あれな、コンサートの定番・銀テープと悩んだわ」
当然の事ながらソランツェには判らないので首を傾げていた。
そんな事より、転移する為に握っていた手、そろそろ離してくれませんかね?
それ、恋人繋ぎですよと手を見つめていたら俯く頬に軽くキスされた。
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