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嫌がらせだろうと思ったあれは、本当に嫌がらせでした。確定でした。
髪や目は諦めたけど、どう考えても旅装に向かなくて着慣れない服装を我慢ならんと喚き、収納されてた元々の自分の服に着替えた所、瞬時に服装が変わったんすよ。えぇ、瞬時に。
一回目と違い下着まで変わった事とワンピースの丈がその下着が見えるギリギリのラインまで短くなった事で俺の反発心はキレイさっぱり無くなった。
だって、安心安全なボクサーブリーフだったのが防御最弱の紐パンに変わってみろよ、恐怖だよ。
これを他のに交換しても絶対また強制的に変えてくるはずだろうなってのが判るのでやめておいた。どんな格好にされるか判ったもんじゃない。
でも一応、大人しく着るから初めのに戻してくださいと言ってみたら、ワンピースに動きやすくサイドスリットが入り丈も膝下くらいまでになって黒いレギンスも追加された。おかえり、股間の安心感。
靴もサンダルだったのが、少しだけ紫の入った濃いグレーのロングブーツになったので旅装に向いてないって文句言ったのが少しは考慮された様だ。
まあ、初めより断然良くなったので言ってみるもんだと思う。人間諦めが大事。クソが。
++++++
さて、早速出発と行きたい所だけど今日は色々あったしもう面倒臭いな~お酒飲んだしな~とこの場に留まる事にした。
元々死ぬ前はキャンプ場が目的地だったし、もうここでキャンプしてしまおう。
美味い肉を炭火で焼いてビール飲んで寝るぞ~!
という事で、せっせと必要な道具を外に出して準備を始める。
タープは無しにしてアウトドア用リクライニングチェアとテーブル、LEDランタンを設置し、焚き火台も近くに置いて火起こしを始める。
ここは遠くに山は見えるも近くには何もない平原なので、薪が手に入れられないが木炭を持って来ていたので問題なし。
折り畳みのものを組み立てた焚き火台に炭を入れ、割り箸を十本くらい折って上に置く。無くてもいいけどそこら辺に落ちていた枯草も少量混ぜ込んで準備完了。
よし、火を付けるかという段階で思い付く。ライターとかもあるが、魔法が使える様になったんだし、魔法でやってみようかなと。
どんな感じで使えばいいか判らないので、焚き火台の中を見つつアシュマルナがやっていた様に指を鳴らし「着火」と念じてみると見事に枯草と割り箸に火が付いた。
「おぉ~!すごい!マジで火!火!わー!」
三十路の男が一人ポツンと平原で語彙力少なく喜んでいるのは傍から見れば痛々しいだろうが気にしない。鈍感力も大事なんだよ、人って。
初めに入れた割り箸に火が行き渡ったので、それを全体に広がる様に動かし追加で数本入れていく。木炭の端が燃え始め安定の兆しが見え始めたら一先ず大丈夫。
馬車の中に戻りクーラーボックスの中に冷蔵庫から食材やビールを移していく。冷蔵庫は冷凍室もあるタイプなので保冷剤も準備してあったが、ここは魔法の出番でしょ。
パチンと指を鳴らすとクラッシュアイスがクーラーボックスを満たしていく。めっちゃ便利やん。
上機嫌でクーラーボックスを外へ移動させ、火の様子を見る。時々、魔法で風を通したりしながら調理に適した状態になるまで放置。その間に料理の下準備だ。
バゲットは食べる分を切り分けていく。食材も減らないって事はこれもまた一本分に復活するんだろうか?と思いながら淡々とカットする。深く考えないのが大事。
スキレットに、オリーブオイル・チューブ入りの刻みニンニク・アンチョビペースト・唐辛子を入れ、網を置いた焚き火台の端の方に置く。
香りが出てくるまでの間にシーフードミックスを解凍しブラックオリーブと少量カットされて売っていたブロッコリーを用意。
香りが立ってきたら具材を入れて煮ていく。火が通ればアヒージョが完成する。
煮ている間にステーキ肉に軽く塩胡椒を振り、焼いていく。傍らには一人焼肉用のカット野菜たちを配置。
メニューは元々決めて夜と朝の分の食材を色々買い込んでおいたので、それを駆使すれば今日のメニュー以外にも作れそうで良かったなあと考えながら椅子に座り、焼けるまで待つ。
いい感じになって来た所で肉を取り出しカット。
某海の果実とチューブなのは残念だけどわさびと醤油を用意しておいた俺に隙は無い。多分。
「うわ、ウッマッ!」
塩で食べてもわさび醤油で食べても良いという肉のあまりの美味さに身悶える。それからは、黙々と肉を食いビールを飲み、また肉を食い、大根おろしとポン酢も用意しておけば良かった、ポン酢はあるが大根が無い、残念!などと思いつつビールを飲み干す。
肉への欲求が落ち着いたら野菜を食べたり、アヒージョの方も食べていく。ビールはもう一本追加。
アヒージョはそのまま食べたり薄くスライスしてトーストしたバゲットに乗せて食べたり、オイルをバゲットに吸わせて食べたりと色々やって大満足の食事だった。ビールもさらにもう一本飲んだしね。
髪や目は諦めたけど、どう考えても旅装に向かなくて着慣れない服装を我慢ならんと喚き、収納されてた元々の自分の服に着替えた所、瞬時に服装が変わったんすよ。えぇ、瞬時に。
一回目と違い下着まで変わった事とワンピースの丈がその下着が見えるギリギリのラインまで短くなった事で俺の反発心はキレイさっぱり無くなった。
だって、安心安全なボクサーブリーフだったのが防御最弱の紐パンに変わってみろよ、恐怖だよ。
これを他のに交換しても絶対また強制的に変えてくるはずだろうなってのが判るのでやめておいた。どんな格好にされるか判ったもんじゃない。
でも一応、大人しく着るから初めのに戻してくださいと言ってみたら、ワンピースに動きやすくサイドスリットが入り丈も膝下くらいまでになって黒いレギンスも追加された。おかえり、股間の安心感。
靴もサンダルだったのが、少しだけ紫の入った濃いグレーのロングブーツになったので旅装に向いてないって文句言ったのが少しは考慮された様だ。
まあ、初めより断然良くなったので言ってみるもんだと思う。人間諦めが大事。クソが。
++++++
さて、早速出発と行きたい所だけど今日は色々あったしもう面倒臭いな~お酒飲んだしな~とこの場に留まる事にした。
元々死ぬ前はキャンプ場が目的地だったし、もうここでキャンプしてしまおう。
美味い肉を炭火で焼いてビール飲んで寝るぞ~!
という事で、せっせと必要な道具を外に出して準備を始める。
タープは無しにしてアウトドア用リクライニングチェアとテーブル、LEDランタンを設置し、焚き火台も近くに置いて火起こしを始める。
ここは遠くに山は見えるも近くには何もない平原なので、薪が手に入れられないが木炭を持って来ていたので問題なし。
折り畳みのものを組み立てた焚き火台に炭を入れ、割り箸を十本くらい折って上に置く。無くてもいいけどそこら辺に落ちていた枯草も少量混ぜ込んで準備完了。
よし、火を付けるかという段階で思い付く。ライターとかもあるが、魔法が使える様になったんだし、魔法でやってみようかなと。
どんな感じで使えばいいか判らないので、焚き火台の中を見つつアシュマルナがやっていた様に指を鳴らし「着火」と念じてみると見事に枯草と割り箸に火が付いた。
「おぉ~!すごい!マジで火!火!わー!」
三十路の男が一人ポツンと平原で語彙力少なく喜んでいるのは傍から見れば痛々しいだろうが気にしない。鈍感力も大事なんだよ、人って。
初めに入れた割り箸に火が行き渡ったので、それを全体に広がる様に動かし追加で数本入れていく。木炭の端が燃え始め安定の兆しが見え始めたら一先ず大丈夫。
馬車の中に戻りクーラーボックスの中に冷蔵庫から食材やビールを移していく。冷蔵庫は冷凍室もあるタイプなので保冷剤も準備してあったが、ここは魔法の出番でしょ。
パチンと指を鳴らすとクラッシュアイスがクーラーボックスを満たしていく。めっちゃ便利やん。
上機嫌でクーラーボックスを外へ移動させ、火の様子を見る。時々、魔法で風を通したりしながら調理に適した状態になるまで放置。その間に料理の下準備だ。
バゲットは食べる分を切り分けていく。食材も減らないって事はこれもまた一本分に復活するんだろうか?と思いながら淡々とカットする。深く考えないのが大事。
スキレットに、オリーブオイル・チューブ入りの刻みニンニク・アンチョビペースト・唐辛子を入れ、網を置いた焚き火台の端の方に置く。
香りが出てくるまでの間にシーフードミックスを解凍しブラックオリーブと少量カットされて売っていたブロッコリーを用意。
香りが立ってきたら具材を入れて煮ていく。火が通ればアヒージョが完成する。
煮ている間にステーキ肉に軽く塩胡椒を振り、焼いていく。傍らには一人焼肉用のカット野菜たちを配置。
メニューは元々決めて夜と朝の分の食材を色々買い込んでおいたので、それを駆使すれば今日のメニュー以外にも作れそうで良かったなあと考えながら椅子に座り、焼けるまで待つ。
いい感じになって来た所で肉を取り出しカット。
某海の果実とチューブなのは残念だけどわさびと醤油を用意しておいた俺に隙は無い。多分。
「うわ、ウッマッ!」
塩で食べてもわさび醤油で食べても良いという肉のあまりの美味さに身悶える。それからは、黙々と肉を食いビールを飲み、また肉を食い、大根おろしとポン酢も用意しておけば良かった、ポン酢はあるが大根が無い、残念!などと思いつつビールを飲み干す。
肉への欲求が落ち着いたら野菜を食べたり、アヒージョの方も食べていく。ビールはもう一本追加。
アヒージョはそのまま食べたり薄くスライスしてトーストしたバゲットに乗せて食べたり、オイルをバゲットに吸わせて食べたりと色々やって大満足の食事だった。ビールもさらにもう一本飲んだしね。
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