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3章。バフ・マスター、Lv6覚醒
45話。【リディアSIDE】リディア王女、バランに取り引きを持ちかけられる
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リディアは王宮に隣接した神殿で、女神に祈りを捧げていた。
「女神様、どうかアベルをお守りください!」
彼女の側には、5人のルーンナイツの少女騎士たちが、護衛として控えている。アベルが厳選し、信頼できると判断した者だけを護衛として残していた。
「はぁ~っ。もうっ、私のスキル【大聖女】じゃなくなちゃったわ」
リディアはスキルが【聖女】に戻っているのを確認にして、肩を落とす。
アベルのスキル強化は、同時にふたりまでにしかかけられない。
剣聖イブとティファにスキル強化を施せば、リディアはあぶれて当然だった。
仲間外れにされているように感じて、リディアは辛かった。
「私もティファみたいにアベルの隣に立って戦いたいのに……」
王女という身分では無理な相談である。今までが、例外だったのだ。
アベルはティファのことを大事に想っているし、戦友として信頼している。
リディアは、ティファに遅れをとっているような気分になっていた。
欲張りかも知れないが。すべてにおいて、リディアはアベルの一番のパートナーになりたいのだ。
「失礼します。リディア王女殿下!
投獄されたバラン様がフォルガナの作戦について重要な情報を教えるので、減刑に応じて欲しいと要求してきています」
やってきた牢番の兵が、リディアに声をかけてきた。
「それは本当!?」
フォルガナの作戦情報は、今、喉から手が出るほど欲しいモノだ。
「はっ! リディア王女殿下に直接、お話されたいと申されているのですが、いかがされましょうか?」
「うんっ?」
王女であるリディアが、罪人となった者から直接話を聞くことなど本来、あり得ない。
だが、バランは減刑のために、リディアの慈悲に縋りたくて、そのように言ってきてるのだろう。
リディアとアベルの命を狙ったことを直接謝罪すれば許してもらえるなどと、甘いことを考えているのかも知れなかった。
一瞬、訝しんだリディアであったが、アベルの役に立つため、一刻も早くフォルガナの作戦情報を手に入れるべきだと思った。
それはきっと、戦場でアベルの側に立つティファ以上の軍功となるハズだ。
「わかったわ。バランのいる独房に案内してちょうだい。ルーンナイツのみんな。もしバランがおかしなマネをしたら、魔法で撃ち殺して良いからね」
「はっ!」
少女騎士らが、一斉にうなずく。
今、王宮は戦争で兵が出払って手薄になっていた。
あのトチ狂った脳筋男が、リディアを人質にして逃げる計画を立てていることも十分に考えらる。
だが、鉄格子越しに話して、何かおかしな素振りを見せたら、魔法で黙らせれば済むとリディアは判断した。
ルーンナイツの少女騎士たちは、全員バフ・マスターで強化されている。最強の護衛たちだ。何も問題ない。
「待っていてね、アベル! 私、ちゃんとあなたの役に立つからね」
つぶやいて、リディアは神殿を後にした。
「女神様、どうかアベルをお守りください!」
彼女の側には、5人のルーンナイツの少女騎士たちが、護衛として控えている。アベルが厳選し、信頼できると判断した者だけを護衛として残していた。
「はぁ~っ。もうっ、私のスキル【大聖女】じゃなくなちゃったわ」
リディアはスキルが【聖女】に戻っているのを確認にして、肩を落とす。
アベルのスキル強化は、同時にふたりまでにしかかけられない。
剣聖イブとティファにスキル強化を施せば、リディアはあぶれて当然だった。
仲間外れにされているように感じて、リディアは辛かった。
「私もティファみたいにアベルの隣に立って戦いたいのに……」
王女という身分では無理な相談である。今までが、例外だったのだ。
アベルはティファのことを大事に想っているし、戦友として信頼している。
リディアは、ティファに遅れをとっているような気分になっていた。
欲張りかも知れないが。すべてにおいて、リディアはアベルの一番のパートナーになりたいのだ。
「失礼します。リディア王女殿下!
投獄されたバラン様がフォルガナの作戦について重要な情報を教えるので、減刑に応じて欲しいと要求してきています」
やってきた牢番の兵が、リディアに声をかけてきた。
「それは本当!?」
フォルガナの作戦情報は、今、喉から手が出るほど欲しいモノだ。
「はっ! リディア王女殿下に直接、お話されたいと申されているのですが、いかがされましょうか?」
「うんっ?」
王女であるリディアが、罪人となった者から直接話を聞くことなど本来、あり得ない。
だが、バランは減刑のために、リディアの慈悲に縋りたくて、そのように言ってきてるのだろう。
リディアとアベルの命を狙ったことを直接謝罪すれば許してもらえるなどと、甘いことを考えているのかも知れなかった。
一瞬、訝しんだリディアであったが、アベルの役に立つため、一刻も早くフォルガナの作戦情報を手に入れるべきだと思った。
それはきっと、戦場でアベルの側に立つティファ以上の軍功となるハズだ。
「わかったわ。バランのいる独房に案内してちょうだい。ルーンナイツのみんな。もしバランがおかしなマネをしたら、魔法で撃ち殺して良いからね」
「はっ!」
少女騎士らが、一斉にうなずく。
今、王宮は戦争で兵が出払って手薄になっていた。
あのトチ狂った脳筋男が、リディアを人質にして逃げる計画を立てていることも十分に考えらる。
だが、鉄格子越しに話して、何かおかしな素振りを見せたら、魔法で黙らせれば済むとリディアは判断した。
ルーンナイツの少女騎士たちは、全員バフ・マスターで強化されている。最強の護衛たちだ。何も問題ない。
「待っていてね、アベル! 私、ちゃんとあなたの役に立つからね」
つぶやいて、リディアは神殿を後にした。
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