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1章。バフ・マスター、Lv4覚醒
12話。バフ・マスター、ブラックナイツの騎士たちから配下にして欲しいと懇願される
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「うぉおおおお! 勝った! 生き残ったぞ!」
勝ちどきが上がる。
統率者を失ったアンデッド軍団を、その後、一体残らず滅ぼすことができた。
これで村々や王都が襲われる心配も無くなった。
「ああっ! 危なかった。もしブラックナイツが全滅してアンデッド化していたら、この国は終わっていたわ。
これも全部、アベルのおかげね!」
リディアが人目もはばからずに抱きついてくる。
思わずドギマギてしまう。
「い、いや、勝てたのは、みんなのおかげだよ。特にリディアの活躍はすごかった。さすがは聖女だな」
リッチにかけらた毒も、リディアの魔法で治療してもらった。
「えっへん! 私も参戦して正解だったでしょ!」
リディアは輝くような笑顔を見せた。
「王女殿下。家臣たちの前ですので、す、少しはご自重を」
ティファが、リディアを僕から引き剥がす。
「ええっ! なんでよ?」
「なんでも何も。はしたないですよ!」
正論にリディアは唇を尖らせる。
勝利の余韻に浸っていたいが、僕には、まだやることがあった。ブラックナイツに対して告げる。
「ルーンナイツには、回復魔法の使い手もいる。負傷者は治療を受けて欲しい!」
「はい! 負傷者のみなさんはこちらへ」
回復魔法小隊の小隊長が、ブラックナイツを手招きした。
「おおっ。ありがたい! まさに戦場の天使だな」
「えっ!? こんなかわいい娘たちに、治療してもらえるんですか!」
同時に、僕はブラックナイツにかけたバフを解除する。
「ち、力がっ……俺たちのステータスがまた10分の1に!?」
「これはっ……アベル殿! 我らのバフを解除したのは。その、やはり、もはや仲間ではないという……」
父上の代からの古参の騎士が、言いにくそうに声をかけてくる。
「そういう訳じゃなくて。僕のこの力は効果人数が最大3000人と決まっている。僕は救援に訪れた先で、苦戦している味方や、魔物に襲われている人がいたら、バフをかけて助けてやりたいと思うんだ。
だから、悪いけど、普段からバフをかけるのは、ルーンナイツだけにしたいと思う」
「さすが、ご立派です。弱きを助けるために力を使う。まさしくアベル様こそ、騎士の鑑!」
ティファが感動した面持ちで告げた。
「そ、それではアベル殿! 拙者を貴殿のルーンナイツに編入させてはいただけぬか!? 見たところ、女子ばかりで前衛に不安がござろう」
「それでしたら、ぜひ私も! ルーンナイツへの参加を希望いたします!」
「アベル! 同期のよしみで、俺をそっちに加えてくれよ! なっ!?」
ブラックナイツの騎士たちが、僕の前に殺到し、口々に僕の配下にして欲しいと頼みこんで来た。
中には、大して親しくもないのに『俺はアベルのマブダチだぞ!』などと叫んでいる調子の奴もいる。
「貴様ら何を言っているか!? 我が栄光のブラックナイツを辞して、アベルの元に行くだと!?」
バラン団長が、信じられないといった顔で怒鳴った。
「『馬鹿な指揮官、敵より怖い』。という格言がございましてな団長。
かれこれ、これで5連敗。しかも今回の敗北は、あわや我が国の崩壊に繋がる失態でしたぞ!
さすがに愛想がつきましたわい。無駄死はごめんこうむります」
古参の騎士が、呆れ果てたように告げる。彼にブラックナイツの騎士たちが、次々に賛同した。
「自分だけ助かろうとする指揮官について行きたいヤツなんぞ、いるわけねぇだろ!」
「俺たちは捨て駒じゃない! こんなブラック職場なんて、こっちから願い下げだ!」
「そうだ、そうだ! こんな無能な団長の下で、無駄死になんて絶対にゴメンだ!」
若い騎士たちからも賛同の声があがった。
「ブラックナイツなんて、辞めてやる!」
彼らの中には、栄光のブラックナイツの象徴である黒い鎧を脱ぎ捨て、その場に叩きつける者もいた。
「き、貴様らっ!」
バラン団長の顔が怒りに真っ赤になった。
勝ちどきが上がる。
統率者を失ったアンデッド軍団を、その後、一体残らず滅ぼすことができた。
これで村々や王都が襲われる心配も無くなった。
「ああっ! 危なかった。もしブラックナイツが全滅してアンデッド化していたら、この国は終わっていたわ。
これも全部、アベルのおかげね!」
リディアが人目もはばからずに抱きついてくる。
思わずドギマギてしまう。
「い、いや、勝てたのは、みんなのおかげだよ。特にリディアの活躍はすごかった。さすがは聖女だな」
リッチにかけらた毒も、リディアの魔法で治療してもらった。
「えっへん! 私も参戦して正解だったでしょ!」
リディアは輝くような笑顔を見せた。
「王女殿下。家臣たちの前ですので、す、少しはご自重を」
ティファが、リディアを僕から引き剥がす。
「ええっ! なんでよ?」
「なんでも何も。はしたないですよ!」
正論にリディアは唇を尖らせる。
勝利の余韻に浸っていたいが、僕には、まだやることがあった。ブラックナイツに対して告げる。
「ルーンナイツには、回復魔法の使い手もいる。負傷者は治療を受けて欲しい!」
「はい! 負傷者のみなさんはこちらへ」
回復魔法小隊の小隊長が、ブラックナイツを手招きした。
「おおっ。ありがたい! まさに戦場の天使だな」
「えっ!? こんなかわいい娘たちに、治療してもらえるんですか!」
同時に、僕はブラックナイツにかけたバフを解除する。
「ち、力がっ……俺たちのステータスがまた10分の1に!?」
「これはっ……アベル殿! 我らのバフを解除したのは。その、やはり、もはや仲間ではないという……」
父上の代からの古参の騎士が、言いにくそうに声をかけてくる。
「そういう訳じゃなくて。僕のこの力は効果人数が最大3000人と決まっている。僕は救援に訪れた先で、苦戦している味方や、魔物に襲われている人がいたら、バフをかけて助けてやりたいと思うんだ。
だから、悪いけど、普段からバフをかけるのは、ルーンナイツだけにしたいと思う」
「さすが、ご立派です。弱きを助けるために力を使う。まさしくアベル様こそ、騎士の鑑!」
ティファが感動した面持ちで告げた。
「そ、それではアベル殿! 拙者を貴殿のルーンナイツに編入させてはいただけぬか!? 見たところ、女子ばかりで前衛に不安がござろう」
「それでしたら、ぜひ私も! ルーンナイツへの参加を希望いたします!」
「アベル! 同期のよしみで、俺をそっちに加えてくれよ! なっ!?」
ブラックナイツの騎士たちが、僕の前に殺到し、口々に僕の配下にして欲しいと頼みこんで来た。
中には、大して親しくもないのに『俺はアベルのマブダチだぞ!』などと叫んでいる調子の奴もいる。
「貴様ら何を言っているか!? 我が栄光のブラックナイツを辞して、アベルの元に行くだと!?」
バラン団長が、信じられないといった顔で怒鳴った。
「『馬鹿な指揮官、敵より怖い』。という格言がございましてな団長。
かれこれ、これで5連敗。しかも今回の敗北は、あわや我が国の崩壊に繋がる失態でしたぞ!
さすがに愛想がつきましたわい。無駄死はごめんこうむります」
古参の騎士が、呆れ果てたように告げる。彼にブラックナイツの騎士たちが、次々に賛同した。
「自分だけ助かろうとする指揮官について行きたいヤツなんぞ、いるわけねぇだろ!」
「俺たちは捨て駒じゃない! こんなブラック職場なんて、こっちから願い下げだ!」
「そうだ、そうだ! こんな無能な団長の下で、無駄死になんて絶対にゴメンだ!」
若い騎士たちからも賛同の声があがった。
「ブラックナイツなんて、辞めてやる!」
彼らの中には、栄光のブラックナイツの象徴である黒い鎧を脱ぎ捨て、その場に叩きつける者もいた。
「き、貴様らっ!」
バラン団長の顔が怒りに真っ赤になった。
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